日本が世界に通用するスポーツの1つである「フィギュアスケート」。
しかし、小学校や中学校など学校で体育として学ぶことは少なく、今まで体験したことがないという人も多いのではないでしょうか。フィギュアスケートの起源はオランダだと言われています。
オランダは冬になると運河がほとんど氷結するので、スケート遊びが盛んになりました。初めて木製のスケートを開発したのもオランダ人でした。その後イギリスに渡り、様々な滑走術が考案されていきました。
音楽とスケートが融合されるようになったのは、ニューヨーク出身のバレエ教師ジャクソン・ヘインズがヨーロッパに渡り、ウィンナワルツに出会ったことがきっかけだと言われています。
ベートーヴェンやシューベルトの曲と合わせて、スケーティングすることで好評を博し、人気に火が付きました。
オリンピックでは1976年、世界選手権では1952年に正式種目として加えられました。日本のフィギュアスケートは男女とも上位争いに加わっており、オリンピック・世界選手権では金メダルを獲得するなど、とても活躍しています。
世界に比べて文化が根付いていない日本には不利な競技とされてきましたが、日本人はフィギュアスケートにおいて「恵まれた体格」と「努力を続けられる精神力」を持っていたということもあって、日本も世界に通用するようになりました。
今回はフィギュアスケートで綺麗な演技をするために必要な身体の機能と、そのために必要な練習方法をアスレティックトレーナーと鍼灸師の資格を持った筆者が、ご紹介していきます。
綺麗に演技するために必要な能力とは?
フィギュアスケートが上手い人は次にご紹介する機能が高いです。その機能を知ることで、綺麗な演技をするためのきっかけになります。
柔軟性
柔軟性という言葉を知らない人はいないのではないでしょうか。柔軟性とは筋肉と腱が伸びる能力のことで、動きのしなやかさや傷害の予防に繋がる機能のことです。
柔軟性は身体の関節可動域を表す柔軟性(静的柔軟性)と、その関節可動域内でしなやかに動かすために必要な柔軟性(動的柔軟性)があります。この2つの側面を意識して伸ばすことは競技力アップに必要な要素です。
フィギュアスケートは音楽に合わせてリズムを取りながらステップやジャンプを繰り返すスポーツです。身体の柔軟性がないと、動きに硬さが出てしまい、スコアを伸ばすことが出来ません。しなやかで軽やかなステップをするためには、柔軟性が必要です。
氷上のダンススポーツであるフィギュアスケートには「柔軟性」を向上させる必要があります。
巧緻性
「巧緻性(こうちせい)」という言葉を初めて聞くという人も多いのではないでしょうか。巧緻性とは、運動の目的に合わせて巧みに調整された能率的な動作のことで、道具・身体を適切に動かす能力のことです。
フィギュアスケートはブレードと呼ばれる薄い刃の上で氷上を滑っています。アイススケートを経験したことがある人はイメージできると思いますが、ブレードのエッジの角度がわずかでもズレ、すぐに転んでしまいます。
氷の上でパフォーマンスを発揮するには重心の位置や角度、接地面への力加減などをコントロールする必要があります。目的に応じて身体を巧みに操作することで、良いパフォーマンスをすることが出来ます。
そのため、フィギュアスケートに「巧緻性」は必要です。
体幹力
体幹力は身体の幹となる体幹部の筋力のことで、身体の軸を安定させ、安定したパフォーマンスをするために必要な能力です。
一般的に知られている腹筋・背筋はもちろん、それ以外にも股関節周囲の筋肉や臀部の筋肉、胸筋も体幹部の筋肉に含まれます。このような部位の筋力を向上させる事で、身体が安定し、その分四肢を動かしやすくなります。
フィギュアスケートは回転しながらジャンプすることで、スコアを増やしていきます。この時に身体の軸がぶれてしまうと、氷からの反発を受けることが出来なくなるほか、上手く回転することが出来なくなります。
回転不足や着地のブレなどはスコアに影響してしまいます。そのため、体幹力により身体の軸をしっかり保つことがフィギュアスケートには必要になります。
どうすれば綺麗な演技をすることが出来る?
綺麗な演技をするために必要な機能を向上させる方法をご紹介します。
綺麗な演技をするための柔軟性アップ法
柔軟性を効果的に向上させるエクササイズは柔軟体操(ストレッチ)を継続することです。
ストレッチには動的ストレッチと静的ストレッチがあり、目的に応じて選択することで、効果的に柔軟性をアップすることが出来ます。競技前には動的ストレッチで体温を上げつつ、競技特性に応じてストレッチすることが効果的です。
巧緻性の練習
巧緻性は子どもの頃に最も発達すると言われています。
フィギュアスケートではブレードと氷上の接地面などを感知するために、足の裏の感覚が大切になります。バランスディスクを用いて、足裏の感覚と身体操作能力をトレーニングする方法があります。
体幹力の練習
体幹力は腹筋・背筋、股関節周囲の筋肉や胸筋などの筋力トレーニングをする必要があります。背筋部はデッドリフト、腹筋部はドローインなどのトレーニングをすることで、体幹力を上げることが出来ます。
まとめ
「フィギュアスケート」で綺麗な演技をするためには今回ご紹介した機能の向上は必須です。フィギュアスケートには瞬発力やジャンプ力、バランス能力など他にも必要な機能があります。
より綺麗な演技をするために必要な要素になるので、是非意識してみて下さい。
【関連記事はこちら】⇩
・フィギュアスケートの技の種類は?それぞれの技の特徴を紹介!
・フィギュアスケートの歴史・競技人口・ルール・大会【スポーツ辞典】