9月16日から開催された「FIVB パリ五輪予選 ワールドカップバレー2023」で、残念ながらパリオリンピック出場権を獲得できなかったバレーボール日本女子代表。
しかしこれで終わりではありません。
パリオリンピック出場の行方は、世界ランキングにかかってくるのです。
これはいったいどういうことでしょうか。
今回は、バレーボール女子の最新世界ランキングを調査。
近年変更されて少し複雑になったその仕組みと、パリ五輪出場の条件についても解説します。
世界ランキングの仕組み
正式名称をFIVBランキング(FIVB World Ranking)というバレーボールの世界ランキング。
まずはその仕組みからご紹介しましょう。
FIVBランキングの仕組み
FIVBランキングは、国際バレーボール連盟(FIVB)が発表するランキング。
国際大会での試合結果をポイント化して合計し、各国代表チームの強さをランキング化します。
以前のFIVBランキングのポイント
以前のFIVBランキングは、オリンピックや世界選手権など、それぞれの大会別に決められた順位ポイントを加算して決めていました。
しかしこの方法では、オリンピックやワールドカップなどに開催国枠で参加するだけでもポイントを獲得できるという不公平が発生します。
またレベルが高い地域の場合、予選や大陸選手権ではポイントが稼ぎにくいことも難点。
中でも問題とされたのが、対戦相手による相対的な強さが反映されていないことでした。
現在のFIVBランキングのポイント
そこでFIVB は2020年にポイントの仕組みを大きく変更。
大会中の1試合ごとの相手によって、勝敗やセット数で稼げるポイントが変動するというルールになったのです。
その方法は、まず各試合前に2つのチームの世界ランキングのスコアを比較します。対戦時点で世界ランキング上位のチームは強いチームとして識別。対戦相手よりも優れたパフォーマンスを期待されることになります。
次に両チームの世界ランキングのスコアと過去の試合データから、試合結果(3-0/3-1/3-2/2-3/1-3/0-3のいずれか)の確率を計算。それぞれのポイントを算出します。
そして実際の試合結果と上記の確率計算を照らし合わせてポイントを算出。
期待される結果と実際の試合結果が近いほどポイントの上り幅・下がり幅は小さくなり、逆に予想を覆すような結果になるほど、ポイントの上り幅・下がり幅が大きくなります。
つまり上位国に大勝すれば多くのポイントをもらえ、下位国に大敗すればポイントを大きく減らしてしまうということ。
このようにしてルールは複雑化しましたが、相対的な強さが反映できるシステムとなりました。
このポイントの増減で世界ランキングのスコアは変動。世界ランキングの順位が変わっていくことになるのです。
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女子バレー世界ランキング|パリ五輪出場の条件
女子日本代表がワールドカップバレーでパリ五輪出場権を獲得できなかったため、今後は世界ランキングが非常に重要になってきます。
それはどういうことでしょうか。
決定しているパリ五輪出場切符
パリ五輪の出場国のうち1つは、開催国と決まっています。
つまりフランスは無条件で出場できるということ。
残りのうち6カ国はオリンピック予選で決定しました。
そして残りの5枠が、世界ランキングで決まるのです。
FIVB世界ランキング
12枠のうち最後の5枠を決めるFIVB世界ランキング。
具体的には「FIVBバレーボールネーションズリーグ2024」予選ラウンド終了時点のFIVB世界ランキングで、全ての出場枠が埋まることになります。
女子の場合それは2024年6月17日。
この時点で上記の7カ国を除く上位5カ国が出場権を獲得します。
ただし単純に上位となるわけではなく、以下の優先順位で決定。
①開催国と予選で出場権を獲得した国がない大陸の国
②開催国と予選で出場権を獲得していない国
パリ五輪の場合、フランスは出場権を獲得していますからヨーロッパは若干不利となります。
【最新】女子バレー世界ランキング
では最新の女子バレー世界ランキングと、これまでに出場権を獲得した国はどのようになっているのでしょうか。
女子バレー世界ランキング
こちらが最新のFIVBランキング(女子シニア)です。
順位 | チーム | ポイント |
1 | トルコ ◎ | 397.46 |
2 | アメリカ合衆国 ◎ | 358.62 |
3 | ブラジル ◎ | 352.55 |
4 | セルビア ◎ | 350.86 |
5 | イタリア | 338.97 |
6 | 中華人民共和国 | 329.65 |
7 | ポーランド ◎ | 327.89 |
8 | ドミニカ共和国 ◎ | 308.86 |
9 | 日本 | 305.09 |
10 | オランダ | 287.94 |
11 | カナダ | 265.66 |
12 | ドイツ | 228.36 |
13 | タイ | 222.00 |
14 | ベルギー | 199.57 |
15 | フランス ○ | 184.99 |
16 | プエルトリコ | 177.67 |
17 | アルゼンチン | 177.17 |
18 | チェコ | 171.96 |
19 | ウクライナ | 171.30 |
20 | ブルガリア | 165.39 |
◎は9月の五輪予選でパリ五輪出場を決めた国。
開催国である○のフランスと合わせて7カ国が出場権を獲得しています。
今後の展望
仮に順位がこのまま変動しなかった場合、9位の日本は出場権を獲得した国以外では3位。
一方、また1枠も取れていない大陸はアフリカとアジア・オセアニアとなっています。
アフリカは現時点では21位のケニアが最上位。アジア・オセアニアのトップは中国、日本、タイが争っていくことになります。
ただし日本は大陸別の選抜で漏れても残る上位3カ国に入れば出場権を獲得できることに。
順位に全く変動がなかった場合は大陸別で中国、ケニアが入り、残り枠にイタリア、日本、オランダが入ることになりますが、実際には順位はかなり上下する可能性があります。
まとめ
今回のワールドカップバレーで順位を1つ落としてしまった女子日本代表。
今後はバレーボールネーションズリーグ予選で好結果を出し続け、ポイントを積み重ねることが必須となります。
手の届くところにある五輪の切符。獲得できるよう、しっかり応援しましょう。
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