ボクシングには階級というものがあり、体重別でクラスが分かれていることを指します。
階級で分けられていることにより、別の階級の選手とは基本戦うことがありません。
それにより、誰が一番強いのか、優れている選手なのかということを測ることができません。
ただ、ボクシングファンであれば、誰が優れている選手なのかということを知りたいと思うことも多いと思います。
その時に重要な指標が「PFP(パウンドフォーパウンド)」です。
PFP(パウンドフォーパウンド)という言葉はボクシングファンならご存知かもしれませんが、知らないという方も多いのではないでしょうか。
今回はそんなPFPについてよく知らないという方にPFPについてと、現在のPFPランキングトップ5の選手を紹介します。
PFPとは
PFPとは「パウンドフォーパウンド」の頭文字を取ったもので、「全階級を通じて誰が最も優秀なボクサーであるかを経歴と表層上の戦力評価で定めるランキング」のことを指します。
日本で「体重が同一と仮定したら誰が一番強いかを決めるランキング」と勘違いされがちですが、そうではありません。
経歴の比べ合いのため、どれだけ優れた勝ち方をしても対戦相手の質が伴わなければ、基本的に高評価になることはないとされています。
しかし、PFPの順位が良いということはそれだけ勝利しているため、強いと言っても過言ではありません。
PFPはボクシングだけでなく、総合格闘技・キックボクシングなど様々な格闘技の世界で存在しています。
PFPのきっかけ
PFPは1950年代初期に権威ある米雑誌「ザ・リング誌」の初代編集長である「ナット・フライシャー」によって造られた用語とされています。
どのメディアのPFPが有名なの?
PFPは1つの基準により定められているのではなく、様々なメディアでランキングが定められています。
最初に使用した「ザ・リング誌」、米スポーツ専門局「ESPN」、全米ボクシング記者協会、トランスナショナル・ボクシング・ランキング委員会(TBRB)などがランキングをつけています。
その中でも最も有名なPFPは本家である「ザ・リング誌」です。
評価基準がメディアによって変わるため、ランキングが異なる場合が多々あります。
更新時期は?
更新時期はメディアによって違いますが、基本的に2ヶ月程度とされているため、順位の入れ替わりが激しいものでもあります。
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歴代最強ボクサーPFPトップ5を紹介
最強ボクサーの象徴であるPFPトップ5を紹介します。
メディアによってランキングが異なるため、ここでは「ザ・リング誌」のPFPトップ5を紹介します。
1位:オレクサンドル・ウシク
【個人プロフィール】
生年月日:1987年1月17日
出身地:ウクライナ
スタイル:サウスポー
階級:ヘビー級【戦歴】
総試合数:20
勝利:20
KO勝ち:13
敗戦:0
オレクサンドル・ウシクは井上尚弥に前回ランキングで抜かれ2位となってしまっていましたが、最新ランキングで1位に返り咲きました。
オリンピックや世界ボクシング選手権で金メダルを獲得するなど、PFP1位に相応しい実力の持ち主です。
2位:井上尚弥
【個人プロフィール】
生年月日:1993年4月10日
出身地:日本
スタイル:右ボクサーファイター
階級:バンダム級【戦歴】
総試合数:23
勝利:23
KO勝ち:20
敗戦:0
ボクシングを知っている人であれば「井上尚弥」のことを知らない人はいないのではないでしょうか。
井上尚弥は圧倒的な実力と完璧なボクシングスタイルから「日本ボクシング史上最高傑作」とも呼ばれており、前ランキングでは日本人で初めて1位になりました。
アマチュア時代からその実力が輝いており、日本ボクシング史上初めて高校生にして7つのタイトルを獲得しました。
プロ転校後は8戦目にして2階級制覇をする偉業を成し遂げましたが、これは世界最速である「ワシル・ロマチェンコ」に次ぐ世界2位の記録です。
3位:テレンス・クロフォード
【個人プロフィール】
生年月日:1987年9月28日
出身地:アメリカ合衆国
スタイル:スイッチヒッター
階級:ウェルター級【戦歴】
総試合数:38
勝利:38
KO勝ち:29
敗戦:0
テレンス・クロフォードは「ザ・リング誌」で3位の結果になったものの、他メディアでは1位にランクインしている実力者です。
その実力は計り知れず、元WBO世界ライト級王者、元WBA・WBC・IBF・WBO世界スーパーライト級王者、現WBO世界ウェルター級王者など世界3階級王者に輝いています。
その中でも、元WBA・WBC・IBF・WBO世界スーパーライト級王者という主要4団体統一王者は史上3人目の快挙です。
4位:エロール・スペンスJr.
【個人プロフィール】
生年月日:1990年3月3日
出身地:アメリカ合衆国
スタイル:サウスポー
階級:ウェルター級【戦歴】
総試合数:28
勝利:28
KO勝ち:22
敗戦:0
ニューヨーク州ロングアイランド出身であるエロール・スペンスJr.は現WBAスーパー・WBC・IBF世界ウェルター級統一王者です。
その中でも、IBF世界ウェルター級では6度の防衛に成功するなど無類の強さを発揮しています。
5位:サウル・アルバレス
【個人プロフィール】
生年月日:1990年7月18日
出身地:メキシコ
スタイル:オーソドックス
階級:スーパーウェルター級・ライトヘビー級【戦歴】
総試合数:62
勝利:58
KO勝ち:39
敗戦:2
引き分け:2
スペイン語でシナモンの意味である「カネロ」という愛称で親しまれているサウル・アルバレスは「スーパーウェルター級」「ミドル級」「ライトヘビー級」「スーパーミドル級」全てで王者になり、世界4階級を制覇しました。
その中でも、スーパーミドル級はWBAスーパー・WBC・IBA・WBOと4団体統一王者に輝いています。
まとめ
今回はPFPトップ5を紹介しました。
2022年6月に井上尚弥が日本人初の1位になったことで話題となりました。
今後どのような選手がPFP1位となるのか注目しておきたいところです。
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