毎年恒例の大学駅伝シーズンが始まっています。
大学駅伝といえば、正月早々に行われる箱根駅伝があまりにも有名ですが、全日本大学駅伝対校選手権大会と出雲全日本大学選抜駅伝競走を加えた3大会を総称して、「学生3大駅伝」といわれています。
この記事では、この学生3大駅伝の全てを同年度に制した「三冠達成大学」を中心に詳しく解説します。
学生3大駅伝について
学生3大駅伝それぞれの歴史と特徴について解説します。
箱根駅伝
学生3大駅伝で最も古い歴史を誇るのが、毎年正月に恒例のTV放送などで全国津々浦々まで広く親しまれている、東京箱根間往復大学駅伝競走、通称「箱根駅伝」です。
1920年の第1回開催から数えて、2023年1月の開催で99回目となる全国最大の人気レースですが、出場できるのは関東学生陸上競技連盟に所属する関東の大学のみです。
これまでの最多優勝は中央大の14回で、早稲田大の13回、日本大の12回、順天堂大の11回、日本体育大の10回と続き、今年優勝の駒澤大が7回で6位タイとなっています。
総走行距離は往路107.5キロ、復路109.6キロ、合計すると10区217.1キロと、3大駅伝の中では距離が最も長く、往路と復路を2日に分けて行います。
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全日本大学駅伝対校選手権大会
毎年11月に開催されるのが全日本大学駅伝対校選手権大会で、愛知県名古屋市の熱田神宮西門前から三重県の伊勢神宮内宮宇治橋前までの全8区間・106.8キロで争われます。
1970年に初回大会が開催され、当初は1月に開催されていましたが、1988年から11月開催に変更され、同年のみ1月と11月の2回開催されています。
その名のとおり、大学日本一を決める大会ですが、実質的には圧倒的に人気のある箱根駅伝の前哨戦と捉えられることが多いようです。
過去の戦歴をみると、福岡大や京都産業大といった地方の大学も歴代優勝校に名を連ねていますが、最多優勝は駒澤大の15回で、日本体育大の11回、大東文化大の7回と続いています。
出雲全日本大学選抜駅伝競走
学生3大駅伝で最も歴史の浅い大会が、毎年10月に開催される出雲全日本大学選抜駅伝競走です。
1989年に第1回大会が開催され、同大会で日本大が優勝して以来、2022年で34回を数えます。
走行距離は全6区間45.1キロと、3大駅伝の中では最も短く、最長区間でも10.2キロのため、出場選手にはスピードが求められます。
最多優勝は1991年から5連覇した山梨学院大の6回で、続いて日本大の5回、駒澤大と東海大と青山学院大がそれぞれ4回となっています。
学生3大駅伝の歴代優勝校
学生3大大会の歴代優勝校一覧は下記のとおりです(2022年12月4日現在)。
なお、3大大会が揃う以前の記録は割愛しています。
年度 | 出雲 | 全日本 | 箱根 |
1989 | 日本大学 | 大東文化大学 | 大東文化大学 |
1990 | 大東文化大学 | 大東文化大学 | 大東文化大学 |
1991 | 山梨学院大学 | 日本大学 | 山梨学院大学 |
1992 | 山梨学院大学 | 早稲田大学 | 早稲田大学 |
1993 | 山梨学院大学 | 早稲田大学 | 山梨学院大学 |
1994 | 山梨学院大学 | 早稲田大学 | 山梨学院大学 |
1995 | 山梨学院大学 | 早稲田大学 | 中央大学 |
1996 | 早稲田大学 | 神奈川大学 | 神奈川大学 |
1997 | 駒沢大学 | 神奈川大学 | 神奈川大学 |
1998 | 駒沢大学 | 駒沢大学 | 順天堂大学 |
1999 | 順天堂大学 | 駒沢大学 | 駒沢大学 |
2000 | 順天堂大学 | 順天堂大学 | 順天堂大学 |
2001 | 順天堂大学 | 駒沢大学 | 駒沢大学 |
2002 | 山梨学院大学 | 駒沢大学 | 駒沢大学 |
2003 | 日本大学 | 東海大学 | 駒沢大学 |
2004 | 日本大学 | 駒沢大学 | 駒沢大学 |
2005 | 東海大学 | 日本大学 | 亜細亜大学 |
2006 | 東海大学 | 駒沢大学 | 順天堂大学 |
2007 | 東海大学 | 駒沢大学 | 駒沢大学 |
2008 | 日本大学 | 駒沢大学 | 東洋大学 |
2009 | 日本大学 | 日本大学 | 東洋大学 |
2010 | 早稲田大学 | 早稲田大学 | 早稲田大学 |
2011 | 東洋大学 | 駒沢大学 | 東洋大学 |
2012 | 青山学院大学 | 駒澤大学 | 日本体育大学 |
2013 | 駒澤大学 | 駒沢大学 | 東洋大学 |
2014 | 中止 | 駒澤大学 | 青山学院大学 |
2015 | 青山学院大学 | 東洋大学 | 青山学院大学 |
2016 | 青山学院大学 | 青山学院大学 | 青山学院大学 |
2017 | 東海大学 | 神奈川大学 | 青山学院大学 |
2018 | 青山学院大学 | 青山学院大学 | 東海大学 |
2019 | 國學院大学 | 東海大学 | 青山学院大学 |
2020 | 中止 | 駒澤大学 | 駒澤大学 |
2021 | 東京国際大学 | 駒澤大学 | 青山学院大学 |
2022 | 駒沢大学 | 駒澤大学 | ? |
三冠達成大学は
学生3大大会が揃って以来、同年度に3大会全てを制したのは、上記の記録一覧からも明らかなとおり、わずか4つの大学となります。
具体的には以下のとおりです。
・1990年:大東文化大
・2000年:順天堂大
・2010年:早稲田大
・2016年:青山学院大
今年の見込みは?
今年の学生3大駅伝を振り返ると、出雲駅伝を制した駒澤大学が全日本大学駅伝も大会新記録で優勝し、年明けの箱根駅伝で史上5校目の3冠を狙っています。
現時点で学生3大駅伝を全て制覇する可能性があること自体、かなり注目すべき状況といえるでしょう。
三冠を達成した大学それぞれの特徴
過去に学生3大駅伝を単年度で全て制覇した大学それぞれの特徴についてみていきます。
大東文化大学
箱根駅伝4度の総合優勝を誇る古豪ですが、近年はなかなか実力を発揮できませんでした。しかし2023年の箱根駅伝予選大会をトップ通過し、久しぶりのリベンジを目指しています。
順天堂大学
全日本大学駅伝では、3位の青山学院大学にわずかに1秒及ばず4位となりました。駒澤大学が3区から独走態勢に入り、優勝争いになかなか絡めない形となりましたが、オリンピック代表の三浦選手をはじめとする総合力を発揮し、箱根駅伝でも上位を覗います。
早稲田大学
昨年の箱根駅伝シード落ちを経て、新たに花田監督を迎えて立ち直りを計っています。
全日本大学駅伝ではシードを確保し、箱根駅伝での上位復活を目指します。
青山学院大学
言わずと知れた、ここ最近では駅伝王者としてあまりにも有名な存在で、今年も駒澤大学と並ぶ「学生駅伝2強」です。
箱根での連覇を狙います。
まとめ
学生3大駅伝大会における過去の成績一覧、また三冠を達成した大学と、達成大学の特徴を中心に詳しく解説しました。
中でも最古の歴史を誇り、毎年正月早々の1月2日と3日にかけて開催される箱根駅伝は、全国の駅伝ファンが待ち望む大会です。
過去の歴史や経緯を踏まえ、どの大学が栄冠をつかむのか、期待に胸を膨らませて応援したいものです。
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