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【パリオリンピック】費用はいくら?歴代のオリンピック費用も紹介

パリオリンピックはセーヌ川を使った開会式など、ユニークな試みが話題になっている大会。その一方で既存の施設を多く利用することで予算を抑えようとしてきました。では結局、費用はどのくらいになったのでしょうか?
今回はパリオリンピックの費用について調査しました。巨額の費用をどのように調達したのか、その内訳も解説。さらに歴代オリンピックの巨額費用との比較もご紹介します。

【パリオリンピック】費用はいくら?

まずはパリオリンピックの費用について、予算の段階からご紹介しましょう。

パリ大会の当初の予算

パリオリンピックの大会予算は、当初総額68億ユーロ(約8900億円)と予定されていました。コロナ禍や国立競技場の設計見直しなどで予算が膨らんだ2020東京大会が約100億ユーロだったので、3割以上安い予算です。
ところが2018年の段階で早くも5億ユーロ(約650億円)の予算超過が指摘される状態に。その後も予算は膨らみ続けました

予算超過は当たり前?

ところでオリンピックの予算といえば、ほとんど毎回のように「当初の予算より大幅に膨らんだ」という話を聞きます。実際どうなのでしょうか。
東京大会の場合、立候補当時の予算は7,340億円。これが最終的には1兆6,440億円になりました。コロナ禍による超過分を除いたとしても、総額は1兆3,500億円。予算の約2倍になっています。
実はオクスフォード大学の研究報告書によると、1960年以降に開催されたオリンピックで、開催費用が予算内に収まった例は一つもなく、平均56%の予算超過が発生しているそう。立候補時点の予算を超過するのは、むしろ当たり前なのです。

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パリ大会の最終的な費用は?

今回のパリ大会の費用で大きな問題になったのが、世界的なインフレ。その影響でインフラ費用の予算は計画に比べて37%も増えてしまいました。さらに賃金の高騰で運営予算も2019年の予測より15%の増加。
こうしたことが重なった結果、パラリンピックを含めたパリ大会の開催経費は、以下の額になりました。

約90億ユーロ(約1兆4,700億円)

これは東京大会を下回る額。パリの名所をはじめ、既存の施設を積極的に利用したことが功を奏しています。
当初の予算と比べても超過は約32%に収まっていますから、見事な結果だと言えるのではないでしょうか。

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費用の内訳

費用の内訳は、新たな会場や施設の建設費用が約45億ユーロで、選手の滞在や交通輸送といった運営費用が約44億ユーロ
例えば選手村の建設費用が約15億ユーロで、競泳会場が1億7,500万ユーロ、バドミントン・体操会場が1億3,800万ユーロなどとなっています。

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資金調達の内訳

ではパリオリンピックとパラリンピックの費用はどのように集められたのでしょうか。実はフランスやパリから出された公的資金(税金)は、全体のわずか4%です。
残りの96%は国際オリンピック委員会(IOC)や、スポンサー企業、チケットやライセンス販売からの資金で確保されます。

パリ2024大会組織委員会:43億8000万ユーロ

IOC負担分:12億ユーロ
(テレビ放映権料7.5億ユーロ・パートナー企業契約金4.7億ユーロ)

チケット・ライセンス販売など:14億ユーロ
(チケット11億ユーロ・ホスピタリティパッケージ1.7億ユーロ・ライセンス1.27億ユーロ)

協賛企業契約金:12億2600万ユーロ

その他の収入:1億9300万ユーロ

公的資金の4%についても、今回のオリンピックによる観光客の増加で税収入が上がるため、経済的な痛手はないそう。費用に関しては見事な大会運営だといえそうです。

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【パリオリンピック】費用を歴代オリンピックと比較

最終的には終了後にならないと分かりませんが、今のところのパリオリンピックの費用は約90億ユーロ(約100億ドル)。では過去の主な大会の費用はどれくらいだったのでしょうか?近年の主な大会の費用の目安をご紹介しましょう。
※為替レートは当時のもの

アテネ大会

2004年のアテネ大会の費用は約89億ユーロ(約1兆7,800億円)
当初の予算は46億ユーロ(約9,200億円)でしたが、約2倍の費用になりました。この結果ギリシャの納税者は70億ユーロもの特別税を支払うことになっています。

北京大会

2008年の北京大会の費用は約400億ドル(約4兆5500億円)。夏季オリンピック史上最高の費用が使われた大会で、その多くが北京の街のインフラ整備に充てられました。費用は当初の予算の約10倍
ただし中国政府はオリンピックがなかった場合でもインフラ整備は行ったためオリンピックの費用はもっと低いと発表しています。
北京はこのオリンピックを機に一気に近代化しました。

ロンドン大会

2012年のロンドン大会の費用は150億ドル(約1兆6500億円)
準備費や運営費、競技会場の整備などの費用が見込みの3倍近くになり、実は約3兆円になったという説も。この大会でも多額の公的資金が投入されました。

ソチ大会

オリンピック史上最大の費用となったのは、2014年冬季オリンピックのソチ大会です。ロシアで開催されたこの大会の費用は500億ドル(約5兆2,300億円)!
費用の大部分はインフラ整備、特に高速鉄道の整備に投入され、インフラ整備費用は当初見積もりの4倍になりました。
また温暖なソチを冬期五輪の開催地にしたため、雪の備蓄に膨大な費用がかかったとも言われています。
さらにすごいのが、横領が横行したという説。汚職疑惑を追及する報告書によると費用の60%にあたる300億ドル(約3兆1,380億円)が横領されていたそうで、「ロシア史上最悪の不正」とも言われています。

まとめ

当初の予算の1.3倍、総額約90億ユーロ(約1兆4,700億円)の費用となったパリオリンピック。しかしこの額は近年の大会の中ではかなり低く抑えられた方で、経済的には大成功の大会となりそうです。今後はオリンピックでどれくらいの経済効果があるのかにも注目が集まります。近年は赤字化を恐れてオリンピック開催地に立候補する都市が減っていますが、パリが成功すればその流れは大きく変わるかもしれませんね。

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スポーツで人生楽しむ自然派ライター

筋トレとアウトドアをこよなく愛するライター。某FM局の作家時代、筋トレマスターに師事し、トレーニングブログを3年間で100本以上執筆しました。

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