アスリートは、日々自分のパフォーマンスを向上させるために、トレーニングに勤しんでいます。
練習を効率的に行い、パフォーマンスを最大限発揮するために、疲労回復は避けては通れない部分です。出来るだけ疲労を溜めずに、練習や試合に取り組みたいですよね。
今回は日々の練習や試合でたまった疲労をいち早くとるために、オススメなケアグッズを理学療法士の資格を持った筆者が紹介していきます。
疲労とパフォーマンスについて
疲労がたまると、パフォーマンスを最大限発揮するのが難しくなることは、何となく想像できますよね。実際に研究データでも、そのようなことが示されています。
大学生アスリートを対象に、積極的休養後のパフォーマンス低下について調べた文献では、積極的休養は覚醒水準と快適度を高めて、自覚疲労を促進的に改善するとの報告もあります。そのため練習後の疲労回復はパフォーマンスを向上させていくには必須と言えます。
疲労がたまりやすい筋肉
あらゆるスポーツの多くで、疲労がたまりやすく、よく使われる筋肉があります。これから紹介する筋肉は疲労がたまりやすく、ケアする際はそのような筋肉を中心に行うのがオススメです。
大殿筋
こちらの筋肉はお尻の筋肉です。大殿筋は”アクセル筋”と言われ、前に進む推進力を担ってくれる筋肉です。スポーツの中でより素早く前に進むことは、競技力向上のために重要ですよね。
また、大殿筋は大きな筋肉のため、他の筋肉よりも大きなパワーを発揮することができます。これらの理由により、スポーツでは多様に使われる筋肉で、疲労がたまりやすいのです。
ハムストリングス
こちらの筋肉は、太ももの後ろ側に位置する筋肉です。こちらも大殿筋と同じで”アクセル筋”と呼ばれており、より大きく前に進むための推進力を生み出す筋肉です。特に走るという動作を行う時には、ハムストリングスはより大きな力を発揮してくれています。
走る動作はスポーツをする上では重要ですよね。そのため、他の筋肉よりも使用頻度も高く疲労がたまりやすい筋肉です。
大腿四頭筋
こちらの筋肉は、太ももの前側に位置する筋肉です。この筋肉はハムストリングスや大殿筋とは違い、”ブレーキ筋”と呼ばれています。名前の通り、止まったり、減速する際によく使われる筋肉です。
スポーツの中では前に進むことも大事ですが、急激に減速したり、方向転換したりと、止まる動きもとても重要です。よく多用される筋肉な為、疲労は溜まりやすくなります。
広背筋
広背筋は背中部分に位置しており、体の中で最も大きい筋肉です。この筋肉は腕の骨、背骨、骨盤にくっつく筋肉です。体の広範囲にくっつく筋肉なので、他の筋肉よりも使用頻度が高いことがわかりますよね。
ここまで疲労がたまりやすい筋肉について、まとめてきました。
「大殿筋」「ハムストリングス」「大腿四頭筋」「広背筋」これら4つの筋肉を、集中的にケアする必要があるのです。
オススメ疲労回復グッズ
先程までの項目では疲労回復に大事なこと、どんな筋肉を中心にケアしていけばよいのかということが、わかっていただけたかと思います。ここからは、実際にどんなケアグッズを使用したらよいのかを紹介していきます。
筋膜ローラー
ケアグッズとしてはとても人気で、知っている方は多くいるかと思います。筋膜(きんまく)というワードも今かなり流行っていますよね。筋膜とは体全身を包むボディースーツのような薄い膜の事を言います。
この膜を柔らかくする、くっついた膜をはがすために作られたのが筋膜ローラーです。筋膜ローラーは筋膜のケアだけでなく、筋肉のケアにも非常に効果的です。表面の筋肉だけでなく、奥の方の固くなった筋肉もケアできるのです。
マッサージガン
こちらも多くのアスリートが使っていますよね。実は筋肉を緩ませるにはマッサージではなく、振動刺激の方が良いということは、あまり知られていないかと思います。
振動数が低く、振幅が大きい刺激で一番筋肉が緩むとされています。振動数の目安としては4000回/分で、出来るだけ振幅が大きいマッサージガンを選ぶようにしましょう。一つの筋肉に対して1分程度あてるだけでも、十分筋肉は緩みます。価格は1万円~2万円前後です。
コンプレフロス
こちらも、知っている方はとても多いのではないでしょうか。ドイツの理学療法士によってつくられたこのバンドを巻いて動いたり、ほぐしたりするだけで疲労回復効果が出る優れものです。
このバンドは筋肉や皮膚を”圧迫”して体を動かすことで、ファシアという組織と組織の間に存在する潤滑剤を破壊し、滑りを良くします。それによって筋肉が緩んだり、疲労物質が溜まりにくくなるのです。価格は4000円前後です。
まとめ
アスリートにとっての疲労回復には、どのようなケアが重要なのか、どこの部位の筋肉を緩めるべきなのか、そしてオススメケアグッズをご紹介していきました。大事なのはご自身が続けやすいケアを選んであげることです。
今回紹介した3つのケアグッズは私が強くおススメするものですので、是非この記事がアスリートの疲労回復の参考になれば、幸いです。
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