多くのスポーツに影響を与える利き腕。
野球の場合も、左利きは一塁に近いため特にバッティングで有利と言われています。
では守備の場合はどうなのでしょうか。
本記事では、野球において左利きの選手が向いているポジションと、有利な理由、逆に不利なポジションについて詳しく解説します。
それぞれのポジションで左利きの選手がどのように活躍できるのか、その秘密を探っていきましょう。
野球における左利きの利点とは
野球の世界では、左利きの選手は特別な存在となっています。
その理由は、多くの選手が右利きであるため、左利きの選手が持つ一風変わった視点と特性が試合に大きな影響を与える可能性があるからです。
それでは、具体的に左利きがどのようなポジションに向いているのか、その理由と共に見ていきましょう。
ピッチャー
左利きのピッチャーはバッターと対戦する際に大きなアドバンテージを持ちます。
それは左利きのピッチャーの数が少なく、多くのバッターが左投手との対戦に慣れていないため。右利きのピッチャーがボールを投げる角度と回転が異なるため、バッターが予測しにくいピッチングが可能なのです。
また左利きのピッチャーはセット時に一塁側を向けるため、一塁走者への牽制球を投げやすくなります。
これによって一塁走者に対するプレッシャーを高めることに。盗塁を阻止する有効な手段となります。
ファースト
左利きの一塁手は、内野の他のポジションからの送球を受け取りやすくなります。
また、打球を追いかけて一塁ベースに戻る動作も自然な体の動きとなります。
さらに牽制の際も左利きのほうがランナーにタッチしやすいため、有利なのです。
外野手
外野守備は利き手による優劣がないため、左利きの選手にも取り組みやすいポジションとされています。
特に右翼手は、打球の進行方向とグラブの位置が一致するため、左利きの選手にとってフィールディングしやすいポジションだと言われています。
一方で、二塁手、三塁手、遊撃手、そして捕手のポジションは、一般的には右利きの選手が担当します。その理由は、一塁への送球や、二塁への送球(特に捕手の場合)が左利きの選手にとっては困難だからです。
不利になるポジションについては次の章で詳しくご説明します。
左利きの選手が不利になるポジション
有利なポジションがある一方、左利きの選手にとって不利になるポジションもあります。
捕手
捕手は左利きの選手にとって最も困難とされています。
これは一般的に多い右バッターのバッターボックスの配置のため。盗塁などの際に、左利きの捕手だと二塁や三塁への送球がバッターと重なって不利な角度となるのです。
またバントの処理やホームベースでのタッグプレーも左利きの捕手にとっては困難となります。
三塁手
左利きの三塁手は、ボールを捕球した後に体を回転させて一塁への送球をすることになります。
これには時間がかかるためかなり不利。
そのため、ほとんどの三塁手は右利きとなっています。
二塁手と遊撃手
ダブルプレーを組む上で二塁手と遊撃手は左利きよりも右利きの方が有利です。
左利きの二塁手や遊撃手は、ボールを捕球した後にやはり体を回転させて一塁への送球をする必要があります。
また打球の方向も右利きの選手にとってより直線的に飛んでくるため、反応時間が短縮され、エラーの可能性が増えてしまうのです。
以上のように、左利きの選手は特定のポジションでは不利になることもあります。
しかし、これらの困難さは個々の選手の技術や経験によって克服されることがあり、その結果、左利きの選手がこれらのポジションでも成功を収めることは十分可能です。
【関連記事はこちら】⇩
・【サッカー】左利きが有利な理由とは?メリットや割合についても解説
・【左利き】有利なスポーツ一覧 | サウスポーがすごい理由も解説!
左利きの選手が活躍するシチュエーション
左利きの選手は一部のポジションだけでなく、特定のシチュエーションでも大きなアドバンテージを持つことがあります。
対左打者の戦略
左利きのピッチャーは、左打者に対する戦略で大きなアドバンテージを持っています。これは、同じ左打者にとって、左利きのピッチャーからの球は見にくく、打ちにくいため。
左打者が多い相手チームの場合、左利きのピッチャーを起用することで戦略的な優位性を得ることが可能です。
代打
左打者は右投げのピッチャーの投げるボールのリリースポイントが見やすく、軌道を比較的予想しやすいと言われています。そのため右投げのピッチャーに対する打率が高い傾向に。
ゲームの終盤で右投げのリリーフピッチャーが投げる場面では、左打者の代打を出すことで成功の確率を上げることができます。
試合の流れによる戦略的な判断
左打者が出ているときに対戦相手が左利きのピッチャーをマウンドに送ると、打者は打つことが難しくなります。
そのため戦略的に左ピッチャーを投入することも、試合を有利に進める一つの方法となります。
また左利きのバッターは、ピッチャーから見て逆方向にボールを打つことが多いため、フィールドの配置や守備の戦略を変える必要があります。これにより、相手チームにとって予測しにくい状況を作り出し、試合を有利に進めることが可能です。
左利きの選手が持つこれらの特性とアドバンテージは、ゲームの戦略や結果に大きな影響を与える要素。
左利きの選手は、その存在自体がチームにとって大きな強みとなるのです。
左利き選手のための練習を
有利なポジションやシチュエーションがあり、試合で活躍できる可能性がある左利きの選手。
この章では、左利き選手が練習する際の注意点についてご紹介します。
なんといっても左利きの選手の特性を最大限に引き出すには、左利きに特化した練習が必要です。
左利き特有の打ち方を活かすためのテクニックを身に付けたり、左利きのピッチャーに合ったフォームを習得したり、左利きのフィールダーのための守備練習も必要。
単に左利きの人が右利きの人と反対の動きをするだけでは、その能力を100%発揮することはできません。
それは、人間の体の構造が左右で違うためです。
左右で体の重さのバランスが違うことを考慮したうえで、左利きに合ったフォームや動きを練習し、習得することで、より左利き選手の良さを活かすことができるでしょう。
まとめ
左利きの選手が野球の世界で成功するためには、その特性を理解し、それを最大限に活用することが重要です。
また、チーム全体が左利きの選手の特性を理解し、それを戦略に取り入れることで、より強力なチームを形成することが可能となります。
【関連記事はこちら】⇩
・サウスポーとは?由来と野球で有利な理由もご紹介!
・野球の人数って何人?基本的な規則やポジションを押さえよう!