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【プロ野球】登録抹消するとどうなる?期限や理由についても解説!

プロ野球の開催期間中に発表される登録抹消。
日本野球機構(NPB)のサイトに毎日「出場選手登録抹消」として公示されます。
この登録抹消とはいったいどのような意味でしょうか?
抹消という言葉の強さから「まさか解雇?」と思ってしまいがちですが、そのサイトには登録抹消選手の一覧と一緒に「※◯月◯日以後でなければ出場選手の再登録はできません」とも書かれます。
ということは解雇ではなさそう。
再登録までの期限があるのも謎です。
今回は、プロ野球の登録抹消について調査。
抹消される理由や抹消されるとどうなるのか、そして登録抹消を使った意外な戦略についても解説します。

【プロ野球】登録抹消とは

【プロ野球】登録抹消するとどうなる?期限や理由についても解説!①

そもそも登録抹消とは、何の登録を抹消されるのでしょうか。
それは1軍登録です。
野球は9人でプレーするスポーツですが、選手交代もあり、ベンチにはもっと多くの選手が入ります。
その人数には制限があり、1試合でベンチ入りできるのは25人まで。
この25人も含めて1軍に登録できるのは29人までなのです。
つまり1軍の29人枠から外されることが登録抹消
抹消されたからといって、チームを解雇というわけではありません。

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2軍落ちとの違い

1軍の人数は29人までですが、それとは別に各球団は支配下登録できる枠を持っています。
支配下登録とは、チームが選手と独占的に契約を結んでいること。
各リーグに届け出ることで他のチームとは契約できない状態になります。
この枠は70人まで。
他に人数無制限で育成選手を抱えることはできますが、1軍に登録することができるのは支配下登録選手に限られます。
そして1軍で登録抹消された選手は2軍に在籍することになります。
つまり登録抹消と2軍落ちは、ほぼ同じ意味なのです。

再登録までの期限

登録抹消された選手は、すぐに登録し直すことはできません。
抹消された日から10日間は1軍に再登録できないと決まっているのです。
ただし脳震盪登録抹消特例措置というルールもあります。
これは試合中に選手同士の衝突などで脳震盪を起こしたときの特例。診断や療養、安全のために登録を抹消したとしても短時間で回復することが多いため、脳震盪から回復して安全確認できた場合、10日間経たなくても再登録が認められます
ちなみに29人の枠については引退試合選手登録特例措置というルールも。
引退試合を行う選手は29人の登録枠とは別に1軍登録できるとされています。
つまり誰かの引退試合のために他の選手が登録抹消されて10日も復帰できないということはないのです。
ただしこの特例はベンチ入りできる25人には適用されず、代わりに1人がベンチから外れることにはなります。

【プロ野球】登録抹消になる理由

【プロ野球】登録抹消するとどうなる?期限や理由についても解説!②

では1軍選手が登録抹消となるのはどのようなときでしょうか。
実は登録抹消の理由は公表されません
とはいえ監督などがインタビューで話してしまうことがほとんどです。

怪我や体調不良

プレー時の「違和感」やデッドボールでの骨折など、怪我や体調不良の場合は試合には出られませんから、回復に時間がかかりそうなら登録抹消して治療に専念するのが一般的。
この場合は2軍落ちとはあまり呼ばれません。

実力不足

成績不振や怠慢プレーなどで登録抹消されることも。
まさに「ファームで調整してこい!」と言われる事態で、こちらは2軍落ちと同じ意味になります。

選手のやりくり

本人に問題がなくてもチームの事情で登録抹消されることもあります。
例えば消化試合に若手を試してみたいとき、他の選手を登録抹消してその枠を開けることがあります。
また一時的に投手層を厚くする必要がある場合に、野手を1人登録抹消して投手に枠を回すことも。
さらに外国人選手の場合は4人という外国人枠もあるため、他の外国人選手との交代で登録抹消されやすくなります。

【プロ野球】登録抹消を利用した戦略

【プロ野球】登録抹消するとどうなる?期限や理由についても解説!③

登録抹消後10日間再登録できないというのは、なかなか厳しいルール。
監督はこの決まりを遵守しながら選手のやりくりをしなければなりません。
しかしルールをうまく利用した戦略も存在します。

投手7人中6日ローテーション

日本のプロ野球は中6日登板が一般的。
普通は月曜日に試合が休みとなりますから、中6日の投手は基本的に1週間に1回、曜日を固定した登板となります。
この場合、先発として1軍登録される投手は6人です。
ところが先発7人で中6日ローテーションをすれば一軍登録は4人または5人となり、枠の節約ができるのです。
7人なのに枠が4〜5人とは奇妙な気がしますが、ここに登録抹消を利用した戦略があります。
まず表ローテーションとして投手3人が普通に中6日で投げます。
そして裏ローテーションとして4人で3人分の枠を投げるのです。
すると裏ローテーションの投手は中6日で2回投げた後、11日間休めるというローテーションになります。
この間に回復を図るとともに、登録抹消して枠を開けるのです。
開いた枠には中継ぎ投手を1人か2人加えることができますから、先発投手はさらに負担が減ることになります。

優勝チームの一斉登録抹消

再登録まで10日間あることで、シーズン最終戦の後に見られる風物詩があります。
それはペナントレース優勝チームの一斉登録抹消
1軍選手全員が登録を抹消されてしまうのです。
「優勝したのに全員2軍落ち?」と思ってしまいがちですが、実はこれは合理的な戦略。
その理由は、ペナントレースの最終戦からクライマックスシリーズまでは10日以上あることが普通だからです。
この一斉登録抹消を行わずにいて、例えば試合前日に主力の選手がたまたま体調不良になった場合、その選手を登録抹消することが難しくなります。
それは登録抹消から復帰できるのは10日後で、クライマックスシリーズは終わってしまっているから。つまりその選手を1試合休養させるために貴重な登録枠を1つ無駄にしてしまうのです。
全員を登録抹消しておけば、その選手は体調が戻ってすぐに登録が可能に。
クライマックスシリーズ中、ベストなメンバーで試合に臨めるのです。
1勝のアドバンテージにプラスしてこの戦略が使えるため、ペナントレース1位通過チームはクライマックスシリーズで有利になるのです。

まとめ

チームにとっては使い所がシーズンの重要なポイントになる登録抹消。
2軍落ちと同じ意味を持つときもあれば、投手7人による中6日ローテーションでは完封勝利の翌日に登録抹消ということも。
登録抹消の理由は公表されませんが、なぜ抹消したのかを推測していくとチーム事情が見えて観戦がさらに面白くなるかもしれません。

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でかむ

スポーツで人生楽しむ自然派ライター

筋トレとアウトドアをこよなく愛するライター。某FM局の作家時代、筋トレマスターに師事し、トレーニングブログを3年間で100本以上執筆しました。

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