日本では2013年にバレンティン選手が打った60本がシーズン歴代1位、王貞治選手の868本が通算1位であるホームラン記録。
ではメジャーリーグ(MLB)のホームラン記録はどうなっているのでしょうか。
実はそれは単純ではなく、表だった記録とは別に、「真の記録」と呼ばれるものも存在するのです。
今回は、MLBのホームラン記録をご紹介します。
【MLB】ホームラン記録 シーズン最多
まずはMLBの1シーズンのホームラン記録をご紹介。
「真の記録」についても解説します。
シーズン本塁打数ランキング
シーズンホームラン記録、そのランキングは以下の通りです。
順位 | 本数 | 選手 | 達成年 |
1 | 73 | バリー・ボンズ (ジャイアンツ) | 2001年 |
2 | 70 | マーク・マグワイア (カージナルス) | 1998年 |
3 | 66 | サミー・ソーサ (カブス) | 1998年 |
4 | 65 | マーク・マグワイア (カージナルス) | 1999年 |
5 | 64 | サミー・ソーサ (カブス) | 2001年 |
6 | 63 | サミー・ソーサ (カブス) | 1999年 |
7 | 62 | アーロン・ジャッジ (ヤンキース) | 2022年 |
8 | 61 | ロジャー・マリス (ヤンキース) | 1961年 |
9 | 60 | ベーブ・ルース (ヤンキース) | 1927年 |
10 | 59 | べーブ・ルース (ヤンキース) | 1921年 |
10 | 59 | ジャンカルロ・スタントン (マーリンズ) | 2017年 |
12 | 58 | ジミー・フォックス (アスレチックス) | 1932年 |
12 | 58 | ハンク・グリーンバーグ (タイガース) | 1938年 |
12 | 58 | マーク・マグワイア (カージナルス) | 1997年 |
12 | 58 | ライアン・ハワード (フィリーズ) | 2006年 |
16 | 57 | ルイス・ゴンザレス (ダイヤモンドバックス) | 2001年 |
16 | 57 | アレックス・ロドリゲス (レンジャース) | 2002年 |
18 | 56 | ハック・ウイルソン (カブス) | 1930年 |
18 | 56 | ケン・グリフィーJr. (マリナーズ) | 1997年 |
18 | 56 | ケン・グリフィーJr. (マリナーズ) | 1998年 |
21 | 54 | べーブ・ルース (ヤンキース) | 1920年 |
21 | 54 | べーブ・ルース (ヤンキース) | 1928年 |
21 | 54 | ラルフ・カイナー (パイレーツ) | 1949年 |
21 | 54 | ミッキー・マントル (ヤンキース) | 1961年 |
21 | 54 | デイビッド・オルティス (レッドソックス) | 2006年 |
21 | 54 | アレックス・ロドリゲス (ヤンキース) | 2007年 |
21 | 54 | ホセ・バティスタ (ブルージェイズ) | 2010年 |
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真の記録
1920年代から長い間、ホームラン記録といえばベーブ・ルース選手の60本がシーズン最高でした。
多くの野球ファンが「これこそ永遠のホームラン記録」と信じていたのです。
それをついに抜いたのが、1961年のロジャー・マリス選手の61本。
この記録はその後再び長期間守られました。
しかし1998年、カージナルスのマーク・マグワイア選手とカブスのサミー・ソーサ選手が歴史に残るデッドビートを展開。マグワイア選手が70本、ソーサ選手が66本という驚異的な本数で記録を塗り替えたのです。
さらに1999年にもマグワイア選手とソーサ選手がホームランを量産。
2001年にはジャイアンツのバリー・ボンズ選手が73本という新記録を樹立しました。
ところが後に、この3人にドーピング疑惑が浮上。
彼らの記録は抹消すべきだという声が上がり、ロジャー・マリス選手の61本こそ「真の記録」だと言われるようになったのです。
2022年に62本を打ったアーロン・ジャッジ選手は、公式にはア・リーグのみのシーズン最多ホームラン記録。しかし上位3人の記録がドーピングによるものだとすると、ジャッジ選手こそ真のMLB記録保持者ということになります。
その背景を考慮すれば、ジャッジ選手が大谷翔平投手を抑えてMVPを獲得したのも当然と言えるかもしれません。
【MLB】ホームラン記録 通算本塁打
続いては、MLBの通算ホームラン数です。
上位には多くの野球ファンに知られた名前がずらりと並んでいます。
通算本塁打数ランキング
こちらが通算本塁打数のランキング(2022年シーズン終了時点)。
通算500本以上の選手を一覧でご紹介します。
順位 通算本塁打 選手名
1 762 バリー・ボンズ
2 755 ハンク・アーロン
3 714 ベーブ・ルース
4 703 アルバート・プホルス
5 696 アレックス・ロドリゲス
6 660 ウィリー・メイズ
7 630 ケン・グリフィー Jr.
8 612 ジム・トーミ
9 609 サミー・ソーサ
10 586 フランク・ロビンソン
11 583 マーク・マグワイア
12 573 ハーモン・キルブリュー
13 569 ラファエル・パルメイロ
14 563 レジー・ジャクソン
15 555 マニー・ラミレス
16 548 マイク・シュミット
17 541 デビッド・オルティス
18 536 ミッキー・マントル
19 534 ジミー・フォックス
20 521 ウィリー・マッコビー
テッド・ウイリアムズ
フランク・トーマス
23 512 アーニー・バンクス
エディ・マシューズ
25 511 メル・オット
26 509 ゲーリー・シェフィールド
27 507 ミゲル・カブレラ
28 504 エディ・マーレー
ここでもバリー・ボンズ氏が1位。
バリー・ボンズ氏は2022年末に野球殿堂入りの候補に上がっていましたが、同じく薬物疑惑があるロジャー・クレメンス氏とともに落選しています。
こういった背景があるため、今も多くの野球ファンは、ハンク・アーロン氏の755本が1位だと信じているのです。
ハンク・アーロン
2位のハンク・アーロン氏は1957年、63年、66年、67年にホームラン王を獲得している上、引退する76年まで23年連続2桁ホームランを記録した人物。
ファンからは「世界のホームラン王」と称えられました。
また通算2297打点、通算6856塁打も歴代1位。
1963年にはトリプルスリーを達成するなど、俊足と盗塁技術も併せ持った選手でした。
ベーブ・ルース
ホームラン記録の話題では必ず比較対象となるベーブ・ルース氏は、アメリカの歴史上最も偉大なスポーツ選手の一人。
野球をアメリカ最大の人気スポーツにした功労者であり、現役晩年の1934年には日米野球のメンバーとして来日したことで日本のプロ野球発足のきっかけにもなっています。
ホームラン記録こそ抜かれてしまいましたが、長打率.690、本塁打王12回などの記録は今も歴代1位。
まさに野球の神様と呼ばれるに相応しい人物です。
まとめ
年間試合数や道具の違いなどもあって、新旧のホームラン記録の比較は難しいもの。しかしその中で野球ファンたちは「あの選手が今の現役だったら」と想像を膨らませます。
例えば、ベーブ・ルースが活躍した頃は、球界全体のホームラン数は今よりかなり少なかった時代。ルース選手が60本の新記録を作った1927年には、2位のルー・ゲーリック選手が47本のホームランを打っていますが、ア・リーグの3位以下は18本、17本、15本という本数なのです。
ではもしベーブ・ルース選手が今の時代に現役だったら・・・
そのようなことを想像しながら記録を眺めるのも楽しいかもしれません。
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