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ブルペンデーの意味は?メジャーリーグ生まれの新たな戦略を紹介!

近年、日本のプロ野球でも話題になっている言葉が「ブルペンデー」です。
2023年のクライマックスシリーズでは、パ・リーグのファイナルステージ第3戦でロッテがこの戦略を採用。
まさかクライマックスシリーズでブルペンデーをやるとは」とファンが驚きました。
このブルペンデー、どのような意味で、どういうメリットがあるのでしょうか。
今回は、野球のブルペンデーをご紹介。
メジャーリーグで生まれたというその歴史や、戦略の意味、日本での浸透度やメリット、デメリットを解説します。

投手起用法一覧とブルペンデーの意味

そもそもブルペンとは、野球場内にある投球練習場のこと。
諸説ありますが、見た目が雄牛(ブル)の囲いに似ているためブルペンと呼ばれるなどと言われています。
ではブルペンデーとはどのような意味なのでしょうか。

投手起用の戦略一覧

ブルペンデーは、プロの野球で使う投手起用法のひとつ
投手起用の戦略には、ブルペンデー以外にもいくつかの種類があります。

ローテーション
先発投手が数日おきに先発登板するオーソドックスな戦略
オープナー
力のある抑え投手や中継ぎ投手を先発にし、1〜2回の上位打線を抑えた後に先発投手がロングリリーフする戦略
ショートスターター
力のある抑え投手や中継ぎ投手を先発にし、打者が一巡する3回まで抑えた後、先発投手がロングリリーフする戦略

一般的にはプロの野球はローテーション投手と呼ばれる先発の主力投手が定期的に先発し、できるだけ長い回を投げてから中継ぎ、抑え投手に継投します。
オープナーは2018年にMLBのタンパベイ・レイズが本格採用し、MLBに広まった戦略。
ショートスターターはオープナーをアレンジして2019年に日本ハムが編み出した戦略です。
先発投手は長いイニングを投げるため、初回は力をセーブするもの。しかし初回は強打者が続き、失点の可能性が最も高くなります。
その対策がオープナーショートスターター。どちらも短いイニングに強い抑え投手などを初回に登板させることで、抑えようとするのです。

ブルペンデーの意味

ブルペンデーは、先発投手を使わず、1試合を通じて中継ぎと抑えの投手を小刻みに継投していく戦略
中継ぎや抑えとしてブルペンにいるリリーフ投手だけで試合を戦うため、ブルペンデーと呼ばれます。

【関連記事はこちら】⇩
【野球】ブルペンとは?意味やお勧めの球場についてもご紹介!
【野球】リリーフとは?意味や条件について詳しく解説!

ブルペンデーの誕生

投手起用法としては奇策といえるブルペンデー。
その戦略はどのようにして誕生したのでしょうか。

レイズの投手事情で採用

ブルペンデーを始めたのも2018年のタンパベイ・レイズです。
実はブルペンデーはオープナーをアレンジしたもの。
オープナーでは抑え投手や中継ぎ投手が先発した後に本来の先発投手がロングリリーフしますが、この「本来の先発投手」の部分をリリーフ陣が繋いでいくという違いなのです。
この戦略が生まれた背景にあったのは、レイズの深刻な投手事情
オフに主力選手が抜け、先発投手不足に陥ったため、苦肉の策としてリリーフ陣で繋ぐという戦術を採用したのです。

結果

ブルペンデーとオープナーを多用した結果、2018年に100イニング以上投げたレイズの投手は2人だけに。他チームの平均約4.5人と比べると半分以下となりました。
逆に1シーズンのリリーフ陣の投球回数はメジャー歴代最多に。
そして結果的にチームの防御率はリーグ2位となり、レイズは苦戦が予想されていたにもかかわらず90勝72敗と大きく勝ち越しました。
この成功を見たいくつかの他球団も、そのシーズンのうちにオープナーとブルペンデーを採用
MLBでは投手起用法の革命的出来事となっています。

日本プロ野球でのブルペンデー

日本で戦略的にブルペンデーを採用して話題になったのは、2019年の千葉ロッテ
7月10日、北海道日本ハム戦でリリーフ投手6人のリレーを行いました。
この試合、ロッテはボルシンガー投手が先発の予定でしたが、登板3日前に右足を捻挫。チームはブルペンデーの実施を決断し、リリーフ投手陣に登板のタイミングを指示したのです。
この試合でロッテのリリーフ陣は見事に完封リレー。5対0で勝利しています。

もうひとつのブルペンデー

日本プロ野球では1試合に勝つためではない、もうひとつの目的でブルペンデーを採用することがあります。
それは先発投手の負担の軽減
試合に勝つための大胆な作戦としてではなく、主力投手の登板間隔を開けるためにブルペンデーとするのです。
しかしどちらのブルペンデーも、日本で本格的には浸透していません

ブルペンデーの戦略上の意味

ではブルペンデーにはどのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか。

メリット

ブルペンデーのメリットは、オープナーと同じく初回の失点を抑えられることです。初回に強力な抑え投手を出し短い回を全力で投げることで、最も失点確率が高い初回を乗り切ることができます。
またタイプの違う投手を繋ぐことで、球筋に慣れる隙を与えないというメリットも。うまく継投できれば最後まで狙い球を絞らせない効果があります。
そして先発投手を温存できるのも大きなメリット。シーズンの長期戦の中に定期的にブルペンデーを挟めれば、主力先発投手の疲労や怪我を防ぐことができます。

デメリット

ブルペンデーは実は投手陣にはあまり好評ではありません。
それは、ブルペンデーで活躍した投手の評価が定まっていないから。
ブルペンデーを本格採用したチームでは誰も長いイニングを投げさせてもらえないことになり、各投手の年俸は下がってしまいます。
投手は能力に見合った給料を貰えなくなる。強力な投手陣が不在で、ケチで搾取的なチームには有効かもしれないが」という批判が大きいのです。
実際にMLBには資金難で強力な投手陣を揃えられないチームが全体の1/3に及ぶのが現状。ブルペンデーが日本より浸透している裏には、このような事情もあるのです。
一方で頻繁にブルペンデーを行うためには優秀な中継ぎ陣が大量に必要であることもデメリット。
継投のうち一人でも打ち崩されたら負けてしまう戦略のため、1年を通じて何度もブルペンデーを行うためには優秀なリリーフ投手が15人は必要だと言われています。

【関連記事はこちら】⇩
【プロ野球】平均年俸はいくら?最高~最低も併せてご紹介!

まとめ

先発投手が不足しているチームにとっては有効な戦略であるリリーフデー。
一方、日本で浸透するためには短いイニングを抑える投手を評価する新しい基準が必要だと言われています。
うまく使えば弱小球団がシーズンを制する可能性も出てくるリリーフデーですが、はたして今後、日本のプロ野球に浸透することはあるのでしょうか。

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おおぱ!

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寝ても覚めてもスポーツ漬け

スポーツ一家に育ち、休日はテニスとランニング。空き時間はほぼスポーツ観戦。夢の中ではなぜかやたらといろいろなスポーツのプロ選手になっている夢中派執筆家です。皆さまにスポーツ愛を届けます!

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