どこよりも熱くお届けするスポーツコンテンツ

NEW POST

スポスルマガジンの最新記事

アスリート・スポーツ関連のお金事情

【オリンピック】経済効果はどのくらい?歴代の大会を参考にご紹介!

オリンピックが開催されるとよく話題になるのが、経済効果。
競技施設の建設や観光客の誘致、グッズの発売など、経済にも大きな影響があります。
ではこの経済効果とはいったいどのようなもので、いくらくらいの規模なのでしょうか。そして東京は?
今回は、オリンピックの経済効果について解説。
東京2020や過去の大会の経済効果をご紹介します。

【オリンピック】経済効果とは

まず、オリンピックの経済効果とは、どこまでを含むものなのでしょうか。
実はこれは少しややこしい問題なのです。

【関連記事はこちら】⇩
【スポーツ】競技人口ランキング世界Top5!球技が圧倒的人気!
【面白い】スポーツのルール変更・改正をご紹介!こんなのあり?!

経済効果の内訳

そもそも経済効果とは利潤ではなく、総売上げのこと。
その内訳は3つの層に分けられます。
オリンピックの直接効果に入るのは、大会施設整備費や、大会関係者・観戦客の消費支出、観戦のためのテレビ購入費など。
次に一次波及効果として、直接効果で消費される財やサービスの原材料の売上増加額が加わります。
さらに二次波及効果として加わるのが、直接効果と一次波及効果で増加した所得から消費に回す額。
一般的にはこれらを合わせて経済効果または経済波及効果と言います。

経済効果を算出するのは?

経済効果は様々な組織・機関が算出します。
例えば2020東京大会の経済効果を算出したのは、東京オリンピック・パラリンピック招致委員会準備局みずほ総合研究所森記念財団・都市戦略研究所など。
それぞれがどの期間を対象とするかで、経済効果の額は大きく違ってきます

【オリンピック】2020東京大会の経済効果

では実際のオリンピックの経済効果はどのように算出されているのでしょうか。
2020東京大会からご紹介します。

東京都の試算

2017年、東京都オリンピック・パラリンピック準備局が2020東京大会の経済効果を試算し、発表しました。
対象期間は、2013年(招致決定年)から2030年(大会10年後)までで、経済効果は2次波及効果までが対象。
その結果、経済効果は以下のようになりました。
項目 東京都 日本全国
直接的効果 3兆3919億円 5兆2162億円
レガシー効果 17兆488億円 27兆1017億円
総計 20兆4407億円 32兆3179億円
この表の「直接的効果」は、オリンピック開催に直接的に関わる投資・支出によって発生する需要増加額。
レガシー効果」は、大会後の取組で生まれる需要増加額を推計したものです。
その結果の経済効果は、東京都で約20兆円、日本全国では約32兆円。かなり巨大な額となっています。
ただしこれはオリンピック開催前の試算。
実際のレガシー効果が期待通りに生まれるかどうかは、まだ分かりません。

コロナ禍で失われた経済効果

東京都の試算は上記のような額になりましたが、開催されたオリンピックはコロナ禍で1年延期された上に無観客となりました。
それによってチケット代やインバウンド需要など多くの経済効果が失われたはず。
実際のところ影響は大きかったのでしょうか。
試算ではチケット代で約900億円、移動、飲食、宿泊など観光需要で約3000億円が消失。その他、さまざまな項目を換算すると、無観客開催によって失われた経済効果は約1兆4000億円と言われています。
確かに大きな損失ではありますが、32兆円のうちの1.4兆円に過ぎないという見方も。
その上、無観客ではあってもテレビやネットを通じて日本の魅力が世界中に配信されたため、その宣伝効果は大きかったと言われています。
コロナ禍後のインバウンド需要にもし良い影響があったとすれば、観光業や再開発にも恩恵があるはず。
もし宣伝効果が残っていれば、経済的なプラスはさらに大きくなると期待されています。

過去の大会の経済効果

では過去のオリンピックでも日本と同様の経済効果はあったのでしょうか。
近年の大会を比較すると、大きな違いが見えてきます。

2016リオデジャネイロ

2016年のリオ大会の経済効果は、まず開催前の2009年から2016年までで約1兆5000億円と発表されました。そのうち1兆3000億円は建築費です。
またこの大会は2014年のサッカーワールドカップと続けて開催されましたが、ブラジルのスポーツ省は2014年に、ワールドカップとオリンピックを合わせて直接的な効果が約1兆8000億円、間接的な経済波及効果が約5兆2000億円で、合計約7兆円のプラス効果があると発表しました。
しかし現実にはリオデジャネイロは大会後の「負の遺産」が問題に。
今では経済効果はむしろマイナスだったと言われています。

2012ロンドン

リオとは対照的に2012年のロンドン大会は経済的にも成功を収めた大会。
その経済効果は開催後の2020年までで約14兆1000億円と試算されました。
この成功は、イギリスがオリンピックを通過点ととらえ、国の魅力をアピールするイベントとして活用したから。
長期的な利益を狙い、オリンピック後も発展できるよう市場環境を整備したことで、大きな経済効果を得ることができたのです。

2008北京

2008年の北京大会は過去最大の約4兆2000億円という開催費用を注ぎ込んだ大会。その結果、中国は大きな経済効果を得ることになりました。
開催前の2002年から2008年までだけでもオリンピックの経済効果は約14兆8870億円。さらにこのオリンピックをきっかけに世界最大の地下鉄網を整えるなど再開発を進め、北京は一気に近代化しました。
北京大会は中国の経済成長の大きなきっかけにもなった大会。その経済効果は計り知れないと言えます。
一方、2022年に開催された北京冬季五輪は開催費用を大幅に削減。ゼロコロナ政策と相まって経済効果はマイナスだったと言われています。

まとめ

国によって大きな違いが出るオリンピックの経済効果。
共通して言えるのは、大会の開催費用や収益よりも、その後の波及効果の方がずっと大きい可能性があるということです。
日本は2030年までのレガシー効果を27兆円と見積もりましたが、ロンドンのように長期的な利益を生み出すことができるのか、それともリオデジャネイロのような負の遺産になってしまうのかは、まだ分からないのです。

【関連記事はこちら】⇩
【保存版】お金がかかるスポーツとかからないスポーツ【各3選】
【世界】各国で人気のあるスポーツを紹介!国によっての違いを解説!



  • この記事を書いたライター
  • ライターの新着記事
おおぱ!

おおぱ!

寝ても覚めてもスポーツ漬け

スポーツ一家に育ち、休日はテニスとランニング。空き時間はほぼスポーツ観戦。夢の中ではなぜかやたらといろいろなスポーツのプロ選手になっている夢中派執筆家です。皆さまにスポーツ愛を届けます!

  1. ネイマール名言22選|常にプレッシャーと戦い続ける彼の言葉が刺さる!

  2. 【野球】チェンジアップってどう曲がる?軌道やメリットを調査

  3. 【野球】なぜシュート回転が起きる?|対策法などをご紹介!

PAGE TOP