野球についてそんなによく知らないという人でも「WBC」は聞いたことがあるという人も多いのではないでしょうか。
WBCは世界各国の代表チームが集い、その1位を決める大会です。
サッカーでいうところのワールドカップに相当する大会です。
ただ、名前は知っていても内容をよく知らない、見たことがないという方も多いと思います。
今回はそんな人に向けて、WBCについて解説していきます。
WBCについて
「WBC」とは「ワールド・ベースボール・クラシック」の略称で、メジャーリーグベースボール機構とメジャーリーグベースボール選手会により立ち上げられた「ワールド・ベースボール・クラシック・インク」が主催する、世界野球ソフトボール連盟公認の野球世界一決定戦です。
歴史・開催経緯
1990年代後半ごろからメジャーリーグはアメリカ合衆国以外の国籍を持つ選手の活躍が著しくなり、メジャーリーグの国際化が進んでいきました。
そして、2000年代初頭からアメリカ合衆国内以外メジャーリーグの開幕戦を行うなどして、グローバル化戦略を図りました。
そして、野球マーケットの拡大に伴い、MLB機構のバド・セリグコミッショナーは「野球の世界一決定戦」の開催を提唱しました。
その大会が今の「WBC」という名称となっています。
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出場資格
どの国に所属するかはオリンピック憲章のように明確に決まっておらず、複数国で代表資格を持つ選手が多い傾向にあります。
選手は下記のいずれかに該当する場合、各代表チームへの出場権を持ちます。
①当該国の国籍を持っている
②当該国の永住資格を持っている
③当該国で出生している
④親のどちらかが当該国の国籍を持っている
⑤親のどちらかが当該国で出生している
⑥当該国の国籍またはパスポートの取得資格がある
⑦過去のWBCで当該国の最終ロースターに登録されたことがある
国によって市民権の獲得に違いがあり、例えば、ドミニカ共和国出身選手はアメリカの市民権を得るためにドミニカ国籍を放棄する必要があり、オリンピックでドミニカ代表としてプレーできない選手もいます。
薬物規定
WBCでドーピング検査を実施するのは、世界アンチ・ドーピング機構。
メジャーリーグの規定よりも禁止薬物の範囲が広い国際ルールで適用されるはずでしたが、実際は世界アンチドーピング機構が正式な意見書を提出するほど、禁止薬物の規定が少ないのが現状です。
WBCの成績について
過去開催したWBCの成績を紹介します。
国別通算成績
まずは国別通算成績トップ10を紹介します。
1位:日本
2位:ドミニカ共和国
3位:アメリカ合衆国
4位:プエルトリコ
5位:韓国
6位:キューバ
7位:オランダ
8位:ベネズエラ
9位:メキシコ
10位:イタリア
国別で見てみると、日本が単独首位の成績を収めています。
野球の本場であるアメリカ合衆国は3位という意外な結果となります。
これは、メジャーリーグで活躍する選手がアメリカ合衆国出身ではなく他の国々からも構成されていることが要因です。
通算個人記録
次に通算個人記録保持者について紹介します。
今回はその中でも日本人選手が持っている記録を紹介します・
・通算盗塁記録
通算盗塁記録を持っている選手は4名がタイ記録となり「西岡剛」「ジミー・ロリンズ」「アラン・ショーエンバーガー」「イチロー」の4選手です。
通算5盗塁を記録しています。
・勝利投手
最多勝利投手記録を持っているのは平成の怪物と言われた「松坂大輔」です。
通算6勝を挙げており、単独首位となっています。
WBC過去大会について
今回の主題であるWBCの過去大会について、歴代優勝国と各大会の名シーンを解説していきます。
第1回大会
・開催年度:2006年
・優勝国:日本
・準優勝国:キューバ
・本線ラウンド開催国:アメリカ合衆国、日本、プエルトリコ
・決勝戦の開催地:ペトコ・パーク(カリフォルニア州)
WBCで必ず話題となるものが、「日韓戦」ではないでしょうか。
第一回大会では、韓国と3度対戦し、第1・第2ラウンドと連敗をしているものの、なんとか決勝ラウンドに駒を進めた日本が準決勝で韓国と対戦し、リベンジを果たしています。
先発投手である上原が完璧な投球で韓国打線を抑え、0-0で迎えた7回に福留が代打で登場し、均衡を破るホームランを打ったシーンは今でも語り継がれる名シーンです。
第2回大会
・開催年度:2009年
・優勝国:日本
・準優勝国:韓国
・本線ラウンド開催国:アメリカ合衆国、日本、プエルトリコ、メキシコ、カナダ
・決勝戦の開催地:ドジャー・スタジアム(カリフォルニア州)
第2回大会でも日韓戦が繰り広げられ、5度に渡って戦いました。
最も野球ファンの記憶に残っているシーンが、イチローが勝ち越しセンター前ヒットで試合を決めた決勝戦ではないでしょうか。
日本の主軸選手として期待されていたイチローがこの大会、打率.211と不振に陥っていました。
決勝戦3-3で迎えた10回表でランナーが得点圏にいる中、イチローに打席が回ってきました。
その打席でセンター前ヒットを打ち、それが決勝点となって日本はWBC連覇を果たします。
天才と呼ばれたイチローが苦しんでいる中、ここぞというときには結果を出す姿に大きな感動が生まれました。
第3回大会
・開催年度:2013年
・優勝国:ドミニカ共和国
・準優勝国:プエルトリコ
・本線ラウンド開催国:アメリカ合衆国、日本、プエルトリコ、台湾
・決勝戦の開催地:AT&Tパーク(カリフォルニア州)
第3回大会では第2ラウンドのチャイニーズタイペイ戦で、1点ビハインドの日本が9回2死のところから井端弘和が同点打を放ち、延長10回に勝ち越した一戦は今も語り継がれます。
第4回大会
・開催年度:2017年
・優勝国:アメリカ合衆国
・準優勝国:プエルトリコ
・本線ラウンド開催国:アメリカ合衆国、日本、韓国、メキシコ
・決勝戦の開催地:ドジャー・スタジアム(カリフォルニア州)
第4回大会ではキューバ戦でチーム一丸となって戦っていることがわかるシーンがあります。
それは、ピッチャー交代時にその選手の特徴を当時のスコアラーが念入りに説明し、そのアドバイスをヒントにヒット、続く山田哲人もスコアラーのアドバイスをヒントにホームランを打つというシーンがありました。
第5回大会
・開催年度:2023年
・優勝国:日本
・準優勝国:アメリカ合衆国
・本線ラウンド開催国:アメリカ合衆国、日本、台湾
・決勝戦の開催地:ローンデポ・パーク(フロリダ州)
第5回大会では各国メジャーリーガの参加が実現した大会で、非常にハイレベルな戦いが繰り広げられました。
日本は大谷翔平選手を中心に素晴らしい戦いを見せ、見事全勝で優勝という最高の形で大会を終えることが出来ました。
準決勝メキシコ戦での最終回大逆転劇では日本中を熱狂の渦に包み、決勝戦では8回にダルビッシュ有選手が投げ、9回には大谷選手へリレーし、最後のバッターは大谷選手の盟友でもあるトラウト選手を三振に抑えるという、漫画のような展開で優勝を飾ることができました。
まとめ
今回はWBCについて解説しました。
次回大会は2026年に予定されており、どの国が優勝のトロフィーをゲットするのか注目です。
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