プロ野球では毎年シーズン終了後に様々なタイトルが選手たちに授与されます。
これらのタイトルは個々の選手がそのシーズンにどの程度優れたパフォーマンスを発揮したかを示すもの。
選手個人の名誉であり、プロ野球選手としてのキャリアを評価する上で重要な要素となります。
では具体的にどのようなタイトルがあるのでしょうか？
この記事では、日本のプロ野球で主要なタイトルを投手部門と打撃部門、その他の3つに分けてご紹介します。
投手部門のタイトル６つ
最優秀防御率投手賞
シーズンで最も低い防御率を記録した投手に与えられます。
簡単に言うと「投手が1試合(9イニング)投げると何点取られるか」を表した数値です。
何点取られたかなので、数値が0に近いほど優秀ということになります。
勝率第一位投手賞
シーズン13勝以上を挙げた投手のうち、最も勝率が高い投手に与えられます。
2013年に誕生したタイトルで、それ以前は「最優秀投手」という名称。
最優秀防御率や最高勝率の投手を表彰していましたが、セリーグとパリーグで規定が異なっていたため、規定を統一したタイトルとして勝率第一位投手賞が誕生しました。
最多勝利投手賞
シーズンで最も多く勝利投手となった選手に与えられます。
防御率や勝率とは違い、勝利投手は積み重なっていくため、どの選手がトップなのかが分かりやすいタイトルです。
最多セーブ投手賞
シーズンで最も多くのセーブを記録したリリーフ投手に与えられます。
セーブとは、自チームがリードしているときに救援投手として登板し、試合終了までリードを守り切ることで記録されます。
日本プロ野球では1974年から制定されており、当時は抑え投手が2イニング以上、場合によっては同点の時などで3〜5イニングを投げることも珍しくなく、勝利投手となることも多々ありました。
そのため、セーブ数のみで評価することが実績に見合わないということからセーブ数と救援勝利数を合わせた「セーブポイント（SP）」で評価されるようになり、セ・リーグでは1976年から、パ・リーグでは1977年から「最優秀救援投手」に名称を改め、表彰が始まりました。
しかし、中継ぎ投手の起用が確立されてきて、抑え投手がセーブが付く場面での最終回1イニングに限定されるように変化していったことから、2005年より再びセーブ数のみで評価されるようになります。
そのため、名称も「最多セーブ投手」へ変更されました。
優秀な抑え投手のタイトルといえます。
最優秀中継ぎ投手賞
シーズン中に最も優れた成績を挙げた中継ぎ投手に与えられます。
具体的には、シーズンでホールドポイント(HP)数が最も多い選手に与えられます。
HPとは中継ぎ投手を評価するための指標である「ホールド」と、先発以外でついた勝利を表す「救援勝利」の数を合計したものです。
最多三振奪取投手賞
シーズン中に最も多くの打者を三振に取った投手に授与されます。
一般的には最多奪三振や奪三振王と呼ばれています。
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打撃部門のタイトル６つ
首位打者賞
シーズン中、規定打席に達した打者のうち、最も高い打率を記録した選手に授与されます。
このタイトルの獲得には、大きなケガや不調なく年間安定して試合に出続ける必要があります。
最多安打者賞
シーズン中に最も多くの安打を記録した選手に授与されます。
イチロー氏が1994年に史上初の年間200安打を記録したのを機に誕生したタイトルです。
最多本塁打者賞
シーズン中に最も多くの本塁打（ホームラン）を打った選手に授与されます。
一般的に、ホームラン王と呼ばれます。
最多打点者賞
シーズン中に最も多くの打点（得点を挙げる打撃）を記録した選手に授与されます。
首位打者・最多本塁打・最多打点を同時受賞した選手は三冠王と呼ばれます。
最高出塁率者賞
シーズン中に最も高い出塁率を記録した選手に授与されます。
打撃技術だけでなく、ボール球を見極める選球眼も求められます。
また、最高出塁率は首位打者と同様に規定打席に達する必要もあります。
最多盗塁者賞
シーズン中に最も多くの盗塁を成功させた選手に授与されます。
一般的には盗塁王と呼ばれています。
その他のタイトル５つ
最優秀選手賞
シーズンを通じて最も優れたパフォーマンスを発揮した選手に授与されます。
記者投票によって選ばれるタイトルで、MVPという呼び名のほうが馴染みがあるかもしれません。
最優秀新人賞
その年の新人選手の中で最も優れたパフォーマンスを発揮した選手に授与されます。
一般的には新人王と呼ばれており、記者投票によって選ばれるタイトルです。
ふさわしいと思う選手がいなければ「該当者なし」で投票することもできるため、年度によっては受賞者がいない場合があります。
ベストナイン賞
各ポジション毎にシーズンを通じて最も優れたパフォーマンスを発揮した選手に授与されます。
記者投票によって、投手・捕手・一塁手・二塁手・三塁手・遊撃手・外野手・指名打者(パリーグのみ)のポジション別に1名ずつ選ばれます(外野手はポジションに関係なく3人)。
ゴールデン・グラブ賞
各ポジションで最も優れた守備を見せた選手に授与されます。
この賞は守備力だけでなく、選手の守備に対する意識と献身性を称えるものです。
記者投票によって各ポジションで原則1人ずつ選ばれます(外野手は3人)。
沢村栄治賞
セ・リーグの最優秀投手に与えられる賞で、沢村栄治投手の名前を冠したこの賞はプロ野球で最も名誉ある投手賞とされています。
選考方法は成績や記者投票ではなく、プロ野球の元先発投手OBによる「沢村賞選考委員会」の審議によって選ばれます。
まとめ
それぞれのタイトルにはその獲得のための特定の基準や要件があります。
タイトルは選手たちの卓越したパフォーマンスを認め、表彰するとともに、そのシーズンの成績や記録を残す重要な役割を果たしています。
それぞれのタイトルが何を表しているのか、どのように選ばれるのかを理解することは、プロ野球の試合をより深く理解し、楽しむ上で非常に重要です。
またこれらのタイトルは選手たちのキャリアのハイライトとなります。多くの選手がプロ入りした時点でこれらのタイトルを獲得することを目指し、自身のパフォーマンスを向上させようと日々努力しています。特に最優秀選手賞や投手三冠王など、一部の特別なタイトルは、その選手がそのシーズンにおいて極めて優れたパフォーマンスを発揮したことを証明するものであり、その選手のキャリアを一層輝かせます。
選手のタイトル獲得はファンにとっても大きな喜びです。自分が応援する推しの選手がその才能と努力を評価され、表彰されるのを見ることは、ファンにとって非常に感動的な瞬間。また新人選手が新人賞を獲得するなど、将来有望な選手の活躍を目の当たりにすることは、ファンに新たな期待感を与え、チームへの応援をより熱くします。
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