誰でも一度はやったことがある「ストレッチ」
アスリートでも趣味でスポーツをする方も、運動する前後でストレッチをする人は多く、その理由として、小学校などで体育の時にストレッチの必要性を学ぶからです。
そんな馴染みのあるストレッチもどんな種類があって、それぞれどんな効果があるのか、詳しく知らないといった方も多いのではないでしょうか。
今回はそんな「ストレッチ」の適切なタイミングと種類、その効果についてご紹介します。
【ストレッチ】運動前
運動前に行うストレッチとして「ダイナミックストレッチ」、「バリスティックストレッチ」、「PNFストレッチ」と呼ばれるストレッチが3種類あり、「バリスティックストレッチ」と「PNFストレッチ」は専門的な知識が必要で一般の方が利用するのは難しいものとなっています。
そこで今からでも取り入れることができる「ダイナミックストレッチ」についてご紹介します。
ダイナミックストレッチとは?
ダイナミックストレッチとは、その名の通り動きのあるストレッチです。
伸ばそうとしている筋肉の反対側に位置する筋肉を意識的に収縮させ、関節の曲げ伸ばしや回旋を行って、筋肉や腱を引きのばします。
例えば、太ももの後ろの筋肉を伸ばすなら、脚を上げたり膝を伸ばしたりと、太ももの前の筋肉を意識的に収縮させます。
身体を動かしているのにストレッチなの?と感じる方もいらっしゃるかと思いますが、実は多くの方がこのダイナミックストレッチングを経験したことがあります。
それは『ラジオ体操』もこのダイナミックストレッチに該当するからです。
サッカーや陸上でよく行われている『ブラジル体操』もこのダイナミックストレッチに該当します。
ある動きを何度か繰り返し、関節や筋肉に刺激を与える運動のことを言います。
ダイナミックストレッチの効果
ダイナミックストレッチの効果としては、ただ単に関節の可動域が広がるというだけでなく、心拍数が上がり血流も増えることによって、体温が上昇し心臓や筋肉の準備ができます。
さらにはスポーツや運動に必要な筋肉や関節を、その種目に応じて伸ばすことができるので、より競技特性に近いストレッチングだと言えます。
実際に、多くの研究でダイナミックストレッチの実施によるジャンプ力やダッシュ力などの瞬発力の向上効果が示されており、最近では持久力の向上も確認されています。
しかし、心拍数を上げてしまうので、リラックスしたいスポーツ後や就寝前には不向きなので注意しましょう。
【ストレッチ】運動後
運動後はスポーツによってできた疲労物質が増え、それと同時に筋肉・関節が緊張しています。
筋肉が緊張したままだと関節可動域を狭めるだけでなく、疲労が蓄積し、結果的に怪我の発生リスクを高めてしまいます。
そこでスタティックストレッチと呼ばれるストレッチを行うことが必要です。
スタティックストレッチとは
スタティックストレッチングとは、反動をつけずゆっくりと関節を動かすことにできる範囲の限界近くまで筋や腱を引きのばし、その状態を一定時間保持するストレッチです。
多くの人がイメージするストレッチは、このスタティックストレッチのことを指します。
簡単で安全な方法なので、小さい子供から大人まで多くの人が利用しています。
スタティックストレッチングの特徴としては、ストレッチング技術が必要ないためすぐに実践することができます。
スタティックストレッチの効果
ゆっくりと筋肉や関節を伸ばすことで、柔軟性アップや関節可動域を広げる効果があります。
運動後の身体は筋肉の緊張より、血管が圧迫され、疲労物質が溜まっていますが、スタティックストレッチをすることで血流が改善し、疲労回復にも繋がります。
日常的にスタティックストレッチをするのであれば、最も望ましいタイミングは身体が十分に温まったお風呂上りが効果的です。
血流が活発になり、筋肉が柔らかい状態なのでストレッチング効果がアップします。
逆に望ましくないタイミングは食後30分以内です。
食後は胃腸に血流が集まってくるので、それが筋肉に血流が流れてしまうと、消化不良にも繋がります。
お風呂上りに水分補給をしっかりとしながら、ストレッチングしましょう。
運動前にはよくないの?という疑問は良く聞きますが、確かに運動前に30秒以上のスタティックストレッチをすると筋力が低下するという研究があります。
しかし、これを聞くと運動前にはあまり適していないように感じますが、それはスタティックストレッチング直後に筋力を発揮した場合に限ります。
ですので、スタティックストレッチでしっかりと柔軟性を確保してから、ダイナミックストレッチでスポーツや運動に近い動きの柔軟性をアップしていくのが良いでしょう。
まとめ
今回は運動前後に有効なストレッチの種類とタイミング、効果についてご紹介しました。
小さい頃から馴染みのあるストレッチですが、闇雲にやっても効果は薄くなります。
闇雲にストレッチをしても、伸ばしたい筋肉・関節を伸ばせておらず、怪我の予防や疲労回復には繋がりませんので、正しい姿勢で伸ばしている筋肉や関節を意識して行うようにしてください。
さらに無理に伸ばせば伸ばすほど良いというわけではありません。
間違った方法では、逆に痛めてしまいます。正しい方法・タイミングで適切なストレッチをすることで効果を高めることが出来ます。
是非ともストレッチをしっかり行って、スポーツを楽しんでもらいたいです。
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