グランドスラムはいろいろなスポーツで使われている言葉。
野球の世界にもグランドスラムという言葉があります。
しかし他のスポーツと似たような意味かというと、まったく違うのが野球のグランドスラム。
いったいどういう意味があるのでしょうか?
この記事では、野球におけるグランドスラムをご紹介。
グランドスラムの意味と、日米歴代プレーヤーの記録について解説します。
【野球】グランドスラムとは?
グランドスラムはいろいろなスポーツで使われている言葉です。
でもそもそもどういう意味で、何が由来なのでしょうか。
グランドスラムの由来
グランドスラムという言葉の語源はトランプゲームの「コントラクトブリッジ」。
イギリスで19世紀ごろに誕生したもので、13回カードを出して勝ち負けを争うゲームです。
この1回の勝ち負けをトリックと呼び、13回のゲームの全てに勝利することを「グランドスラム」といいます。
そこから全てに勝利するという意味でグランドスラムという言葉が使われるようになりました。
他のスポーツのグランドスラム
グランドスラムという言葉が有名なのは、テニスとゴルフ。
テニスの場合は、世界4大大会であるウィンブルドン、全米オープン、全仏オープン、全豪オープンのすべてのシングルスで優勝することをグランドスラムと呼びます。
また、ゴルフの場合は、全米オープン、全英オープン、全米プロゴルフ選手権、マスターズの4大会すべてに優勝すること。
他にも柔道やフィギュアスケート、競輪など多くのスポーツでグランドスラムという言葉が使われます。
こうしたスポーツのグランドスラムは、主要な大会にすべて勝つという意味。
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野球のグランドスラムの意味
多くのスポーツのグランドスラムとは意味が違うのが野球のグランドスラム。
重要な大会を制覇するという意味ではありません。
野球のグランドスラムは、満塁ホームランという意味。
他のスポーツとはニュアンスが異なるように感じますが、テニスやゴルフの「4大大会にすべて勝つ」というところと「4点入る」の4のイメージつながりでグランドスラムと呼ばれるようになったと言われています。
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【野球】日米のグランドスラム歴代記録
野球の華・グランドスラムですが、野球の最高峰である日本(NPB)と米国(MLB)それぞれにおける歴代の記録や、印象に残るプレーヤーについてみていきましょう。
(*)記録はいずれも2023年シーズン終了時点
日本(NPB)での記録と歴代プレーヤー
まずはNPBでの歴代グランドスラム記録とプレーヤーから解説します。
通算グランドスラムの歴代上位5人は次のとおりです。
順位 | 選手名 | 所属チーム | 本数 |
1 | 中村剛也 | 西武 | 22 |
2 | 王貞治 | 巨人 | 15 |
3 | 藤井康雄 | オリックス | 14 |
3 | 中村紀洋 | 近鉄、オリックスなど | 14 |
5 | 駒田徳広 | 巨人、横浜 | 13 |
5 | 江藤智 | 広島、巨人など | 13 |
5 | 小久保裕紀 | ソフトバンク、巨人など | 13 |
グランドスラムの最多本数を誇るのは、今なお現役で活躍している西武ライオンズの中村剛也選手で、通算22本を放っています。
中村選手は通算ホームランを471本打っており、ホームラン数の総数でも歴代12位にランクされますが、2位の「世界の王」こと、巨人の王貞治選手が通算868本塁打に対してグランドスラムが15本であるのと比較すれば、その比率の高さが際立っています。
同様に、元オリックスの藤井康雄選手も通算282本に対してグランドスラムが14本と、大チャンスでの強さがうかがえる結果となっています。
また、現役時代に「満塁男」の異名を誇った元巨人・横浜の駒田選手は、グランドスラムの歴代5位に名前を連ねているのはさすがです。
駒田選手と同じ13本のグランドスラムを放っているのが、元広島などの江藤智選手と元ソフトバンクなどの小久保裕紀です。いずれも、最盛期をやや過ぎてから巨人にトレードされた共通点を持っていますが、長距離砲として活躍しました。
元近鉄などの中村紀洋選手も、通算404本塁打を放ち、近鉄のスラッガーとして光彩を放った強打者です。
長距離砲の代表格として活躍した、元広島の山本浩二選手、元南海などの門田博光選手、元西武の清原和博選手は、そろって通算11本のグランドスラムを放っています。
アメリカ(MLB)での記録と歴代プレーヤー
次に、野球の本場・アメリカ大リーグ(MLB)のグランドスラム記録と歴代プレーヤーについてみていきます。
上位5人の記録は次のとおりです。
順位 | 選手名 | 所属チーム | 本数 |
1 | アレックス・ロドリゲス | マリナーズ、レンジャーズなど | 25 |
2 | ルー・ゲーリッグ | ヤンキース | 23 |
3 | マニー・ラミレス | インディアンス、レッドソックスなど | 21 |
4 | エディ・マレー | オリオールズ、ドジャースなど | 19 |
5 | ウィリー・マッコビー | ジャイアンツ、パドレスなど | 18 |
5 | ロビン・ベンチュラ | ホワイトソックス・メッツなど | 18 |
あの伝説のスーパースターで、ここ数年はエンゼルスの大谷翔平選手と何かにつけて比較され、通算714号の通算本塁打を記録した「球聖」ベーブ・ルースがベスト5に顔を出していないのは意外です。
通算トップは、マリナーズやヤンキースなどでも活躍した”A・ロッド”こと、アレックス・ロドリゲス選手の25本で、それまでの記録保持者であった元ヤンキースの伝説の「打撃王」ルー・ゲーリッグの23本を抜いています。ただ、薬物疑惑なども囁(ささや)かれ、長期間の出場停止があったのは残念です。
通算記録以外で面白いところでは、ドジャースで活躍したドン・マッティングリー選手は、1987年に1シーズンで6本の記録を残しています。また、セントルイス・カージナルスのフェルナンド・タティス選手は、1999年4月23日に1イニングに2本の満塁本塁打を放った唯一の選手として記録されています。
まとめ
他のスポーツでは「重要大会に全てに勝利する」ことを意味する「グランドスラム」。
野球の場合は「勝負を決定する」満塁ホームランに与えられる称号となっています。
日米ともに歴代の素晴らしい記録とプレーヤーの数々を挙げてきましたが、今後、この記録を抜く大選手の登場はあるのでしょうか。
野球のグランドスラム記録にますます期待したいものです。
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