世界3カ国で同時開催され、それぞれの2位までに入ればオリンピック出場が決まる「FIVB パリ五輪予選/ワールドカップバレー2023」。
しかしこの大会で2位以内に入れなくても、まだパリ五輪出場の可能性はあります。
それは世界ランキングで上位に入ること。
いったいどういうことなのでしょうか。
今回は、男子バレーボールの世界ランキングについて調査。
その集計の仕組みと、気になる現在の順位、五輪出場の可能性についてもご紹介します。
バレーボール世界ランキングの仕組み
バレーボールの世界ランキングは、正確にはFIVBランキング(FIVB World Ranking)といいます。
まずはその仕組みからご紹介しましょう。
FIVBランキングの仕組み
FIVBランキングは、国際バレーボール連盟(FIVB)が発表するランキングです。
国際大会の試合結果をポイント化して合計。そのポイントで各国代表チームの強さをランキング化しています。
また各国の代表(シニア)以外に、U-23やジュニア、ユース代表のランキングも発表。各世代の強さも分かるようになっています。
以前のFIVBランキングのポイント
以前のFIVBランキングは、以下のような大会別に加算されて決まっていました。
・WC=バレーボールワールドカップ
・WL=FIVBバレーボール・ワールドリーグ、
・VNL=バレーボールネーションズリーグ
順位 | 世界選手権 | 五輪 | WC | WL(VNL) | 大陸選手権 |
1位 | 100 | 100 | 100 | 50 | 30 |
2位 | 90 | 90 | 90 | 45 | 26 |
3位 | 80 | 80 | 80 | 40 | 22 |
4位 | 70 | 70 | 70 | 35 | 18 |
5位 | 62 | 45 | 50 | 30 | 14 |
6位 | 56 | 40 | 25 | 10 | |
7位 | 50 | 30 | 15 | 5 | |
8位 | 45 | 25 | 12 |
しかし開催国枠で参加するだけでもポイントを獲得できることや、ヨーロッパなどレベルが高い地域ではポイントが稼ぎにくいなど、不公平であることが問題になりました。
特に相対的な強さが反映されていないことが問題でした。
現在のFIVBランキングのポイント
そこで2020年にポイントの仕組みが大きく変わりました。
具体的には大会中の1試合ごとの勝敗やセット数によってポイントが変動することに。
それによって相対的な強さが反映できるシステムになりました。
どういうことかというと、各試合の前に2つのチームの世界ランキングのスコアを比較します。
対戦時点で世界ランキング上位のチームは強いチームとして識別。対戦相手よりも優れたパフォーマンスを期待されます。
次に両チームの世界ランキングのスコアと過去の試合データに基づいて、試合結果(3-0/3-1/3-2/2-3/1-3/0-3のいずれか)の確率を計算し、それぞれのポイントを算出。
実際の試合結果と上記の計算を照らし合わせ、期待される結果と実際の試合結果が近いほど、ポイントの上り幅・下がり幅は小さくなり、逆に遠い結果(予想を覆す結果)になるほどポイントの上り幅・下がり幅が大きくなります。
少しややこしい感じもしますが、つまり番狂せで大勝すれば多くのポイントをもらえ、下位相手に大敗すればポイントを大きく減らしてしまうということ。
このポイントの増減で世界ランキングのスコアが変動し、世界ランキングの順位が変わっていきます。
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男子バレー世界ランキング 五輪出場の条件
大きな国際大会の結果を受けて変動する世界ランキング。
中でも現在大きな関心事となっているのが、パリ五輪出場の条件です。
12カ国が出場できるパリ五輪。男子バレーボールの出場条件をご紹介します。
開催国
出場国のうち1つは、開催国と決まっています。
つまりフランスは無条件で出場できるということ。
このため枠は残り11となります。
オリンピック予選
残りのうち6カ国はオリンピック予選で決定します。
開催国のフランスを除く世界ランキング上位24カ国が8カ国ずつ3組に分かれて1回総当たり戦を行い、各組の上位2カ国が出場権を獲得。
このランキングは男子の場合2022年9月12日時点のもので、大会は2023年9月30日~10月8日に実施されます。
日本ではワールドカップバレーとも呼ばれている大会が、オリンピック予選の一部となっているのです。
FIVB世界ランキング
12枠のうち、最後の5枠を決めるのが、今回のテーマであるFIVB世界ランキングです。
これは「FIVBバレーボールネーションズリーグ(VNL)2024」の予選ラウンド終了時点のFIVB世界ランキング。
男子の場合、2024年6月24日となります。
この時点で上記の7カ国を除く上位5カ国が出場権を獲得。
ただし単純に上位となるわけではなく、以下の優先順位で決定します。
①開催国と予選で出場権を獲得した国がない大陸の国
②開催国と予選で出場権を獲得していない国
パリ五輪の場合、フランスは出場権を獲得していますから、ヨーロッパは不利ということに。
ワールドカップバレーを含むオリンピック予選でアジアから出場権を獲得する国がなければ、日本は有利になるかもしれません。
【最新】男子バレー世界ランキング
予選であるワールドカップバレーで2位以内に入れば、男子日本代表は文句なしの五輪出場を決めますが、そうでない場合に問題となるのが世界ランキング。
では気になる現時点(2023年9月)でのランキングを見てみましょう。
男子バレー世界ランキング
こちらが最新のFIVBランキング(男子シニア)です。
順位 | 国・地域名 | ポイント |
1 | ポーランド | 418.42 |
2 | アメリカ合衆国 | 378.90 |
3 | イタリア | 366.02 |
4 | ブラジル | 337.28 |
5 | 日本 | 334.34 |
6 | アルゼンチン | 318.81 |
7 | フランス | 306.80 |
8 | スロベニア | 302.65 |
9 | セルビア | 268.94 |
10 | オランダ | 246.68 |
11 | イラン | 243.55 |
12 | キューバ | 209.65 |
13 | カナダ | 197.87 |
14 | トルコ | 195.46 |
15 | ウクライナ | 193.73 |
16 | ドイツ | 189.76 |
17 | カタール | 181.45 |
18 | チュニジア | 177.54 |
19 | エジプト | 164.44 |
20 | チェコ | 160.63 |
なんと日本は現在5位!
2020年には10位、2023年2月には7位でしたが、バレーボールネーションズリーグでポイントを加算し、順位を上げています。
まとめ
現在は5位と絶好の位置につけている男子日本代表。
しかし今後の成績次第ではポイントを大きく失うこともあります。
やはり重要なのは「FIVB パリ五輪予選/ワールドカップバレー2023」。
ここで決めるつもりで好成績を残せば、仮に2位以内を逃してもパリ五輪への道が見えてくるはずです。
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