4年に1度の障がい者スポーツの祭典、パラリンピック。夏季・冬季で開催され、冬季大会でもこれまで長く歴史を積み重ねてきました。近年では競技種目も追加されるなど、大会規模も大きくなってきています。
雪上や氷上での競技が繰り広げられるパラリンピックはどのような競技があり、どのような特徴があるのでしょうか。
今回は冬季パラリンピックの歴史と、現在まで行われている6競技について調べていきたいと思います。
冬季パラリンピックの歴史
負傷した兵士たちのリハビリテーションとして行われた競技会が起源とされているパラリンピック。
冬季パラリンピックの第一回大会が1976年にスウェーデンのエンシェルツヴィークで開催されて以降、これまで13大会が行われています。1992年のアルベールビル大会から、現在のように五輪と同じ開催地で行われています。
1980年の第2回はノルウェーのヤイロ、1984年、1988年の第3、4回はオーストリアのインスブルックで開催されています。参加国数も大会毎に増えてきており、2018年の平昌大会は史上最多となる49ヶ国から選手が出場しています。
冬季パラリンピック、競技紹介
冬季パラリンピックで実際に行われている競技を、以下で紹介していきます。
アルペンスキー
アルペンスキーはオリンピックと同じ5種目が行われます。「滑降」「スーパー大回転」の高速系、「大回転」「回転」「スーパー複合」を、立位、座位、視覚障がいという3つのカテゴリーに分かれて競われます。
クラス分けにより設定された係数を競技タイムにかけられた計算タイムで順位が決定されます。
高速系では時速100kmを超え、巧みなターンも繰り広げられるなど、冬季競技の花形と言えるでしょう。
クロスカントリースキー
コースや走法はオリンピック競技と同じ内容で行われます。アルペンスキー同様、座位、立位、視覚障害のカテゴリーに分けられており、順位決定のタイムもアルペンスキーと同じ方式が取り入れられています。
視覚障がいの選手は、声や音で先導する「ガイド」とともに滑走します。ガイドと選手の2人による、一心同体となる滑りにも注目です。
また、立位の選手は障がいがさまざまとなり、ストックが一本の選手や、ストックを使用しない選手もいます。雪上を力強く滑走するする姿は圧巻、ゴール後は体力を使い切り、倒れ込むシーンもみられます。
車いすカーリング
五輪競技のカーリングと様々な点で異なる部分が多い車いすカーリング。ストーンを投げる際は静止した状態から棒状の補助具を使用します。
その際、車椅子が動かないように仲間が後ろで支えることも認められています。また、男女混合となる4人で行わなければならないことや、氷上をブラシで掃くスウィーピングもこの競技では禁止されています。
このため、より正確にアイス(氷上の状況)を読む能力が求められます。
ストーンの重さや、ルールに関しては、五輪競技と同じです。車椅子カーリングならではの、頭脳戦の攻防が繰り広げられます。
パラアイスホッケー
五輪同様パラアイスホッケーは「氷上の格闘技」としての要素を持っています。かつては「アイススレッジホッケー」という名称でしたが、2017年からは現在のパラアイスホッケーに変更されています。
下肢に障害がある選手により行われ「スレッジ」と呼ばれるスケートの刃を2枚付けた専用そりに乗り、左右の手にスティックを持ってプレーします。
スティックはシュートやパスなど、パックを扱う他、漕ぐ動作でスレッジを移動させる役割も兼ねています。
アイスホッケーと同じ広さのリンクの中で、パックを奪い合いゴールを狙うというスピーディーな試合展開や、パラリンピック競技で唯一ボディチェックが認められていることからも、まさにアイスホッケー同様の迫力や面白さが伝わります。
また、パラリンピックでは、男女混合で行われる点も大きな特徴の一つと言えるでしょう。
バイアスロン
五輪競技と同じく、クロスカントリースキーと射撃を交互に行うバイアスロン。パラ競技では銃を背負うことはせず、コース上の射撃を行う箇所に準備されている銃を使用します。視覚障がいでの射撃は音で的を狙う「ビームライフル」で行われる。
立位、座位、視覚障害スキーでの走力と射撃の正確性という相反する能力が求められます。
スノーボード
2018年の平昌大会から正式種目に採用されました。
男女別、上肢、下肢、大腿などのカテゴリーに別れ、一人ずつが滑りタイムを競う「バンクドスラローム」、複数選手が同時に滑走し順位を競う「スノーボードクロス」が行われます。選手のテクニックやスリリングなレース展開が大きな見どころです。
まとめ
パラリンピックは、夏季大会もそうであるように、さまざまな障がいを抱えながらトレーニングを積んできた選手が高いレベルでのパフォーマンスを発揮する大会です。
特に冬季競技では、全競技で用具を使用して行われ、スキーや車椅子、ライフルなど、それぞれを駆使する技術や身体能力も見どころと言えるでしょう。
競技に挑む選手の表情も含め、冬季パラリンピックに注目していきましょう。
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