ブルペンは、野球の試合を見ていて、投手の調子が良くないときによく聞く言葉。
「ブルペンが慌ただしくなってきました」、「ブルペンの準備がまだできていないようです」などと言われますが、このブルペン、どういう意味なのでしょうか。
そしてなぜ「ブルペン」というのでしょうか。
今回は、野球のブルペンについて解説。
その意味やブルペンの設備、派生する言葉、ブルペンを見たい場合のお勧め球場もご紹介します。
【野球】ブルペンとは
ブルペンは野球場にある「投球練習場」のこと。
それぞれのチームが使うため、一般的には1つの球場に2カ所設けられています。
名前の由来
ブルペンはアメリカでも使われている言葉。英語で「bullpen」と書きます。
その意味は、「牛を囲う場所」です。
野球場のファールグラウンドや球場外の敷地をフェンスで囲っていた投球練習場を、闘牛前の牛の囲いに見立てたという説が有力。
他にも説があって由来ははっきりしていませんが、とにかく牛がらみなのは間違いないようです。
ブルペンの設備
ブルペンには電話があり、ベンチと結ばれています。
しかし野球規則で試合中には外部と連絡を取ることはできない決まり。そのため電話といいつつも外線接続はできないインターホンとなっています。
またモニターカメラが設置されているブルペンも。これで練習状況を確認します。
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ブルペンで行うこと
ブルペンでは試合前には先発投手がピッチング練習を行います。
そして試合開始後はリリーフ陣が待機。ベンチからの指示に合わせて中継ぎ投手や抑え投手がピッチング練習を行います。
【野球】ブルペンに関係した用語
野球用語には、ブルペン〇〇というものがいくつかあります。
それぞれの意味をご紹介しましょう。
ブルペンキャッチャー
ブルペンには練習球を受けるブルペンキャッチャーという役割の裏方捕手がいます。
プロ野球のブルペンキャッチャーは現役を引退した選手が担当。投球を受け止める役割から壁とも呼ばれる仕事です。
その仕事は過酷。一人で1日200球から300球受ける上、投手に自信を持たせるために大きな音を出して捕る必要があり、毎日手の平が真っ赤に腫れ上がることになります。
しかし一方で「プロ野球選手になるなら、捕手がいい」という野球関係者も。
それは現役引退後もブルペンキャッチャーの道があり、野球を続けられるからです。
分析能力に長けている捕手は、ブルペンキャッチャーとスコアラーを兼任して監督に重宝されることもよくあるそう。ブルペンには「壁」と呼ばれながらも、実はチームの頭脳である人物がいるかもしれないのです。
ブルペンエース
ブルペンキャッチャーと似ているように聞こえる言葉に、「ブルペンエース」があります。意味は全く違って、こちらは役割ではなく皮肉。
ブルペンでだけ調子が良いピッチャーのことを指します。
凄い球を投げるので確実に相手を抑えそうに見えるのですが、いざマウンドに上がると舞い上がってしまい、制球は乱れ、球速も落ち、火だるまになるような投手。
「エースのように投げられるのはブルペンだけ」ということでブルペンエースと呼ばれます。
ブルペンデー
ブルペンデーは、何らかの理由で先発投手を休ませたいときに、本来はブルペンからスタートする中継ぎ投手が先発し、継投で試合を行うことをいいます。
ブルペンデーがうまくいけば先発投手の穴を埋められるため、近年は注目が高まっています。
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【野球】ブルペンがお勧めの球場
お目当ての投手の練習をじっくりみたいなら、ブルペンがよく見える球場がお勧め。
ところが実は新しい球場ほどブルペンを室内に作るようになっていて、なかなか見ることができないのが実情です。
ではどの球場に行けばブルペンの様子を見ることができるのでしょうか。
ここではブルペン目当てで行ってみたい球場をご紹介します。
神宮球場
ヤクルトの本拠地である神宮球場は、セ・リーグの本拠地ではブルペンが観客席から見えるところにある唯一の球場。ファウルゾーンにブルペンが設置されていて、その脇には選手の待機スペースもあります。
ファウルゾーンなのでときどきファウルボールが直撃することも。投手や捕手もファウルボールの行方に注意しながら投球練習を行なっています。
またナイターの試合前練習では夕方の強烈な日差しが直撃するのもここの名物。夏になると試合が始まってからも蒸し暑いことが多く、クーラーや扇風機はあってもかなり辛いと言われています。
この神宮球場には「ブルペンシート」という名の座席が存在。ブルペンの様子を目の前で見ることができます。
ベルーナドーム
パ・リーグでブルペンを間近に見られるのは、西武の本拠地であるベルーナドーム(西武ドーム)。こちらもブルペンがあるのはファウルゾーンです。外野側にあって、フェンスで仕切られています。
このベルーナドームはユニークな座席エリアが多いことでも話題。
バックネット裏の「パーティテラス」や、内野席上段の「ふらっとリビングシート」など楽しい座席がいくつもある中に、「ブルペンかぶりつきシート」という座席もあります。
これはブルペンで準備する投手のピッチングを目の前で、しかもほぼ同じ目線の高さで楽しめるエリア。
試合全体を眺めるのには向いていませんが、リリーフピッチャーの練習をまさにかぶりつきで堪能することができます。
甲子園球場
甲子園球場のブルペンはアルプススタンドの下にあり、見ることはできません。
このブルペンは1塁側が体育館、3塁側が温水プールだった場所を改装したもの。それ以前のブルペンはラッキーゾーンにありましたが、室内に移動したのです。
では甲子園では投球練習は全く見られないのかというと、そうではありません。
それは高校野球で使用するとき。
室内のブルペンは次の試合の高校が使い、試合中の高校のためにはファウルグラウンドに仮設ブルペンが設置されるのです。
そのため高校野球のときだけは、ブルペンの様子を観客席からも見ることができます。
まとめ
相手チームに手の内を読まれてしまうことから室内に設置されることが増えてしまったブルペン。
今や観客席から見られるブルペンは貴重なものになってしまいました。
そのような状況の中登場した日本ハムの新球場・エスコンフィールド北海道は、左翼と右翼のポール際にブルペンを設けて話題になっています。
これは試合だけでなく、リリーフ陣の準備の様子も楽しんでもらいたいという配慮。実はメジャーリーグでは観客に楽しんでもらうためブルペンをグラウンドに設置するのが常識なのです。
エスコンフィールド北海道の人気次第では、もしかしたら今後の球場の改修でブルペン位置の見直しが進むかもしれません
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