アスリートを支える職業は様々あり、世界で活躍するアスリートは多くの方の専門家にサポートを受けて競技を行っています。
今現在、スポーツ界では一人のアスリートに複数人の専門家がサポート体制やチームを作っていることは珍しくありません。
例えばプロテニスプレーヤーの錦織圭選手はコーチ、トレーナー、栄養士、マネージャーなどで構成される「チーム・ケイ」というサポート体制を整えています。
このように現代のスポーツ界は各アスリートに様々な分野の専門家がサポートしていることがわかります。
その中でも”メンタルトレーナー”はアスリートのパフォーマンスを最大限発揮するうえで重要な存在です。
今回はそんなメンタルトレーナーという職業を詳しく解説していきます。
メンタルトレーナーとは?
パフォーマンスを最大限発揮するには心・技・体が大事になってきます。
選手の精神的要素でパフォーマンスが左右することが往々にしてあり、選手が持っている力を最大限発揮するために心を整えるのがメンタルトレーナーの役割と言えます。
アスリートは日々競技力を向上させ、試合で良いパフォーマンスを発揮するためにトレーニングを行っています。
その中で抱える問題や目標についての悩みを精神面から導きサポートします。
主に心理学を基本としたカウンセリングやコーチングの技術をメンタルトレーナーは用いて、選手の心を整えています。
メンタルトレーナーになるには?
メンタルトレーナーという肩書を名乗るにはこの資格を取らないといけないという厳密なものはありません。
そのため、経験やスキルの方が重要視される傾向にあります。メンタルトレーナーを勤めるには心理学的知識に基づいて選手にアドバイスができなければいけません。
多くのメンタルトレーナーが取得している資格としては、民間団体が認定する資格と国家資格の2種類があります。
心理系の民間団体は多くあるため、国家資格の方が社会的認知・評価が高いと考えられます。
民間団体が認定する資格としては、
【一般社団法人日本メンタルトレーナー協会/メンタルトレーニング検定(1~3級)】
:検定1~3級があり、検定3級ではメンタルトレーニングとはなにかを知ることができます。
検定2級ではメンタルトレーニングの基礎的な知識を持つことができます。検定1級ではメンタルトレーニングの技術を身に着けることができます。
【日本心理学アカデミー/メンタルトレーナー(1~3級)】
:こちらも1~3級があります。3級は1日で取得可能です。「自分で自分の心をコントロールする」ための資格です。
3級をとることで身体と同じように正しい理解のもとで栄養補給とトレーニングを行うことで、心の健康状態を保つことができるようになります。
2級も1日で取得可能となっています。
部下や選手などの対象年齢に関係なく周りのマネジメントが中心となります。周囲の心のマネジメントを学び、モチベーションやストレスをコントロールすることができるようになります。
【臨床心理士】:臨床心理学に基づいて知識や技術を用いて、人間のこころの問題にアプローチする心の専門家です。
があります。
国家資格としては、
【公認心理士】:心の健康問に対して、他の専門職と連携して心理に関する支援を行う国家資格です。
これらの資格を取得するために心理学専攻の大学に通うか、民間スクールで講座を受講するかの方法があります。
専門性をより高めたいときは大学にて脳科学やスポーツ科学、スポーツ心理学を専攻するのが良いと思います。
また、大学院にて心理学の研究を行う方も中にはいらっしゃいます。
メンタルトレーナーの働き口
メンタルトレーナーとして働いている方は、スポーツ分野や企業に多くいらっしゃいます。
スポーツ分野で働くメンタルトレーナーはチームを持つ実業団やプロチームや個人選手と専属契約している方がほとんどです。
また、最近では企業でメンタルトレーナーを募集するケースも増えています。役員や幹部、企業職員の働き方や悩みについての相談を受けるのが主な仕事内容です。
このように、ビジネスの分野でもメンタルトレーナーのサポートが求められる時代になってきました。
メンタルトレーナーと聞くとスポーツ分野のイメージがあるかと思いますが、働き方も多様化してきていることが分かります。
メンタルトレーナーの年収
メンタルトレーナーの年収は所属する企業やチーム、働き方によって全く違います。
多くのメンタルトレーナーは300~500万円程と言われています。
あくまでもボリュームゾーンですのでほとんど稼げない方もいれば、500万円以上の年収がある方もいらっしゃいます。
まとめ
今回の記事でメンタルトレーナーという職業がどういったものかを知っていただけたら幸いです。
正式な資格や決まった働き口が少ないというのも現状で、現代のメンタルトレーナーには経験やスキルが重要視されています。
そのためご自身で知識・技術をつけてセルフプロデュースし、積極的に自分自身の働き方を開拓していかなければいけません。
メンタルトレーナーが幅広い方に認知され、社会的な地位や認知が向上し、確立されたものができていくことを願っています。
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