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剣道の歴史・競技人口・ルール・大会【スポーツ辞典】

日本の伝統的な競技の一つ「剣道」。

武士の鍛錬から生まれたこの競技は、武道としての精神的な鍛錬も技術の一環として行われます。

世界的に見て、剣道とはどのような位置付けなのでしょうか。

今回は、剣道の歴史やルール、世界的に見た日本チームの強さなども解説します。

剣道の起源・歴史について

剣道の歴史は古く、江戸時代の「竹刀稽古」がその源流といわれています。

武士の間で日頃の訓練として、防具を着用し竹刀や木刀で打ち合う稽古が竹刀稽古です。長く続く幕府の統治によって、真剣を使用する頻度が下がった武士たちの鍛錬の一つでした。

発祥国をめぐっては、他の国の似たような武術と混同され議論を呼んだこともあります。その際に、全日本剣道連盟によって「日本で育った歴史的背景を持つものを剣道とする」と定義されました。

現在では世界各国から発祥の地は日本であると認知され、英語の表記も「KENDO」として定着しています。

また、剣道は礼儀を重んじる武道のため、剣道の理念は「剣道は剣の理法の修錬による人間形成の道である」と定められている。

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日本における剣道史について

先述の通り、日本での起源は江戸時代中期にまで遡ります。

長沼四郎左衛門国郷が「打ち込み稽古法」を確立、中西忠蔵子武が防具を改良するなどし、剣術稽古として広まっていきます。そして剣道の竹刀に近い「四つ割り竹刀」が作られるようになりました。

江戸時代後期、末期になると道場での剣術稽古が盛り上がりをみせます。

江戸の三大道場」と呼ばれる玄武館練兵館士学館などが有名です。玄武館の千葉周作は、剣術を剣道技術の基盤ともされる剣術六十八手に分類しました。

明治維新で帯刀が禁止され剣道も一旦は衰退の一途をたどりますが、明治10年頃西南戦争を機に警視庁を中心に復活の兆しを見せはじめます。

第2次世界大戦敗戦時GHQにより武道は禁止されることとなりますが、戦後昭和25年に剣道のスポーツ色を強くした撓(しない)競技が開始されました。

昭和27年サンフランシスコ平和条約が発効されると全日本剣道連盟が発足、2年後に両競技団体は合併されます。

剣道と関連のあるスポーツ・派生したスポーツ

剣道と発祥を同じくする「居合道」や「杖道(じょうどう)」は、剣道と関係のあるスポーツです。

日本刀の操法に由来する居合道の歴史は古く、室町時代に起源があるとされます。

一方、杖道は17世紀初頭に創始された「神道夢想流杖」が起源。規定の術技を2組の出場者が交代で演武し審判員が勝負を判定します。居合道・杖道の流派が全日本剣道連盟に加入しています。

そのほか、子どもでも楽しめるように考案された「スポーツチャンバラ」も剣道の派生競技といえるでしょう。

竹刀の代わりとして、安全面に配慮した「エアーソフト剣」を使い、防具はアクリル製の面のみ用います。

剣道の競技人口について

剣道の日本国内における競技人口は、約170万人。

一方、世界的な競技人口は約250万人といわれています。

全世界で見ると、競技人口の半数以上が日本に集中しており、現状ではまだまだ世界的に広まっている競技とはいえません。

日本国内では10代から70代までの幅広い年代で剣道をしている人がいるものの、競技人口の割合を見ると15~20%が10代の競技者です。

学生時代に剣道をしていた人の大半が20代になるとやめてしまい、それ以降の年代では男女関係なくそれぞれ5%にまで競技者が減っています。

今後も競技として行っていくためには、日本のみならず世界的な競技人口を増やす必要がありそうです。

剣道のルールについて

剣道は剣道具を着用し、竹刀を用いた1対1の勝負が基本です。1試合は3本勝負で行い、そのうち2本を先取した方が勝ち。1本あたり5分という短時間の試合の中で有効な突打が入ると1本を取ることができます。

ただし、制限時間が過ぎるとどちらの点数にもなりません。2本が引き分けのまま進むと、1本を取った方が勝者となります。3本目に入る段階で互いに1本ずつ取っている場合は延長戦になり、その延長戦も時間切れになった場合は、主審による判定で勝敗が決まります。

剣道は反則が明確になっている競技でもあり、反則行為を行った場合審判から反則の指摘を受けます。1試合中に反則を2回指摘されると、その時点で相手に1本が入ります。ガッツポーズが武士道に反することから、反則になるというのは有名かもしれません。

また、剣道の試合には個人戦と団体戦が存在し、個人スポーツの色が強い剣道においてチームとしての総合力や戦略が問われる団体戦も非常に面白味があります。

3人制、5人制、7人制がある中で、メジャーな5人制を例にすると、先鋒、次鋒、中堅、副将、大将からなるチーム編成で上記の個人戦ルールで試合を行い、先に3勝したチームの勝利です。

これは戦略の一例です。

・先鋒に攻撃の得意な選手を配置してチームに勢いづける。
・次鋒に先鋒の試合結果によって攻守を変えられる臨機応変な選手。
・中堅はどちらかのチームがストレートに勝利していればチーム戦の勝敗が決してしまうので実力者を。
・副将は、「副将が負けなかった試合ではチームの勝率が高い」という統計も一部で出ているほど、先の3戦で不利な流れを変えられたか、有利な流れながら死守できたかなど、試合全体をコントロールできる選手が良い。
・大将は言わずもがな、最後の砦なので、チームメンバーで最も実力のある選手が多い。

ただし、相手のチームの実力が事前に分かっていたり、自チームの戦力が整っていない際など、裏をかいて逆に実力の一番低い選手を大将に配置する「捨て大将」や、中堅までの3名に実力順に配置し、大将戦まで試合をしないことによって隠し玉の選手を温存するなど、戦略は多岐にわたります。

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剣道の国際的な大会について

国際的な大会として、国際剣道連盟が3年に1回開催する「世界剣道選手権大会」が最も有名な大会です。

そのほか、世界各地で各国の剣道連盟が主催する大会が催されており、中でもヨーロッパでは剣道のほかに居合道・杖道の選手権大会も催されています。

世界から見た日本女子剣道日本男子剣道の強さのレベル

発祥国だけあり、剣道の日本男子・日本女子ともにレベルはトップクラス。

世界大会団体戦においては、初開催された1970年から2003年までは、競技人口が多い日本男子が優勝しています。

しかし、2006年には団体戦優勝を逃し、韓国にその座を譲らざるを得ませんでした。韓国は大会を重ねるごとに強さが増しており、欧米諸国も力を付けてきています。

一方、男子個人戦では第1回から現在まで日本人が優勝を重ね、一強状態です。

女子剣道の世界大会は1997年から始まり、2018年の第17回大会まで全てを団体戦・個人戦ともに優勝で飾っています。

まとめ

日本の伝統的な武道として広まった「剣道」は、今もなお日本人の心を伝える競技の一つ。

礼節を重んじる試合のスタイルで、背筋がピンと伸びるような張り詰めた緊張感が心地良い競技です。

とは言え、まだまだ世界的なスポーツとしての認知度は他のスポーツに及ばない部分もあり、これからどのように広めていくかが、盛り上げるための課題となるかもしれません。



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