バスケットボールは人気スポーツで、小学生の時はミニバス、中学生から大学生は部活動で取り組む人が多いです。
バスケットボールは大人になっても楽しむことが出来るため、人気が衰えることがありません。
しかし、バスケットボールは激しいコンタクトをすることが多いため、怪我と隣り合わせのスポーツでもあります。
特に中学生や高校生になって部活動でバスケットボールをするようになると、身体も大きくなってくるためコンタクトが激しくなります。
何も知識がないと思わぬ怪我により、バスケットボールが出来なくなる時期が発生してしまうだけでなく、パフォーマンス低下にも繋がります。
バスケットボールは対人スポーツのため、防ぐことが出来ない怪我ももちろんありますが、予備知識を持って備えておくことで、防ぐことが出来る場合もあります。
ここでは、アスレティックトレーナーの資格を持った筆者が、バスケで起こりやすい怪我について紹介していきます。
バスケットボールで起こりやすい怪我
バスケットボールは対人スポーツで、コンタクトが多いスポーツです。年齢が上がってくると、コンタクトが激しくなり、それだけ怪我も増えてきます。
怪我をしてしまうと、パフォーマンスが低下するだけでなく、リハビリテーションの期間はバスケットボールが出来なくなります。
部活動など、活動の時期が限られてくる場合は、それだけで試合に出られないといったケースが発生してしまいます。
バスケットボールに起こりやすい怪我を把握しておくことが大切です。
バスケットボールで起こりやすい怪我:前十字靭帯損傷
前十字靭帯損傷は、バスケットボールにおける最も大きな怪我と言ってもいいほどです。
こちらは膝を支えている靭帯の内の1つで、太ももの大腿骨とスネの脛骨を繋ぐ靭帯で、後十字靭帯と対となる靭帯です。
スネの骨が前に出ないように支えている靭帯のため、ストップ動作や切り返し動作の時に必要となる靭帯です。
こちらの靭帯が断裂してしまうと、激しい痛みはもちろん、膝に力が入らなくなり、歩くことが出来ません。バスケットボールでは女子選手に多く発生すると言われています。
その原因として、前十字靭帯は膝が内側に入った時に回旋の負荷がかかると切れやすいとされていて、女子選手は骨格上、内股になっていることが多く、その分、コンタクトした時や着地をした時に発生しやすいと言われています。
ほとんどの場合で、前十字靭帯損傷は手術治療になります。手術治療となれば、復帰するためのリハビリテーションに1年以上かかる場合もあります。
例えば、部活動は3年間といっても、実際に部活動としてプレーするのは、約2年数ヶ月で、リハビリテーションに1年以上かかってしまうと、それだけで練習に参加できない日々が続きます。
他の怪我でも同様ですが、特に前十字靭帯の損傷は、身体面だけでなく精神面のケアも重要になります。
バスケットボールで起こりやすい怪我:足関節内反捻挫
足関節内反捻挫とは、一般的な捻挫のことで、反対側に捻挫することを外反捻挫と言います。
内反捻挫の特徴としては、外くるぶし(外果)の周囲の靭帯が損傷し、痛みが発生します。重症度がI~Ⅲ度まであり、Ⅲになると手術をすることが多いです。
バスケットボールはジャンプをする回数が多く、コンタクトしながらジャンプすることも多々あります。足関節内反捻挫は他の選手の足を踏んで、捻るといった場合が一番多い原因です。
この場合は避けることが出来ないことが多いですが、それ以外にも対人ではなく単独で怪我をする場合もあるので、そういった場合は予防することは可能です。
起こりやすい怪我の予防法
バスケットボールで起こりやすい怪我をご紹介しましたが、もちろん代表的な怪我というだけで、他の怪我をする場合もあります。
しかし、今回ご紹介した「前十字靭帯損傷」「足関節内反捻挫」を予防するだけで、怪我をする確率がグッと下がります。
次はそれらの怪我に対する予防法をご紹介します。
バスケットボールで起こりやすい怪我の予防法:ランジトレーニング
ランジトレーニングとは、肩幅に足を広げ、軽く重心を落として維持するパワーポジションから1歩足を前に出す「フロントランジ」、1歩足を横に出す「サイドランジ」、1歩足を後ろに出す「バックランジ」というものがあります。
前十字靭帯損傷は膝が内側に入り、大きな回旋負荷がかかると起こりやすいと先述しましたが、このランジトレーニングでは、膝が内側に入らないように意識してトレーニングします。
これを身体に慣らせることで、普段のプレーの時に、膝が内側に入らないような身体作りが可能になります。
バスケットボールの動きでは、ピポットと呼ばれる1歩を踏み出す動作が多いため、この身体の動きを覚えることは大切です。
バスケットボールで起こりやすい怪我の予防法:足関節外反トレーニング
足関節の外反の動きとは、小指を外側に動かす運動で、足の裏を外側に見せるような運動のことを指します。
これらは、内反捻挫と反する運動になり、この動きをできるようにしておくことで、内反捻挫を予防することが出来ます。
バスケットボールではストップ動作・切り返し動作が重要で、足関節の外反動作がストップからの切り返しに必要になる動きです。
捻挫を繰り返す人は、靭帯がすでに緩んでいる場合もありますが、この時に使われる腓骨筋と呼ばれる筋肉が上手く使えていない場合もあります。
チューブなどを使用して、トレーニングすることがおすすめです。
まとめ
バスケットボールはとても楽しいスポーツですが、激しいコンタクトが多いため、怪我に繋がる可能性もあります。
怪我をしてしまっては、楽しいスポーツも思いっきり楽しむことが出来ません。
試合に勝つことは大切ですが、何よりも大切なことは、安全にバスケットボールを楽しむことです。
怪我に注意して、バスケットボールを楽しんでください。
【関連記事はこちら】⇩
・バスケットボール選手の年収は!?プロ選手と実業団の違いも!
・バスケットボールのポジションにおける役割について徹底解説!!