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水球の歴史・競技人口・ルール・大会【スポーツ辞典】

水の中で行うスポーツと聞けば、多くの人が真っ先に挙げるのが水泳でしょう。

ルールがわかりやすく、スピード感がある水泳は、世界的にも非常に人気が高いスポーツと言えます。

もしくは、飛び込み競技を思い浮かべる人もいるかもしれません。

選手達が高いところから華麗な技を披露して、まるで滑るようにプールの中へ飛び込んでいく姿は、一種の芸術に近いものがあるとも言えるでしょう。

そこで、水の中で行うスポーツでありながら、球技としての特性も持つ“水球”については、どれくらいの人がルールや歴史を知っているでしょうか。

名前だけなら聴いたことがあるけれど、と首を傾げる人も多いのではないでしょうか。

今回は、泳ぎと球技、二つの魅力を併せ持つ水球についてご紹介致します。

水球の起源・歴史について

水の中の球技である水球ですが、実は“水中の格闘技”と呼ばれることもある激しいスポーツでもあります。

オリンピック競技にもなったことで一躍有名になった水球の起源は、あまりはっきりとはわかっていません。

ただ、現在行われている水球に関しては、「フットボール・イン・ザ・ウォーター」という“水中ラグビー”が起源ではないかと言われています。

水中ラグビーという競技は、少なくとも1860年代には行われていたという記録が残っています。

ルールは現在の水球とは異なり、特定の地点までボールを運ぶスポーツであったそうです。反則などの規定が曖昧だったのか、とにかく“ボールを奪うためなら何でもするぞ”という選手が多く、水の中で凄惨なボールの奪い合いが行われていたのだとか。

現在の水球も“水中の格闘技”などとやや物騒な通称がありますが、水中ラグビーの激しさはそれに輪をかけたものであったようです。それもあってか、1870年にはロンドン水泳協会が、きちんとしたルールを制定するに至りました。

現在の水球、英語に直すと「ウォーター・ポロ」という名称が初めて使われた試合が行われたのが1973年のクリスタルパレス(イギリス・ロンドン)でのことだったと言います。

現在の水球は、ラグビーというよりサッカーに近いスタイルになっています。

これは1880年代に、スコットランドでトラジオン・ストロークというクロールの原型となった泳法が採用されたことがきっかけとされているのです。ゴールにボールを入れることで得点、というスタイルに変更され、このスコットランドでのルール変更が、イングランドでも普及していくことになりました。

その後アメリカにも水球は広まっていくことになりますが、アメリカにはかつてのラグビースタイルの水球も残っており、オリンピックではこちらのルールが採用された大会もあったようです。

日本における水球史について

水球が正確にいつ日本に来たのかははっきりとは分かっていません。記録に残る最も古い試合は1907年8月5日に、千葉県の館山で行なわれた第2回関東連合游泳大会だとされています。

かつて「東京高等師範学校」と呼ばれていた、現筑波大学の前身である学校と、かつて「第一高等学校」と呼ばれていた後の東京大学が熱戦を繰り広げたようです。

1915年には、初の国際試合も行われました。慶応義塾水泳部の中で結成された「ウォーター・ポロ・チーム」が、横浜の外国人クラブと試合を行っています。

また、日本が初めて水球でオリンピックに参加したのが、1932年のロサンゼルス大会でのこと。意外と思う方もいるかもしれませんが、何十年も前から日本は水球というスポーツの魅力を知る国でもあったのです。

水球と関連のあるスポーツ・派生したスポーツ

冒頭でも述べたように、やはり水の中と言えば水泳=競泳を思い浮かべる人が多いでしょう。

水泳は、子供の習い事としても非常に人気が高いスポーツであり、水と水着があればできることから世界的に見ても競技人口の多いスポーツでもあります。

子供の頃に水泳を習っていたから、学校のプールの授業で助かった。なんて人も多いのではないでしょうか。

しかし先述の歴史の項目にもあるように、かつてはラグビーとも非常に近い、関連性の深いスポーツでもあったのです。

ボールを激しく奪い合い、特定の陣地まで運ぶラグビーや、アメリカンフットボールもまた“格闘球技”と呼ばれることのある激しいスポーツでもあります。

危険と隣り合わせでもありながら、激しくぶつかりあい全力で戦う選手達の姿は、古くから多くの人々を魅了してきたに違いありません。

水球の競技人口について

日本水連によると、水球の国内競技人口は約7000人であり、うち女子は2000人程度であるとのこと。

2007年度時点での日水連・水球競技登録者数としては、4451人(男3706人、女745人)だったというデータもあります。

日本での水泳の競技人口は、公式な選手登録数だけでも脅威の約21万人とされているので、比べてみるとまだまだ水球は、メジャーなスポーツとは言えないでしょう。

しかし、オリンピックの競技として有名になりつつもあり、競技人口の増加が期待されているスポーツであるのも間違いありません。

水球のルールについて

スピーディな展開、そして華麗なチームワークがなんといっても見どころのスポーツと言えるでしょう。

プールの床に手や体がつくのは禁止行為となっているため、常に立ち泳ぎを続ける体力と技術が求められます。

よって、正式競技のプールは当然深く広く作られる必要があります。規定によれば、水深2m以上、縦が30m、幅は20mをフィールドロープによって区画し、設定されるものとされています。

試合時間は、8分×4ピリオド。チームは7名以上15名以内と定められており、実際に同時にゲーム参加できるのはゴールキーパー1名を含めた7名です。

先述したように、現在の水球はゴールにボールを入れて得点することを目的としており(一度のゴールで1点入るのもサッカーと同じです)、競技者全員がゴールラインに頭をつけた時点で、レフェリーが笛を鳴らしてゲーム開始となります。

競技中に両手や握りこぶしを使ってはいけない、ボールを保持していない選手の行動を妨害してはいけない、などの規定があり、違反するとファールとなり、悪質なものはブルータリティと言って一発退水(退場のこと)を取られることになります。

水球の国際的な大会について

国際水泳連盟によって、2002年からFINA水球ワールドリーグが開催されています。

2004年には女子の大会もスタートし、さらに盛り上がりを見せています。

水球界では、オリンピック、世界大会、ワールドカップと並んで四大国際大会として数えられることもあります。ただしワールドリーグはオリンピックと違って、毎年開催されています。

勿論、世界的に有名な国際大会として、オリンピックの存在も忘れてはなりません。

1900年の第2回パリ大会からは、夏季オリンピックの正式種目としても採用されています。

ただし、1904年のセントルイス大会は例外的に、米国式ルールが採用されたこともあり、アメリカ以外のチームは不参加という事態になりました。結果、この回は正式なオリンピックゲームとは認められていません。

2000年のシドニー大会からは、女子も正式な種目として採用されることになりました。

世界からみた日本の水球の強さのレベル

現在の水球日本代表チームは、男女ともに「ポセイドンジャパン」と言われています。オリンピックに男子は1932年から、女子は東京オリンピック2020大会から出場しています。

アジア競技大会においては男女ともに優勝、もしくは準優勝という輝かしい実績がありますが、残念ながらオリンピックでは男子が4位の成績を収めたのが最高記録となっています。

東京2020オリンピックにおいては、男子が4位、女子が9位の成績であり、未だメダルに手が届いたことはありません。

しかし、少しずつですが競技人口も増え、着実にその魅力に気づく人が増えているのは確かな事実であるようです。

まとめ

いかがでしたでしょうか。水中の格闘技とも言われる激しい競技であり、華麗なチームワークで見る人を魅了するスポーツである水球。

ポセイドンジャパンをはじめとした、多くの選手達の活躍に、ぜひ注目してみてください。



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初音

初音

おうちでまったり、頑張る人達を応援するのが好きです。

インドア派ですが、スポーツをはじめ頑張っている人達をおうちで応援してる系ライターです。子供の頃は水泳大好き少女でした。運動音痴だけどスポーツ見るのは大好きです!

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