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【オリンピック】サッカーのオーバーエイジ枠とは?歴代選手も紹介

パリオリンピックで8大会連続の出場を決め、活躍が期待されるサッカーの日本男子代表。オリンピックのサッカー種目には年齢制限がありますが、一方でオーバーエイジ枠もあります。
今回は、オリンピックのサッカーで重要な意味を持つオーバーエイジ枠を特集。その意味やオーバーエイジ枠が誕生した経緯、女子のオーバーエイジ枠、歴代日本代表のオーバーエイジ枠の選手などをご紹介します。

【オリンピック】サッカーのオーバーエイジ枠とは?

そもそもオーバーエイジ枠とは何で、サッカーにはなぜオーバーエイジ枠があるのでしょうか?まずは基本からご紹介します。

サッカーにはなぜ年齢制限がある?

オリンピックの男子サッカーの出場資格には「本大会開催前の12月31日時点で23歳未満」という年齢制限があります。これはなぜかというと、ワールドカップを主催する国際サッカー連盟(FIFA)がそのように主張したから。
本来のオリンピックはアマチュアのみが参加できる大会。そのためサッカーではプロが参加できるFIFAワールドカップよりずっと低い位置づけでした。しかし1970年代にアマチュア条項が撤廃されると多くの競技にプロ選手が参加。サッカーも1984年ロサンゼルス大会からプロ選手の出場が認められました
しかしワールドカップの威厳と特別感を守りたいFIFAがこれに反発。FIFAは1988年のソウル大会から23歳未満しか参加できなくするよう主張したのです。

オーバーエイジ枠とは

オーバーエイジ枠にはIOCとFIFAの思惑が絡んでいます。
ワールドカップを特別なものにしておくために年齢制限を主張するFIFAに対して、集客増加を狙うIOCは反発。協議の結果、FIFAの主張が通って1992年のバルセロナ大会から23歳未満の規定が導入されました。
しかしバルセロナ大会でのサッカー競技は観客動員が大幅に減る結果に。その理由は若くて無名な選手が多いからだといわれました。そのためスター選手が参加できるように、1996年のアトランタ大会から「24歳以上の選手を3名まで使える」という特別ルールが誕生。この24歳以上の選手の枠をオーバーエイジ枠と呼んでいます。

オーバーエイジ枠選びは難しい

オーバーエイジ枠には、24歳以上の選手を必ず起用しなければならないという規定はありません。1人でも2人でもよく、メンバー全員を23歳未満にすることもできます。
一方で悩ましいのが登録人数。FIFAが主催する国際大会では登録選手の上限は23名であることが多いのに対して、オリンピックでエントリーできる人数は18名です。5名も少ないため贅沢な選択はできず、オーバーエイジの選手をどのように起用するかは監督の難しい判断になります。

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オーバーエイジは女子にはない

サッカーのオーバーエイジ枠というと女子にもあるような気がしてしまいますが、そもそも女子サッカーには23歳未満という規定がありません。そのためオーバーエイジは男子サッカーのみとなります。
その大きな理由は、女子サッカーの知名度がまだ低いから。FIFAとしても女子サッカーの人気アップが当面の目標となるため、オリンピックに年齢制限などの条件をつけなかったのです。

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【オリンピック】サッカーの歴代オーバーエイジ枠

オーバーエイジ枠が誕生した1996年以降、サッカー日本代表には誰がオーバーエイジ枠で参加してきたのでしょうか?

アトランタ大会

1996年のアトランタ五輪で西野朗監督はオーバーエイジ枠を使用せず、23歳未満のメンバーのみで戦いました。
そのメンバーには中田英寿選手や城彰二選手、前薗真聖選手、川口能活選手などがいましたが、全員23歳未満。若い日本代表は初戦のブラジル戦で大金星を上げ「マイアミの奇跡」と呼ばれました。

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シドニー大会

2000年のシドニー大会は、フィリップ・トルシエが監督に就任。オーバーエイジ枠にGKの楢崎正剛選手、DFの森岡隆三選手、MFの三浦淳宏選手を起用しました。また23歳未満では宮本恒靖選手や稲本潤一選手、中田英寿選手、中村俊輔選手などが出場。予選リーグ2位で決勝トーナメント進出を果たしました。

アテネ大会

山本昌邦監督が指揮をとった2004年のアテネ大会は残念ながら予選リーグで敗退。この大会ではGKの曽ヶ端準選手とMFの小野伸二選手がオーバーエイジ枠でメンバー入りし、23歳以下には闘莉王選手や大久保嘉人選手、阿部勇樹選手などが入っていました。

北京大会

2008年の北京大会は反町康治監督が指揮。オーバーエイジ枠は使用しませんでしたが、23歳未満に本田圭佑選手や香川真司選手、岡崎慎司選手、内田篤人選手、長友佑都選手、吉田麻也選手など、後に日本のA代表の主力となるメンバーが揃いました。しかし結果は予選リーグ3戦全敗に終わっています。

ロンドン大会

2012年のロンドン大会は関塚隆監督が指揮。オーバーエイジ枠でDFの徳永悠平選手、DFの吉田麻也選手を招集しました。この大会では23歳未満の大津祐樹や永井謙佑選手などが活躍。吉田麻也選手も活躍し、1968年のメキシコ大会以来となる44年ぶりの準決勝進出を決めました。

リオデジャネイロ大会

手倉森誠監督が指揮した2016年のリオデジャネイロ大会ではオーバーエイジ枠でDFの藤春廣輝選手と塩谷司選手、FWの興梠慎三選手を招集。23歳未満には南野拓実選手や浅野拓磨選手、遠藤航選手などが参加しました。結果は予選リーグ3位で惜しくも敗退となっています。

東京大会

2021年に開催された東京大会で指揮をとったのは森保一監督。オーバーエイジ枠で当時31歳のDF酒井宏樹選手と32歳の吉田麻也選手、28歳のMF遠藤航選手を起用しました。この大会では久保建英選手が3試合連続ゴールを決める活躍。予選リーグを首位で通過すると準々決勝もPK戦で勝利し、準決勝進出を果たしました。

まとめ

IOCとFIFAの駆け引きによって生まれた年齢制限とオーバーエイジ枠。女子サッカーのように年齢に関係のない戦いを見たいという人もいれば、次世代を担う若い世代の戦いも面白いと思う人もいるのではないでしょうか。
起用されることもされないこともあるオーバーエイジ枠、パリオリンピックではどのような戦術で使われるのかも気になりますね。

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