2023年のスポーツ界最大のイベントの一つが、FIBAバスケットボール・ワールドカップです。
FIBA(国際バスケットボール連盟)が主催するこのワールドカップは、バスケットボールではオリンピックに並ぶと言われている大会。
これまでにどの国が優勝してきたのでしょう。
やはりバスケットボール大国、アメリカの圧勝だったのでしょうか。
今回は、FIBAバスケットボール・ワールドカップの歴代優勝国をご紹介します。
【FIBA】バスケットボール・ワールドカップとは
厳密には、FIBAバスケットボール・ワールドカップの歴代優勝国は、2カ国しかありません。
それはなぜかというと、FIBAバスケットボール・ワールドカップという名称の大会は、まだ2014年と2019年の2回しか行われていないから。
オリンピックに並ぶと言われるのに、それほど歴史が浅いのでしょうか。
FIBAバスケットボール・ワールドカップの歴史
FIBAバスケットボール・ワールドカップがスタートしたのは、2014年大会。
2010年大会までは「FIBA バスケットボール世界選手権(FIBA World Championship)」という名称でした。
そのスタートは1950年。16回の大会がほぼ4年ごとに行われ、2014年にワールドカップへと名称を変更しました。
とはいえ変わったのは主にその名前だけ。
各国の代表チームが優勝を争う世界トップの大会であることや、4年に1度開催されることなど、大会の形式はほぼ変わっていません。
そのためFIBAバスケットボール・ワールドカップの歴代優勝国を挙げる際には、1950年のFIBA バスケットボール世界選手権から数えることになります。
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歴代優勝国
ではFIBAバスケットボール・ワールドカップの歴代優勝国はどこなのでしょうか。
優勝国と準優勝国を一覧でご紹介します。
開催年度 | 開催国 | 優勝国 | 準優勝国 |
1950年 | アルゼンチン | アルゼンチン | アメリカ |
1954年 | ブラジル | アメリカ | ブラジル |
1959年 | チリ | ブラジル | アメリカ |
1963年 | ブラジル | ブラジル | ユーゴスラビア |
1967年 | ウルグアイ | ソビエト連邦 | ユーゴスラビア |
1970年 | ユーゴスラビア | ユーゴスラビア | ブラジル |
1974年 | プエルトリコ | ソビエト連邦 | ユーゴスラビア |
1978年 | フィリピン | ユーゴスラビア | ソビエト連邦 |
1982年 | コロンビア | ソビエト連邦 | アメリカ |
1986年 | スペイン | アメリカ | ソビエト連邦 |
1990年 | アルゼンチン | ユーゴスラビア | ソビエト連邦 |
1994年 | カナダ | アメリカ | ロシア |
1998年 | ギリシャ | ユーゴスラビア | ロシア |
2002年 | アメリカ | ユーゴスラビア | アルゼンチン |
2006年 | 日本 | スペイン | ギリシャ |
2010年 | トルコ | アメリカ | トルコ |
2014年 | スペイン | アメリカ | セルビア |
2019年 | 中国 | スペイン | アルゼンチン |
優勝回数
続いて過去の優勝回数ランキングを見てみましょう。
順位 | 国 | 回数 | 優勝大会 |
1 | アメリカ | 5 | 1954 1986 1994 2010 2014 |
1 | ユーゴスラビア | 5 | 1970 1978 1990 1998 2002 |
3 | ソビエト連邦 | 3 | 1967 1974 1982 |
5 | スペイン | 2 | 2006 2019 |
5 | ブラジル | 2 | 1959 1963 |
6 | アルゼンチン | 1 | 1950 |
18回の大会で優勝は6カ国のみ。
地域で見ると、ヨーロッパ勢が10回、アメリカ勢が8回で、アジアやアフリカの優勝はまだ0回ということになります。
そしてアメリカは1位ではありますが、ユーゴスラビアと同数。
準優勝の回数でもアメリカとユーゴスラビアが3回で並び、ユーゴスラビア解体で独立したセルビアも含めると、むしろ旧ユーゴスラビアの方が成績は上ということになるのです。
アメリカが突出していない理由
本来ならNBAのあるアメリカがダントツであるはずなのにそうではない理由は、実は「NBAがあるから」だと言われています。
1989年までFIBAが管轄する国際的な大会にはプロ選手の出場が認められていませんでした。そのため一流選手が全員NBAやその下部のプロ選手になるアメリカは、国内の一線級選手が誰も出場できないことに。国内トップクラスの選手が出場できる他国に勝てないということが起こっていたのです。
その後、国際大会にプロの参加が認められると、バルセロナオリンピックのドリームチームのようにNBA選手も代表チームに参加するようになります。
ところNBAでは「ワールドカップはオリンピックより優先度が低い」という見方が一般的。
高額な年俸をもらえるNBAの方を優先するため、アメリカ代表は一流選手が出場しないという状況が今も続いているのです。
旧ユーゴスラビアが強い理由
ユーゴスラビアやそこから独立したセルビアがバスケットボールの強豪国となっているのは、昔からバスケットボールが国民的スポーツだったからだと言われています。
街のあちこちにバスケットボール用のスペースがあり、誰でもプレーできる上、少年チームもたくさんある恵まれた環境。
しかも歴史があるため優れたコーチが豊富で、今では「セルビアの輸出品はバスケのコーチ」と言われるほどなのです。
さらに旧ユーゴスラビア系の人々は平均身長がかなり高め。伝統的に優秀なシューターが育つため、得点力が高いといわれています。
そして国が経済的に恵まれていないため、国内リーグの年俸が低いのも理由。選手たちは高い年俸を得られるNBAにスカウトされるために、激しいハングリー精神を持ってワールドカップに臨んでいるのです。
まとめ
2019年の大会までに優勝を経験しているのはユーゴスラビア、ソビエト連邦、アルゼンチン、アメリカ、ブラジル、スペインの6カ国だけ。
このうち2023年のワールドカップに出場するのは、アメリカ、ブラジル、スペインの3カ国のみで、それ以外の29の国はどこが勝っても初優勝となります。
歴代優勝国に新たな名前が加わるのか、そしてどのような選手が国際舞台で輝くのか、ぜひご注目ください。
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