チェイスタグをご紹介する前に触れずにはいられない、パルクールをご存じでしょうか。
障害物コース形式の軍事訓練「parcours(パルクール)du combattant」と言われるフランス生まれの「歩く」「走る」「跳ぶ」「這う」「登る」「バランスをとる」「投げる」「持ち上げる」「自衛する」「泳ぐ」この運動機能を全て使用するトレーニングと言われています。
そのパルクールにプラス鬼ごっこの要素が加わったのがチェイスタグ、追うのチェイスとタグ付けのタグで何となく雰囲気伝わりますか!?
大人の鬼ごっこの世界をどうぞお楽しみください。
チェイスタグの起源・歴史について
チェイスタグの考案者はイギリスのクリスチャン&ダミアン兄弟であるといわれています。彼らは自宅にあるベンチやブロック、ゴミ箱などを障害物にした鬼ごっこをして楽しんでいたそうです。
ただの遊びだった障害物鬼ごっこ、彼らはこれってスポーツとして世界に広がる可能性があるのではないかと考えました。
イギリスから活動を始めて、ヨーロッパやアジア、そして日本にもチェイスタグの普及活動が広がりました。そして2017年にワールドチェイスタグとして世界大会をロンドンで開催するまでに至ったのです。
日本ではボクシングの亀田三兄弟が参加して話題となった、2018年12月31日に放映された『元日決戦!フジヤマ~肉体派芸能人16人が集結!チェイスタグ予選大会SP~』テレビ番組が話題の口火を切ったとされています。
チェイスタグのルールについて
チェイスタグについてまず抑えていただきたいのは、その独特の用語です。
最初に代表的ないくつかの用語の解説をしていきましょう。
・チェイス:一回のプレーのこと
・チェイサー:追いかける人(鬼)のこと
・イヴェイダー:逃げる側の人のこと
・タグ:チェイサーが逃げる側の人をタッチして捕獲すること
・タグコート:チェイスタグをするコート、サイズは縦横12mの正方形
・クリーンゲーム™:1ゲームの間、一人の選手もタグされなかった試合のこと
・カレントタグタイム:チェイサーの選手のプレーしている時間
・ジャッキング:タグを避けるために体を前または後ろに反らす動作のこと
・ジューキング:相手を異なる方向へ向かせるための「フェイント」のこと
・タグバック™:チェイサーが前に自分をタグしたイヴェイダーをタグすること
ちなみにここにあるいくつかの用語にはTMマークがついていますよね、もっと多くの用語があるのですが、相当数TMが付いています。登録商標を得て誰もが簡単に自由に使用できないとは恐れ入りました。
では次にこのチェイスタグの4つの試合形式について触れていきましょう。
いくつかの試合形式がありますが、大前提として以下の二つの鉄則があります。
➀危険なプレーは禁止。
②タグ(タッチ)は必ず手で行い、足ではタグとみなされない。
チームチェイスオフ
・2チームで行うチーム戦。1チームは最大で6名。
・1ゲームは数セットで行われ、何チェイスで1セットとするかをゲーム開始前に合意する。(通常は10~16チェイスで行う。)
・各チェイスの制限時間は20秒間、それぞれのチームから1人のチェイサーと1人のイヴェイダーが争う。
・チェイスで勝利した選手がイヴェイターとして残り、次のチェイスも継続参戦する。
・負けた選手はチームメイトと交代し、交代した選手がチェイサーとなる。
・コートから出ると失格となり負け。
・20秒間逃げ切ったイヴェイダー若しくは20秒以内にタグしたチェイサーがポイント獲得。
・試合前に決めたチェイス数を終了した時点で得点の多いチームがそのセットの勝利となる。
マルチプレーヤー
・4名の選手が40秒間×4ラウンドを争う。
・各ラウンドは異なる選手がチェイサーとなる。
・累積タグタイムが最も少ない選手が勝者。
・コートから出てしまうとタグされたとみなされる。
・タッグバック(チェイサーが前に自分をタグしたイヴェイダーをタグすること)は禁止。
シングルチェイスオフ
・2名の選手で争い、2点以上の差をつけて最初に10点獲得した方が勝者。
・1ゲーム2ラウンド制、1ラウンドは2ピリオド。各ピリオドに一人ずつの選手がチェイサーとして最大20秒、あるいは相手をタグするまでプレーする。
・タグを成功した選手が1ポイント獲得。ラウンドを勝った選手(つまり最短時間内にタグを成功した選手)も1ポイント獲得する。
・タッグバック(チェイサーが前に自分をタグしたイヴェイダーをタグすること)は禁止。
ウィナーステイズオン
・2名以上の選手が、事前に決められたチェイス数またはラウンド数で行う。
・各ラウンドは1名のチェイサーと1名のイヴェイダーが20秒間またはタグが成立するまで続く。
・チェイスでの勝者がイヴェイダーとして次のチェイスを行う。
・1チェイスごとにタグされた選手は0ポイント、逃げ切った選手は1ポイントを獲得。
・所定の時間またはラウンドで、最もポイントを獲得した選手が勝者。
・タッグバック(チェイサーが前に自分をタグしたイヴェイダーをタグすること)は禁止。
全く理解不能な方はチェイスタグとネット検索して、まずはプレーしている動画をご覧いただくことを強くお勧めします。
チェイスタグの日本での大会や世界大会について
テレビで話題をさらったこのチェイスタグが今現在日本でどれほど広まっているのか、大会などをワールドチェイスタグの公式ページでチェックしてみましょう。
大人もチェイスタグを楽しんでいると思いますが、出てくるページは全てキッズチェイスタグというものばかり。
「第一回キッズチェイスタグ日本選手権 Presented by ひかりTV」が今年2022年1月29日(土)に京都のサンガスタジアム by KYOCERAおよび、かめおかサンガ広場にて開催されたとのこと。
また、山口県の下関市にあるMooovi下関で、『キッズチェイスタグ』のイベントを同じく2022年4/30(土)、5/1(日)に開催されました。
さて大人のチェイスタグやどこに、と思ったら世界においてはご当地イギリスで毎年チェイスタグの世界選手権が行われていました。
ページを確認すると一番古いもので2018年9月9日世界選手権シリーズWCT™3(ワールドチェイスタグ™)がロンドンのヨークホールで開催されました。
大会結果を見るとチームの名前がありますが国名は出てきません。ちなみに優勝はチームマレーロギャングでした。
その大会にはあしがるや侍と言う名のチームが参加していますが、定かではないのですがその名前からもしや日本チームだと想像しますよね。ちなみに気になるところ、WCT1、WCT2の大会はあしからず記録が拾えませんでした。
その後、2019年8月25日に世界選手権シリーズWCT™4が同じくロンドンのヨークホールで、他コンチネンタルシリーズWCTユーロ19も6月26日同会場で開催されています。ユーロは19?どんなカウントだか想像がつきませんが19回目なのでしょうか。
ちなみにWCT3で優勝のマレーロギャングは準々決勝で敗退していましたがWCT4にも参加していました。
2020年、翌2021年と定期的に大会は開催され、なんと2022年5月27日から3日間WCT™5が開催されたようです。筆者この原稿を31日に書いていますので終わったばかり。期待して結果を見ると、さすがに海外サイトでまだ更新されず。
気になる方はぜひWCTの公式ページをお訪ねください。
いずれにしてもコロナに負けず世界大会は開催されていたというのはなんだか嬉しいですね。
まとめ
このチェイスタグ、確かに大会に出るようならちゃんとした設備で練習したいところですよね。どれだけ日本にあるのでしょうか。京都や下関ではそのために準備をしたのでしょうけれども、施設が常備されていないとなかなか気軽には出来ませんよね。
WCTの公式ページには東京都江戸川区のMISSION PARKOUR PARK TOKYOが紹介されていました。そこでレッスンが受けられるようなのでお近くの方、興味がある方はぜひ足をお運びください。
だいぶ体力が落ちているシニアの筆者はゴルフ程度にとどめておきます(苦笑)お後がよろしいようで。
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