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フットバッグの歴史・競技人口・ルール・大会【スポーツ辞典】

日本には、昔から脈々と伝えられた様々な遊びがあります。

凧揚げや独楽回し、羽子板などお正月のイメージが強い遊びから、子供達の外遊びの代表である鬼ごっこまで多種多様に渡ることでしょう。

そんな日本に古くからある玩具、お手玉で遊んだことがあるという人は多いのではないでしょうか。

お手玉は昔から、男の子よりも女の子の遊びという印象が強いものであるようです。今でも祖父母の家では、おばあちゃん手作りの綺麗なお手玉が大事にされていますという人もいることでしょう。

このお手玉が、実は遥か遠くの外国から伝わってきた遊びであるということはあまり知られていません。日本人には、手で転がしたり投げたりして遊ぶイメージの強いお手玉。このお手玉とそっくりなボールを足で操り、人々を魅了するスポーツがあります。

今回はそんな、フットバッグという競技をご紹介いたします。

フットバッグの起源・歴史について

フットバッグは、別名ハッキーサックとも言います。この競技は1972年アメリカで考案されたスポーツでした。

元は膝の手術をしたジョン・スタルバーガー氏に、医師であるマイク・マーシャル氏が「靴下に豆を詰めたものを足に乗せて遊んだら良いリハビリになるのでは?」と提案したのが始まりだと言われています。

マイク・マーシャル氏は以前、軍事刑務所の囚人であるネイティブアメリカンから元となるゲームを学んだと言われています。

彼等は小さなビーンバッグ繰り返し蹴って地面からできるだけ長く離し、手と腕を除く体のすべての部分を使用することにより、別のプレイヤーに渡すという遊びをしていました。彼等が「袋=バッグをハックする」と説明したこの遊びが、現在のフットバッグの起源となったとされています。

この競技が考案されてから、彼等はどのようなボール=バッグの形にするのが相応しいかについて研究を重ねたと言います。最初の袋は正方形の形であり、豆やお米を詰めたデニム製の袋でした。

その後改良を重ね、正方形のバッグはより丸い形になり、袋はより丈夫な牛革製になり、と進化を遂げていくことになります。

日本におけるフットバッグの歴史について

足でボールを蹴る競技といえば、欧州生まれの競技であるサッカーを思い浮かべる人が多いでしょう。

しかし日本にも昔からとてもよく似た遊びがあるのをご存知でしょうか。蹴鞠(けまり)、と言えば「ああ!」と思う人も多いかもしれません。

蹴鞠は約1,400年前大和朝廷時代に、中国から日本に伝えられたといわれる球戯(きゅうぎ)の一種です。今の多くのスポーツと違って、勝ち負けがあるものではなかったようです。

かつては宮中において盛んに鞠会が催されており、平安時代中頃以降の古文書には鞠会の記述がしばしば見られるようです。

そんな日本はサッカーも盛んな国です。足を使ったスポーツを好む傾向は、蹴鞠の時代から顕著であったのかもしれません。また、お手玉にもよく似たフットバッグのボールは、日本人にとって非常に親しみやすいものだったことでしょう。

そんな日本にフットバッグが上陸したきっかけは、2003年にあのペプシコーラがペプシツイストのキャンペーンで、コーラのおまけとして“フットバッグ”のボールをつけたことではないかと言われています。

50種類以上ある、カラフルで可愛らしいデザインのフットバッグを見て初めてこの競技を認識したという人は多かったのではないでしょうか。

その後、少しずつフットバッグの存在が日本でも認知されるようになり、2004年には日本フットバッグ協会が設立されることとなりました。

フットバッグと関連のあるスポーツ

やはり、フットバッグを見て一番に連想されるのが、日本に昔からあるお手玉でしょう。

先述したように、お手玉の起源は日本ではありません。かつて欧州の遊牧民が袋に粒状の物を入れて遊んだのが始まりではないかと言われているのです。

また、古代エジプトの洞窟壁画(約4000年も昔のものだそうです)には、お手玉らしき物を投げて遊ぶ女性が描かれたものが残っており、こちらが起源ではという説もあるようです。

日本では、奈良時代に中国から伝わったとされています。かつては現在のように柔らかい球ではなく、手ごろな大きさの小石水晶を利用したことから石名取玉と呼ばれていました。実際に、聖徳太子が遊んだとされる水晶も発見されています。

現代のお手玉は、江戸時代から明治初期にかけて多く作られることとなりました。歌川広重による江戸後期の浮世絵である『風流おさな遊び』には、女の子がお手玉で遊ぶ姿が描かれています。

お手玉の遊び方は様々にありますが、一定のリズムで投げて遊ぶのが一般的であり、熟練者はジャグリングのように複数の玉を投げて技巧の上達を楽しむことができます。

フットバッグの競技人口について

日本ではまだ上陸して日が浅いフットバッグという競技ですが、サッカーのリフティングに通じるものがあり、親しみやすいこともあってか欧米を中心に大きな人気を博しているスポーツです。

その競技人口は、脅威の600万人

スポーツや競技としてのみならず、何人かで輪になって自由に蹴り合ったり、楽しくやりがいのある運動法としても多くの人々に親しまれているようで、これらがフットバッグの楽しみ方の一つなのです。

フットバッグのルールについて

フットバッグは、直径5cmほどのバッグ両足でコントロールし、技を披露する競技です。

その種類は様々存在し、バレーボールのようなコートを用いてネットを挟んでバッグを蹴りあう“フットバッグ・ネット”や、連続で蹴り続ける回数と時間を競う“フットバッグ・コンセキュティブ”、そして華麗な足技を競う“フットバッグ・フリースタイル”などがあります。

最も人気が高いのが、最後の“フットバッグ・フリースタイル”です。音楽に合わせ、まるでダンスを踊っているかのように様々な技を披露し、そのルーティンのレベル、音楽にノれているか、独自性など、フットバッグの技術を総合的に競う競技です。

ダンスとリフティングの合わせ技と言ってもいいかもしれません。

フットバッグの国際的な大会について

世界的にも人気が高まっているフットバッグは、数々の世界大会が開催されています。

2021年には、8月1日から2021年8月25日にかけてフットバッグの世界大会『IFPA Online Freestyle World Footbag Championships 2021』が開催されましたが、なんとこの大会はこの年で42回目にもなります。

残念ながら新型コロナウイルスの関係で、オンラインでの開催となってしまいましたが、19カ国から70名のプレイヤーが出場するに至りました。

世界から見た日本のフットバッグの強さのレベル

先述したように、日本にやってきてからまだ非常に日が浅いスポーツであるフットバッグ。ですが、既に世界で活躍している選手が存在しています。それが、石田太志選手です。

石田選手は2006年、2010年、2012年、2017年、2019年、2020年のJAPAN FOOTBAG CHAMPIONSHIPSで優勝。

それのみならず、2014年、2018年にフットバッグの世界大会であるWorld Footbag Championshipsでも優勝し、なんとアジア人で初の世界一に輝くという偉業を達成しました。2021年の同大会でも、『Routine(シングルルーチン)』部門にて日本人初の4位という成績を収めています。

「2003年にムラサキスポーツさんの店頭でフットバッグの映像プロモーションが行われていてそれに衝撃を受け、フットバッグを始めました」と石田選手は語っています。

新しいスポーツとの運命の出会いは、思いがけないところに存在しているのかもしれません。

まとめ

いかかでしたでしょうか。

手軽に持ち運べるボール、そして場所を選ばずに好きなところで始められるという気軽さから、その魅力に気づく人は増え続けています。

高価な道具を揃える必要もなく、ちょっとした運動から始められるスポーツですので、興味を持った方は是非挑戦してみてください。

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初音

初音

おうちでまったり、頑張る人達を応援するのが好きです。

インドア派ですが、スポーツをはじめ頑張っている人達をおうちで応援してる系ライターです。子供の頃は水泳大好き少女でした。運動音痴だけどスポーツ見るのは大好きです!

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