F1とは、自動車レースの最高峰のカテゴリー。
細長くてタイヤが左右に飛び出しているレーシングカーということでなんとなくイメージができる人は多いのではないでしょうか。
でもそもそもなぜF1(エフワン)と呼ぶのでしょう?
Fの意味、1の意味は?
今回は、F1とは何かをご紹介。
その名前の由来や意味について解説します。
【F1とは】名前の意味と由来
F1は、モータースポーツのカテゴリーの一つ。そのカテゴリーのモータースポーツの世界選手権を表すこともあります。
まずはその名前の意味から。Fと1に分けて解説しましょう。
【F1とは】Fの意味
F1の「F」は「フォーミュラ」の略です。
英語で書くと「Formula」。その語源はラテン語で「形」という意味です。そこからフォーミュラは「数学などの公式」、「決まり文句」、「定型文」などの意味を持つようになりました。
そしてここから転じてF1の場合のフォーミュラは「定められた規格に適合したレーシングカー」という意味になります。
フォーミュラカーの特徴
ではフォーミュラカーとはどのような「定められた規格」の車なのかというと、一言では説明不可能。
規定は非常に多く、タイヤ・シャシー・エンジンなどあらゆる部分に「テクニカルレギュレーション」と呼ばれる技術的な規定があります。
このレギュレーションはクラスによっても大きく違いますが、フォーミュラカーにほぼ共通する特徴は以下の通りです。
・レース専用の1人乗り車両
・オープンコックピットで運転席の上部が覆われていない
・オープンタイヤでタイヤが覆われていない
・後輪駆動
・リアミッドシップエンジン
過去にはルールが異なっていた時代もあり、例えばごく一部に前輪駆動車もありましたが、今ではほとんどのクラスで上記の形に落ち着いています。
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【F1とは】フォーミュラカー以外のレース車
ではフォーミュラカーではない車のレースにはどのようなものがあるのでしょうか?
それはプロトタイプカーとGTカーです。
プロトタイプカー
プロトタイプカーは「ルマン24時間耐久レース」をイメージすると分かりやすいタイプ。
純粋なレーシングカーという部分はフォーミュラカーと同じですが、タイヤがボディに覆われているのがプロトタイプカーの大きな特徴です。
比較的短距離・短時間のレースが多いフォーミュラカーとは違い、長時間の耐久レースが多くなります。
GTカー
GTカーはツーリングカーとも呼ばれるもので、市販車をベースに改造しているのが特徴。
ベース車両や改造の度合いなどでレースが分けられることが多く、ドイツのツーリングカー選手権(DTM)や、日本のスーパー耐久シリーズなどが有名です。
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【F1とは】「1」の意味とカテゴリーの違い
タイヤ剥き出しで細いボディのレース専用車がフォーミュラカー。
では「1」の意味は何かというと、クラス分けの1ということです。
フォーミュラカーのクラス分け
フォーミュラカーのレースには多くのクラスがあり、その最高位がフォーミュラ1 クラス。
当然その下のクラスもあり、フォーミュラ2 (F2) ・フォーミュラ3 (F3) ・フォーミュラ4 (F4) も存在します。さらにインディカー・シリーズやスーパーフォーミュラ、フォーミュラEなどもあります。
では具体的に他のカテゴリーとはどこが違うのでしょうか。
F1を中心に他との違いを解説します。
F1の特徴
F1(フォーミュラ・ワン)は四輪レースの世界最高峰に位置するカテゴリー。世界選手権として世界各国を回るシリーズで、そのレースはグランプリと呼ばれます。
最大の特徴はフォーミュラカーレースで唯一、チームが独自に開発したシャシーでレースに出場すること。テクニカルレギュレーションでほとんどの部品は形状やサイズが規定されるため一見同じように見えますが、設計はチーム独自のもので、その開発費は1台で数百万ドルと言われています。チームの運営費となると数億ドルに達することも。
現在のF1エンジンのレギュレーション
F1のパワーユニットは1.6リッターV6ターボエンジン+ハイブリッドシステム。これは2014年からのルールで、2026年には次世代のエンジンが導入される予定です。エンジンの最大出力はなんと1000馬力近く。
とはいえ直線の速度では他のカテゴリーより速いわけではありません。
大きな違いはコーナリング速度。高出力なエンジンと高性能な空力パーツを使用し、コーナリング速度を上げるのがF1の特徴となっています。
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インディカー・シリーズ
アメリカ発祥のフォーミュラーカーレースがインディカー・シリーズ。
フォーミュラーカーレースの中でも伝統のあるレースで、賞金も高額になります。
F1との最大の違いは傾斜のついた楕円のコースで行うこと。
エンジンの最大出力は700馬力前後ですが、コーナリングがほぼないため、最高時速はF1の最高記録372.6km/hを超える380km/h以上、レース中の平均速度でも360km/hになります。
F2
F2選手権はF1のすぐ下のカテゴリー。
以前はこのクラスに当てはまる選手権がいくつもありましたが、その後衰退し、
今はヨーロッパではF2のみとなっています。一方で日本のフォーミュラ・ニッポンやスーパーフォーミュラをF2とする考え方も。
現在、F2はドライバーにとってはF1やインディカー・シリーズへの登竜門となっていて、チャンピオンになると卒業するのが一般的です。
ちなみにエンジン出力はF2が約620馬力、スーパーフォーミュラは約550馬力で、F3が約380馬力となっています。
フォーミュラE
2014年にスタートし、「電気自動車のF1」と呼ばれるのがフォーミュラE。
電気自動車であることに加えて、空力のために前後のタイヤをフェンダーで覆っているのも特徴。
そのため形はフォーミュラカーとプロトタイプカーの中間のように見えます。
最大出力は約340馬力で、レース中は約270馬力に。
カーボンニュートラルの観点から今後注目のカテゴリーとなっていて、さらなる発展は確実と言われています。
まとめ
「定められた規格に適合したレーシングカー」という意味の通り、非常に細かい規定があるフォーミュラカーは、プロトタイプカーやGTカーと比べれば、ドライバーの能力がかなり重視されるレースカテゴリーになります。
一方でそのクラス1であるF1は、唯一メーカーによるシャシー開発が許されるクラス。厳しい規定の中で各社は開発競争を繰り広げています。
毎年チームが発表する新技術に注目するのもF1ファンの大きな楽しみなのです。
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