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【MLB】トレードとは?NPBとの違いや特徴について解説!

毎年7月ごろになると活発になるのが、メジャーリーグ(MLB)のトレードの話題です。
大谷翔平選手の移籍の可能性が報道されるなど、主力選手のトレードのニュースが日々報じられるようになります。
しかし日本ではこの時期にトレードの話はほとんどありません。
MLBのトレードは日本とはどこが違うのでしょうか。
今回は、MLBのトレードについて日本と比較しながら解説します。

【MLB】トレードに関するルール

毎年夏に移籍の話題が盛り上がるのは、この時期に移籍の期限があるからです。
まずはそのルールをご紹介します。

トレード期限

トレードの期限は、毎年7月末
この期限以降は、メジャー契約の選手はトレードができないため、駆け込みでトレードが行われます。
2012年にマリナーズとの5年契約の最終年だったイチロー選手が突然ヤンキースに移籍したのも7月。2017年の7月末にはレンジャーズのダルビッシュ投手が3人のマイナー選手との交換で突然ドジャースに移籍しました。
期限ギリギリで行われるため、MLBには一方のチームの獲得選手を後から改めて決める後日指名選手 (Player To Be Named Later) という方式のトレードも存在。またドラフト指名権をトレードすることもあります。

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拒否権

日本ではトレードは基本的にチームの意向によって行われますが、MLBには一部の選手にトレードの拒否権があります
それはサービスタイムが10年以上で現在の所属チームの在籍が5年以上の選手です。サービスタイムとはレギュラーシーズン期間中にMLBの試合に出場できるアクティブ・ロースター(26人枠)に入っていた期間のこと。
2001年から11年半マリナーズに在籍し、ずっと活躍してきたイチロー選手には拒否権がありましたが、彼は拒否権を破棄して自ら移籍を志願したのです。

【MLB】トレードの目的

日本のプロ野球にも駆け込みトレードのような現象は見られます。
しかしその時期は3月の開幕直前で、しかもトレードが行われるのは年に数件程度。
これに対してMLBでは日本の数倍から数十倍のトレードが行われます
その理由として最も大きいのが、トレードの目的です。

日本プロ野球のトレードの目的

日本では充実したポジションにいるために出場機会の少ない選手を放出し、代わりに戦力的に弱いポジションを補強するのが一般的。
つまりチーム力の強化が主な目的で、両チームの狙いのポジションが一致したときにトレードが成立します。

MLBのトレードの目的

MLBのトレードも、広く言えばチーム力の強化が目的です。
しかしその方針は大きく2つに分かれます。
日本のプロ野球では、セ・パ両リーグそれぞれ6チームがペナントレースを戦い、各リーグの上位3チームがクライマックスシリーズに進出。そのため夏の時点では優勝の可能性はまだほとんどのチームに残っています。
しかしMLBでは7月ごろには優勝を狙える上位と、その可能性がほとんど消えた下位にはっきり分かれるのが一般的。ここでそれぞれのチームが今後の方針を決めます。
優勝を狙えるチームは即戦力となる強豪選手を獲得し、ポストシーズンの勝利を目指すことに。
これに対して下位に低迷するチームは、来季の再建を目指して主力を放出し、代わりに若手有望株を集めるのです。
そのため7月にはチームで大活躍している主力級の選手のトレードが行われることに。セラー(売り手)バイヤー(買い手)という株式市場のような用語が飛び交い、主力を大量放出することは大売り出しのようにファイヤーセールと呼ばれます。
「なおエンゼルスは試合に敗れました」の略の「なおエ」が流行したように低迷しがちなエンゼルスでは、主力の大谷選手のトレード話が出るのもある意味当然の流れ。
2012年のイチロー選手の場合も、マリナーズ再建のためにイチロー選手が自らトレードを志願し、マリナーズは若手選手2人を獲得したのです。

トレードが多い理由① 需要と供給

MLBでトレードが多いのは、即戦力の獲得来季の再建という目的の違いから需要と供給が一致しやすいから。
日本ほどはポジションにこだわらず、再建を目指すチームは1対4や1対5といったトレードで若手を多く獲得し、育成を目指すのです。
このように多くの主力選手や若手選手が絡むトレードはブロックバスター・トレードと呼ばれます。
例えば2012年にはマーリンズとブルージェイズの間で合計12選手が移籍するトレードも。2015年にはドジャース、マーリンズ、ブレーブスの三角トレード(3チーム間で行うトレード)で13選手が移籍しています。

トレードが多い理由② 高額年俸

MLBでトレードが多いもう一つの理由は、選手の高額年俸です。
日本だけが興行の対象となっている日本プロ野球とは違い、MLBはアメリカ・カナダ・中南米地域の国々が対象。日本の何倍もの市場であるため、スター選手になると数十億円の年俸が発生します。
このメジャーリーガーの年俸は独特な仕組み。
メジャー契約の最低年俸は50万ドルで、どんなスター選手も50万ドルからスタートし、メジャー4年目からは年俸調停権を獲得できることになります。
すると4年目から年俸が跳ね上がることに。さらにアクティブ・ロースター登録期間が6年に達するとFA権を取得でき、スター選手なら他チームとの競合で年俸は大きく上がることになります。
優勝に絡む人気チームならその年俸も払えますが、資金に余裕のないチームは年俸数十億円の選手を多く在籍させることは困難。
そのため、年俸が跳ね上がる4年目やFAの直前の7月にトレードで放出し、年俸の安い若手有望選手を何人か獲得するというトレードが多くなるのです。

まとめ

チームの方針がはっきりしてくる7月に活発になるトレード。
年俸が上がる時期が近い主力選手は、低迷しているチームで大活躍しているほどにトレードの可能性が高くなります。
活躍の機会が少ないチームを出て新チームでやり直すというイメージの日本とは、意味が大きく異なるMLBのトレード。
多くの場合、トレードに出されることは選手にとっても大きな名誉なのです。

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でかむ

スポーツで人生楽しむ自然派ライター

筋トレとアウトドアをこよなく愛するライター。某FM局の作家時代、筋トレマスターに師事し、トレーニングブログを3年間で100本以上執筆しました。

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