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スポーツ用器具管理アドバイザーとは?安全を裏側から支える仕事!

「スポーツ用器具管理アドバイザー」という仕事について知っている方はあまりいないのではないでしょうか。

スポーツ用器具管理アドバイザーは、基本的にはスポーツを裏側から支える仕事で、学校や施設の管理者と関わっているため、目にする機会は少ないかもしれません。

「スポーツ用器具管理アドバイザー」とはいったいどのような職業なのでしょうか。

ここでは、あなたの安全にも関わっているかもしれない、その仕事内容についてご紹介します。

スポーツ用器具管理アドバイザー誕生の背景

スポーツ用器具管理アドバイザーという制度が誕生したのは、近年、学校や地域のスポーツ用器具の事故が多発したためです。

・バレーボールネットのアルミ製支柱が折れ、重大事故に。
・中折れ式卓球台を収納しようとして転倒、下敷きになった。
・サッカーゴールが強風で煽られ転倒。重大事故に。
・バレーボールのネット張り上げの時、ロープが切れ、頭部を強打。
・ルール以下の深さしかないプールに飛び込み、大怪我をした。

などなど。

実はこれらの事故の多くは、スポーツ用器具に対する「正しい知識の習得」と「保守点検の実施と管理」、「適切な買い替え交換」を行うことで防げることが分かっています。

そこで経済産業省から日本スポーツ用品共同組合連合会に通達があり、このアドバイザー制度が始まりました。

知らない人が多い「耐用年数」

例えば、バレーボール用ネットの支柱の耐用年数をご存知ですか?

使用状況によって異なりますが、実はわずか2年なのです。しかも点検の目安は3ヶ月に一度。かなり頻繁に点検と交換が必要です。
その他の体育器具の耐用年数と点検の目安は、以下のようになっています。

・跳び箱……耐用年数2年 点検3ヶ月
・マット……耐用年数2年 点検3ヶ月
・バドミントンの支柱……耐用年数5年 点検3ヶ月
・バスケットボールのゴール……耐用年数5年 点検3ヶ月
・サッカーのゴール……耐用年数5年 点検6ヶ月
・ハードル……耐用年数1年から3年 点検6ヶ月
・防球ネットフェンス……耐用年数3年から5年 点検6ヶ月

どれも意外なほど早く点検時期や耐用年数を迎えますが、それを知らずに使っている学校や施設も多いのではないでしょうか。

例えば前述のバレーボールの支柱の事故の場合、折れるまでに購入から15年以上も使い続けていたことが分かっています。

スポーツ用器具管理アドバイザーの仕事

スポーツ用器具管理アドバイザーは、主に地域のスポーツ用品店のスタッフに与えられる資格。学校や地域のスポーツ施設で、スポーツ用器具の正しい知識の普及や、保守点検、維持管理の指導、アドバイスを行います
点検や耐用年数の指導はもちろん、使用法の指導も重要な仕事です。

例えば前述の中折れ式卓球台の転倒事故の場合、収納するときに大人と子どもで畳もうとしてバランスを崩したことが転倒の原因。
バレーボールのネット張り上げの時にロープが切れた事故も、巻き取り方法の間違いが原因で、サッカーゴールの転倒は、正しく固定されていなかったことが原因でした。

スポーツ用器具管理アドバイザーは、このようなスポーツ用器具の誤った使用法がなくなることも目指しています。

また長期間安全に使えるよう、スポーツ施設の備品計画に関してのアドバイスを行うことも仕事の一つです。こうすることで学校や地域のスポーツ愛好者が安心してスポーツを楽しめるよう、裏側から支えています。

さらに高度な点検や修理が必要な場合には、メーカーなどとも連携して対応し、地域のスポーツ用器具の安全を守っています。

スポーツ用器具管理アドバイザーになるには?

「スポーツ用器具管理アドバイザー」は、経済産業大臣認可団体である「日本スポーツ用品協同組合連合会」が認定する制度。

スポーツ用品店などで器具を扱う実務を原則3年以上経験した人だけが、2日間の講習を受けることができます。この講習はスポーツ器具の基本から、さまざまな事故実例、目視では分からない器具のダメージを触って発見する方法まで学ぶなど、かなり充実したもの。

講習の後、試験を行い、合格した人だけが「スポーツ用器具管理アドバイザー」と名乗ることを認められます。

スポーツ用器具管理アドバイザーはどこにいる?

スポーツ用器具管理アドバイザーは、主に「〇〇スポーツ」などの看板を出している地域のスポーツ用品店で活動しています。

認定された人がいるお店の多くは、JSERA・日本スポーツ用品協同組合連合会によるスポーツ用器具管理アドバイザーの認定証を掲げています。

まとめ

スポーツ用器具管理アドバイザーは、安心してスポーツができる場の構築を目指す」という理念から生まれた認定制度です。

私たちはスポーツを楽しみながらも、その器具の安全性についてはあまり考えていないもの。

スポーツ器具の具合を最も身近なところから診てくれるのがスポーツ用器具管理アドバイザーなのです。

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でかむ

スポーツで人生楽しむ自然派ライター

筋トレとアウトドアをこよなく愛するライター。某FM局の作家時代、筋トレマスターに師事し、トレーニングブログを3年間で100本以上執筆しました。

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