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【ボクシング】計量する意味とは?減量事情なども詳しく解説!

ボクシングの試合前日に行われるのが、計量です。

多くのボクサーはクリアしていますが、ときには体重超過してしまうボクサーも。

なぜ計量を必ず、しかも前日に行うのでしょうか。

今回は、ボクシングの計量について解説。

その意味やボクサーの厳しい減量事情もご紹介します。

【ボクシング】なぜ計量する

【ボクシング】計量する意味とは?減量事情なども詳しく解説!①ボクシングの階級はとても厳密。

例えばプロのフライ級の場合、体重は108ポンド以上112ポンド以下で、わずか1.814kg内に体重を収めなければならないことになります。

しかしそもそもなぜボクシングには体重による階級があり、厳しい計量が行われるのでしょうか。

計量の意味

理由は単純で、体重が増えればパンチ力がそれに比例して大きくなるからです。

ボクサーの体に脂肪はほとんどありません。

つまり体重が増えればほぼ純粋に筋肉量が増えることになり、パワーは増加。

また体重が増えれば床との摩擦も増えるため、安定してより強いパンチが打てるようになります。

非常に細かく17階級にも分けられている背景には、それだけタイトルマッチの興行を増やしたいという思惑もあると言われていますが、いずれにしても、体重=パンチ力というのは事実。

体重差のハンデをなくすために、厳密な計量が行われるのです。

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前日に行う理由

ではなぜ計量は試合の前日に行うのでしょうか。

前日に行ったのでは試合当日までに体重を増やしてしまうことにはならないのでしょうか。

実はこれについてはある程度黙認されています。

というのも昔は当日に計量し、そのまま試合を行なっていましたが、それが原因で死亡事故も発生しているのです。

ボクサーは少しでも下の階級で戦うため、標準体重より10kg以上減量することも。最後は身体の水分を限界まで抜いて計量に臨みます。

その体のまま試合を行うのは非常に危険。

そこで現在のような前日計量にして、当日に体重が増えることは不問にしているのです。

ただしIBFでは前日計量に加えて当日計量も実施。前日より体重が10ポンド(約4.5kg)以上増えてはいけないというルールにしています。

とはいえ急激に体重が増えると身体の動きが鈍くなるため、実際には体重を戻しすぎない選手が多いようです。

計量クリアしないと?

では前日計量で体重超過となったら、試合はどうなるのでしょうか?

普通に考えれば選手が失格で試合は中止となるところです。

しかしプロボクシングの特にタイトルマッチは大きなお金が動く興行。

簡単に試合中止にはできないのです。

JBC(日本ボクシングコミッション)が定めた体重超過のルールは以下のようになっています。

まず超過が上限体重の3%以上の場合は失格となり試合は中止

しかし3%未満なら2時間の猶予で再計量となります。

そして2時間後も体重超過の場合、選択肢は2つ。

①:計量失格とし、試合は中止にする
②:試合中止としない場合、試合当日に再計量を行う

なんとか興行を成立させようとする②のパターンでは、再計量でオーバーしても試合は実施します。

ただしこの場合も、当日再計量で8%以上の大幅な体重超過だったときは強制的に試合中止となるルールです。

制裁

試合を中止しない②の場合、ファイトマネーの20%を制裁金としてJBCに収めるか、事前に契約を結んでいた場合は対戦相手への賠償金とします。

さらに6ヶ月のライセンス停止処分と、マネージャーへの厳重注意処分も課せられることに。

試合が中止になった場合の制裁はさらに重く、ファイトマネーは全額制裁金となるか、事前に契約を結んでいた場合は相手への賠償金となり、ライセンスは1年間停止

次戦以降は1階級以上重い階級への転向が義務付けられ、マネージャーは戒告処分となります。

中でも簡単には中止できないのが世界タイトルマッチ。

王者が体重オーバーした場合はその時点で王座剥奪となりますが、試合は行い、挑戦者が勝利すれば王座認定となります。

逆に挑戦者が体重オーバーした場合は挑戦権剥奪

勝敗に関係なく王者が防衛となるノンタイトル試合になります。

【ボクシング】減量事情

【ボクシング】計量する意味とは?減量事情なども詳しく解説!②わずか1〜2kgの範囲に収めなければならないボクサーの体重管理。

しかもその体重は標準時より10kg以上も軽く設定されているため、減量の苦しみは一般人には想像もできないレベルです。

水をたっぷり飲む

ボクサーの減量といえば、昭和世代の多くが思い浮かべるのが「明日のジョー」の力石徹。

水道の蛇口にワイヤーを巻いて何日間も水分を断ち、ミイラのようになって減量をしました。

しかしこれは現代の科学的なボクサー減量法としては間違い。

進化した現在の減量では、ボクサーは計量前日まで1日に5〜6リットルの水を飲み続け、体を水でいっぱいにします。

その上で高タンパク低脂肪の食事と有酸素運動で体脂肪を燃焼。体脂肪だけで5kg以上を減量するのです。

その結果、計量前日の体重は階級上限プラス5kgほどに。

ここから1日で「水抜き」を行います

水抜きは、サウナスーツを着てのランニングとエアロバイク、サンドバッグ打ち、縄跳びなどで汗を出し尽くす作業。

ここまで体に溜め込んでいた水分が一気に排出され、1日で5kgも痩せてしまうのです。

とんでもなく過酷な方法に思えますが、ボクサーにとっては慢性的な空腹と水分不足よりもずっとストレスが少ない方法だとされています。

ただし水抜きにはプロによる緻密なデータ管理が必須。素人は絶対に真似できない減量法です。

まとめ

厳密な体重管理と極端な減量が必要なボクシング。

計量が終われば勝負の半分以上が終わったと感じる」というボクサーも大勢いるほどです。

ボクサーはまさに体重管理のプロ。

つい憧れてしまいますが、あの極端な減量を素人が真似ることは無意味です。

確実に体を壊すことになりますから、くれぐれも水抜きに挑戦しようなどとは思わないようにしてください。

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