サッカーの強豪国と言われて、あなたはどの国を思い浮かべますか?
これは見方によって大きく変わるもの。
FIFAランキング上位の国がそのまま強豪国なのかといえば、そうとも言い切れない面もあります。
今回は、サッカーの強豪国TOP5をご紹介。
日本との違いについても解説します。
【サッカー】強豪国の定義
「強豪国」という言葉は、定義自体がかなり曖昧。何をもって強いというのか、その考え方によって選ばれる国は大きく変わってきます。
FIFAランキング算出方法
現在最も勝っている国という意味ではFIFAランキングは信憑性のあるデータです。
FIFAランキングの算出方法はかなりシンプル。
過去4年間の国際Aマッチを対象に、各試合のポイント(P)を、結果(M)と重要度(I)、対戦国の強さ(T)、大陸連盟間の強さ(C)に基づいて算出します。
その式は・・・
M×I×T×C=P
結果(M)は、ワールドカップでも親善試合でも関係なく、全試合で勝利が3、引き分けが1、負けが0(PKの場合、勝ちは2、負けが1)。
重要度(I)は、親善試合や東アジアカップなど小地域選手権が1.0。ワールドカップ予選やアジアカップなど大陸選手権の予選は2.5。大陸選手権の本大会とコンフェデレーションズカップは3.0。そしてワールドカップの本大会は4.0。
対戦国の強さ(T)は対戦時の直近ランキングで、1位は200、2位から149位までは200から相手の順位を引いた値、150位以下は一律50とします。
大陸間の強さ(C)は、南米サッカー連盟が1.0、欧州サッカー連盟が0.99、その他の大陸連盟が0.85。対戦2カ国が属する連盟の平均値で計算します。
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FIFAランキングの順位
2023年4月6日に発表されたFIFAランキングの順位は以下のとおりです。
順位 | 国 | ポイント |
1位 | アルゼンチン | 1840.93 |
2位 | フランス | 1838.45 |
3位 | ブラジル | 1834.21 |
4位 | ベルギー | 1792.53 |
5位 | イングランド | 1792.43 |
6位 | オランダ | 1731.23 |
7位 | クロアチア | 1730.02 |
8位 | イタリア | 1713.66 |
9位 | ポルトガル | 1707.22 |
10位 | スペイン | 1682.85 |
これらの国はこの4年間に国際Aマッチでポイントを稼いできたわけですから、強いのは間違いありません。
しかしベルギーを強豪国TOP5に入れることに違和感を持つ方も多いのではないでしょうか。
FIFAランキングではベルギーは2018年から2021年まで1位をキープしていました。
一方で近年のワールドカップの成績は以下の通りとなっています。
1998年:1次リーグ敗退
2002年:ベスト16
2014年:ベスト8
2018年:3位
2022年:1次リーグ敗退
決して弱くはありませんが、毎回優勝候補に上がる強豪国とまでは言えません。
強豪国といわれる国
では実際に強豪国と言われる国はどこでしょうか。
それはワールドカップでは毎回優勝候補に名前が上がり、その国に勝てばジャイアントキリングと言われるような国。
具体的に強豪国TOP5として最も名前が上がるのは、以下の国です。
ブラジル
イタリア
ドイツ
アルゼンチン
フランス
これらの国はいずれもワールドカップで複数回優勝しています。
もう1カ国加えるなら、近年の成績を考慮してスペインを入れるのが一般的。
これに続いて優勝候補に名前が上がるのは、以下の4カ国となります。
ウルグアイ
イングランド
オランダ
ポルトガル
サッカーの母国であり、世界で最も人気のあるプレミアリーグがありながら、イングランドは強豪国のTOP5には入っていません。
それはイングランド式のサッカーが国際大会ではあまり通用しないから。
雨が多くぬかるんだフィールドでの試合が多いイングランドは、選手がフィジカルにものを言わせて直線的に敵を突破していくスタイルが主流。少しくらいの激突ではファールにはなりません。
しかしその戦い方はルール的にも戦術的にも国際戦では通用しないため、イングランドは一般的に強豪国とは呼ばれないのです。
【サッカー】強豪国TOP5の特徴
ではTOP5の国にはどのような特徴があるのでしょうか。
ブラジル
ワールドカップで最多の5回優勝しているブラジルはストリートサッカーの国。ブラジルの宗教はサッカーであるとも言われるほど誰もが常にサッカーについて語り合い、街のあちこちでサッカーをプレーしています。
しかもその際には大人も子どもも一緒にプレーをするため、子どもたちは幼い頃から大人の技を真似して技術を盗むのがごく普通。カポエイラやサンバで培われたリズム感もあるため、テクニックに長けた選手が数多く誕生します。
さらに国内の平均年収が低く、治安も悪いため、優れた選手は海外のリーグでプレーすることになり、テクニックと経験を兼ね備えた代表選手が揃うのです。
イタリア
イタリアのサッカーを端的に表す言葉が「カテナチオ」。
「かんぬき」という意味で、固い守りを意味しています。
そしてもう一つが「ファンタジスタ」。
その固い守りを華麗なテクニックで翻弄して突破し、得点を上げる選手です。
イタリアは2006年に4度目のワールドカップ優勝を果たすまで、このカテナチオとファンタジスタのサッカーで文句なしの強豪として君臨していました。
ただし近年はワールドカップに2大会連続で予選敗退するなど低迷中。
この理由は、世界のサッカー全体がカテナチオ化してイタリアの優位性が失われたことと、ファンタジスタの不在だと言われています。
しかし戦術に長けたサッカーを展開するイタリアは、メンバー次第でいつでも強豪国のトップに返り咲く可能性を秘めています。
ドイツ
ワールドカップで優勝4回、ベスト4以上13回という安定した強さを誇ってきたドイツの強みは冷徹な戦術プランと、それを実現させるための効率的で精度の高いプレーです。
しかし2014年に優勝した後は一気に不調に。2018年、2022年には屈辱のグループリーグ敗退を喫しています。
これは2014年の大会を最後に引退したミロスラフ・クローゼ選手を超えるフォワードが現れないため。実はドイツは2014年当時からフォワードの層の薄さが指摘されていたのです。
しかし世界最高峰の育成環境を持つと言われるドイツではすでに後継者の育成プロジェクトを進行中。世界的な点取り屋が登場すればドイツはいつでも常勝国になると言われています。
アルゼンチン
ワールドカップでは3回優勝、2022年大会でも優勝を果たしたアルゼンチンは、華麗なパスサッカーが特徴と言われる国。
一方でマラドーナ選手やメッシ選手などの名ドリブラーが登場したときにこそ強さを発揮する国でもあります。
そしてそのベースとなっているのは、イタリアのカテナチオに近い堅実なディフェンス。固い守りでボールを奪い、速いパスとドリブルでカウンターアタックを仕掛けるバランスの良さ、組織力と個人技の融合がアルゼンチンサッカーの強みなのです。
フランス
比較的近年になって強豪国の仲間入りをしたのがフランス。1998年の自国開催の大会で初優勝すると、その後の6大会で3度も決勝に進出。合計2度の優勝を果たしています。
戦術的には荒削りで個人に任せたプレーが多いのがフランスの特徴。それでも勝ち続けている秘密は、途切れることなく世界トップレベルの選手を輩出しているためです。
フランスでは、細かな戦術を無視してしまえるほどの個人技を持った名選手が次々に誕生。その理由はフランスが古くから移民を受け入れてきたためだと言われています。
さまざまなルーツを持つ子どもたちが夢を求めて地域の競合チームに入り、才能を開花させているのです。
日本との違い
サッカーの強豪国はヨーロッパと南米に集中しています。
これらの国と日本との違いは、サッカーが文化として根付いているかどうか。
やはり強豪国では、サッカーボールに触れる機会が圧倒的に多く、人口全体に対する競技人口にも大きな開きがあります。
また選手の育成以前に、指導者の育成環境が違うという指摘も。
強豪国では指導者を育成するシステムが整っているため、幼いうちから優れた指導を受けられるというのです。
まとめ
異なる個性を持っている世界のサッカー強豪国。しかしサッカー文化が根付いているという特徴は同じです。
一時的に弱体化することはあっても、再び強さを取り戻してくるのが強豪国の特徴。
国際試合で勝利することも増えた日本にもサッカー文化がさらに根付いていけば、いつかは強豪国の仲間入りができるかもしれません。
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