WBC(ワールド・ベースボール・クラシック、World Baseball Classic)は、メジャーリーグベースボール(MLB)機構とMLB選手会が立ち上げたワールド・ベースボール・クラシック・インク(WBCI)主催による「野球世界一決定戦」です。
この記事では、WBCの概要と、過去の賞金について詳しく解説します。
WBC開催までの経緯と歴史
最初に、WBC開催に至る経緯と歴史について簡単に振り返ります。
野球の総本山である米国メジャーリーグベースボール(MLB)では、1990年代後半頃からアメリカ以外の選手が活躍するようになりました。
こうした状況下、MLB機構のコミッショナーは「野球の世界一決定戦」の開催を提唱し、世界各国の野球選手による国際大会の開催へ向けて協議が続けられた結果、2005年5月にMLB機構が翌年3月に野球の世界大会を開催する旨を発表し、第1回のWBC開催へと繋がっていきました。
WBCはこれまで4回開催されていますが、各大会の開催年と優勝国は次のとおりです。
第1回大会(2006年):日本
第2回大会(2009年):日本
第3回大会(2013年):ドミニカ
第4回大会(2017年):アメリカ
第5回大会(2023年):???
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WBCの賞金は?
WBCでは、参加各国から得られるスポンサー料や放映権料、またロイヤルティーなどを大会の収益とし、これを一括してWBCの運営会社が集めた後に各チームへ再分配する仕組みです。
過去4大会の賞金サマリー
過去の4大会における賞金のサマリーは次のとおりです。
(USD=USドル)
回数 | 開催年 | 総収益 | 賞金総額 | 優勝賞金 |
1 | 2006 | 1280万USD | 780万USD | 78万USD |
2 | 2009 | 3200万USD | 1400万USD | 270万USD |
3 | 2013 | 未公表 | 1500万USD | 340万USD |
4 | 2017 | 未公表(推定1億1000万USD) | 1400万USD | 未公表 |
各大会の賞金内訳
次に、各大会の賞金内訳などについて解説します。
【2006年】(公式発表なし・推計)
賞金総額:780万USD
優勝チームの賞金:78万USD
2006年に開催された第1回大会では、利益が出た場合に47%が参加チームへの賞金として、また53%が各組織に分配され、利益が出なかった場合にはMLBが赤字分を負担する仕組みだったようです。
それぞれの内訳は次のとおりです。
賞金
優勝チーム:78万USD(10%)
準優勝チーム:54.6万USD(7%)
準決勝敗退の2チーム:39万USD(5%)
2次リーグ敗退の4チーム:23.4万USD(3%)
1次リーグ敗退の8チーム:7.8万USD(1%)
各組織への分配
大リーグ機構(MLB):136.5USD(17.5%)
大リーグ選手会:同上
日本野球機構(NPB):54.6万USD(7%)
韓国野球委員会、国際野球連盟:各39万USD(5%)
その他:7.8万USD(1%)
【2009年】(公式発表なし・推計)
賞金総額:1400万USD
優勝チームの賞金:270万USD
内訳は以下のとおりです。
賞金
優勝チーム:270万USD(19.3%)
優勝した日本代表の各選手:1人当たり9万USD(0.64%)
準優勝チーム:170万USD(12.1%)
準決勝敗退の2チーム:120万USD(8.6%)
2次ラウンド敗退チーム:70万USD(5%)
1次ラウンド敗退チーム:30万USD(2.1%)
各会場の1次ラウンド1位通過チーム:30万USD(ボーナス)
各会場の2次ラウンド1位通過チーム:40万USD(ボーナス)
各組織への分配
国際野球連盟(IBAF):野球振興の目的で100万USドル(寄付)
MLBと大リーグ選手会:924USD(66%)
NPB:182USD(13%) など
前回大会と比較すると収益が大幅にアップしているため、全体の配分もそれぞれ大きくなっていることがわかります。
特に、優勝チームへの賞金は全体の19.3%と、前回の倍に近く、金額では3.5倍にも上っているのが際立ちます。
【2013年】(未公表・推計)
賞金総額:1500万USD
優勝チームの賞金:340万USD
内訳は以下のとおりです。
優勝チーム:340万USD(22.7%)
優勝したドミニカ代表の各選手:1人当たり12.1万USD(0.86%)
準優勝チーム:不明
準決勝敗退の2チーム:160万USD(10.6%)
*その他情報については確認できず
【2017年】(未公表・推計)
賞金総額:1400万USD
優勝チームの賞金:300万USD
内訳は以下のとおりです。
優勝チーム:300万USD(21.4%)
準優勝チーム:200万USD(14.3%)
準決勝敗退の2チーム:120万USD(8.6%)
2次ラウンド敗退チーム:80万USD(5.7%)
1次ラウンド敗退チーム:30万USD(2.1%)
各会場の1次ラウンド1位通過チーム:30万USD(ボーナス)
各会場の2次ラウンド1位通過チーム:40万USD(ボーナス)
賞金総額・優勝チーム賞金ともに、前回大会と同等あるいはそれ以下のレベルに留まっていますが、大きな格差もない状況です。
【2023年】
未だ開催前であり、営業収益や利益が確定していない段階なので、現時点では賞金総額や優勝賞金など一切は不明です。
ただし、過去2回とも賞金総額が1,400万-1,500万USドルだったことを考えれば、今回もそれに近い、あるいは上回る金額が想定されます。
まとめ
WBCの賞金について、各大会の内訳も含めて詳しく解説しました。
今回開催される第5回大会は、本家のアメリカが「ドリームチーム」を編成して優勝を目指し、その他の競合国も着々と戦力を整えています。
こうした状況から、サッカーW杯にも負けない盛り上がりとともに収益も増大させ、賞金も一層のアップを期待したいものです。
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