筋トレのビッグ3は、トレーニングを始めるとどこかで必ず耳にする言葉。
初心者がマシントレーニングに慣れてきて、ダンベルやバーベルを使ったフリーウエイトに挑戦するときには避けて通れない3つの種目です。
筋トレビッグ3とはどのような種目で、たくさんある筋トレ種目の中でなぜ3つが特別と言われるのでしょうか?
今回は、筋トレのビッグ3について解説。
その重要性と注意点、それぞれの正しいやり方を解説します。
【筋トレ】ビッグ3とは
筋トレのビッグ3とは、ベンチプレス、スクワット、デッドリフトの3種目のことです。
ダンベルやバーベルを使うフリーウエイトの中でもこのビッグ3は最も効率よく大きな筋肉を鍛えることができると言われています。
ビッグ3はなぜ特別?
筋トレには1つの筋肉に集中して効かせる種目と、複数の筋肉を同時に鍛える種目があります。
ビッグ3のベンチプレス、スクワット、デッドリフトは、複数の筋肉を同時に鍛える種目。このタイプの筋トレをコンパウンドエクササイズ(多関節運動)と言い、ビッグ3はその代表格なのです。
ベンチプレスは胸を中心に上半身の前面を鍛える運動、スクワットは下半身全体と体幹を鍛える運動、そしてデッドリフトは体の後ろ側を中心にほとんど全ての筋肉を鍛える運動。
ビッグ3を行えば、ほぼ全身を効果的に鍛えることができます。
ビッグ3は筋力の目安になっている
ビッグ3は世界的に筋トレの最重要種目として認められているため、「ビッグ3の合計記録」で筋力のだいたいの目安が分かるとされています。
例えば体重70kgの男性の場合、初心者の平均は242kg、中級者は328kg、上級者は426kg、エリートレベルは533kgというのが目安。
ビッグ3の記録を伸ばしていくことが筋トレを行う上での大きな目標にもなるのです。
【筋トレ】ビッグ3を行うメリット
フリーウエイトに挑戦する際にビッグ3を行うべきだと言われる理由は、高重量を扱えるから。
複数の筋肉を動員して重い重量を扱うため、1つの筋肉に集中するトレーニングと比べて全身の筋肉の大幅な筋力アップと筋肥大効果が狙えるのです。
多くのジムで行える
ビッグ3はバーベルがあればできる種目。専用のマシンが必要なわけではなく、フリーウエイトの高重量を扱うジムでビッグ3ができないところはまずありません。トレーナーもビッグ3は必ず熟知しているはずなので、安心して挑戦できるのです。
痩せやすくなる
基礎代謝は生命を維持するために何もしなくても消費するカロリー。筋肉量が増えれば基礎代謝を上げ、痩せやすい体になっていきます。
ビッグ3は効率よく筋肉を大きくすることができるため、痩せやすい体になるのです。
またビッグ3を行う際には全身の筋肉で大きな力を出すため、多くのカロリーを消費するメリットもあります。
【筋トレ】ビッグ3を行うデメリット
メリットが多く、ぜひ挑戦したいビッグ3ですが、注意点もあります。
フォームを覚えるのが難しい
ビッグ3は全身の筋肉を連動するフリーウエイト種目。そのためマシントレーニングや1つの筋肉を集中して鍛える種目に比べてフォームが複雑で、覚えるのが難しい点がデメリットです。
最初は軽い重量でトレーナーにチェックしてもらいながらフォームを固めてください。
怪我をしやすい
ビッグ3は重いバーベルを扱うため、フォームが崩れると怪我のリスクが高くなります。特に関節に重量が集中すると怪我をしやすく、ベンチプレスは手首や肘、スクワットとデッドリフトは膝と腰に注意が必要です。
怪我を防ぐためにもトレーナーや慣れた人にサポートしてもらうのがおすすめ。
リフティングベルトやリストラップで怪我をしやすい関節を守ることも大切です。
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【筋トレ】ビッグ3の正しいやり方
それではビッグ3それぞれの正しいやり方を解説します。
ベンチプレス
ベンチプレスはベンチに仰向けになって胸の上でバーベルを持ち上げる運動。
主に胸の大胸筋や肩の三角筋、腕の後ろの上腕三頭筋を使います。
やり方
・ベンチに仰向けになり、胸の上のラックに乗せられたバーベルのバーを握る
・このときの手の間隔は肩幅の1.5倍程度の広さにする
・バーが胸の真上にくるよう、自分の位置を調整し、バーベルをラックから外す
・肘を曲げてバーベルをゆっくりと鳩尾に向かって下す
・胸にバーベルが触れるあたりで肘を伸ばしてバーベルを持ち上げる
・肘が伸び切る前に止め、また下すのを繰り返す
・限界になったらバーベルをラックに戻す
ベンチプレスのポイント
ベンチプレスは肩甲骨を寄せ、肩を落として胸を張ることが重要です。
肩甲骨が前後に動くようだと胸の筋肉を使えていないため、力が発揮できない上に怪我につながってしまいます。
また持ち上げたときに肘を伸ばし切らないように注意。肘が伸び切ってロックすると、筋肉ではなく肘関節に重量がかかってしまい危険です。
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スクワット
スクワットは膝を曲げてしゃがみ込み、再び立ち上がる運動。自重のみで行うスクワットは家でもできますが、ビッグ3ではバーベルを担ぐことで負荷を大幅に上げて行います。
主に鍛えられるのは太もも前面の大腿四頭筋と太もも後ろのハムストリングス、お尻の大殿筋。また上体を支えるため体幹の筋肉も鍛えることができます。
やり方
・ラックにセットしたバーベルのバーの真下に立つ
・首の後ろの僧帽筋の上にバーを乗せる
・足を肩幅か、それより広いくらいに開く
・背筋を伸ばして胸を張った状態で体をやや前傾させながらしゃがみ込む
・地面と太ももが平行になるまで下ろしたら立ち上がる
・膝が完全に伸び切る前にまたしゃがむのを繰り返す
・限界になったら、バーベルをラックに戻す
スクワットのポイント
スクワットのポイントは呼吸です。
沈み込む前に大きく息を吸ってお腹がパンパンになるようにします。
こうすることで腹圧を高め、腹部を安定させることが重要。腹圧を高めずに行うと、腰に負担がかかって怪我をしやすくなります。
腹圧を高めた状態で沈み込み、立ち上がるときに息を吐くようにしてください。
また膝がつま先より前に出ると膝に負荷が集中して怪我をしやすくなるため、お尻を後ろに引きながら股関節をしっかり曲げて沈み込むのもポイントです。
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・【スクワット】トレーニング法と注意点!効果を引き出すフォーム
デッドリフト
デッドリフトは床に置いたバーベルを持ち上げる運動。
バーベルを握った腕は伸ばしたままで太ももの辺りまで引き上げるだけですが、その代わりに全ての筋トレ種目の中で最大の重量を挙げることができる種目です。
主に鍛えられるのは背中の広背筋や僧帽筋、お尻の大殿筋や太もも後ろのハムストリングス、体幹の脊柱起立筋など、体の後ろ側全体です。
また高重量を扱う際に腹筋など全身の筋肉が補助的に使われるので、全体的なパワーアップが見込めます。
やり方
・足を腰幅程度に開いて立つ。
・足の中心の真上くらいにバーが来るよう調整
・背筋を伸ばしたまま股関節と膝を曲げてしゃがみ、バーを握る
・前傾した上体を起こしながら股関節と膝を伸ばし、バーベルを持ち上げる
・直立したら元の位置まで下ろしていき、また持ち上げるのを限界まで繰り返す
デッドリフトのポイント
デッドリフトのポイントは背中を丸めないことです。
背中が丸まると腰に負荷が集中し、簡単にギックリ腰のような状態になります。
ここでもお腹に空気を入れて腹圧を高め、背中の筋肉で体をまっすぐに保つことで腰をしっかり守ってください。
そしてバーベルの軌道も重要。足よりも大きく前に出ると背中が曲がりやすく、やはり腰などに負担がかかってしまいます。
膝下の脚すれすれを上がってくるよう意識して、バーベルを垂直に持ち上げてください。
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まとめ
ビッグ3は全身を効果的に鍛えることができるトレーニング。
とはいえ完璧ではなく、背中の幅を広くする広背筋やたくましい肩を作る三角筋への刺激は不足します。
ビッグ3で全身の筋力を高めつつ、懸垂やショルダープレスなど、ターゲットを絞った筋トレも行うのがおすすめです。
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