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太極拳の歴史・競技人口・ルール・大会【スポーツ辞典】

太極拳は中国発祥のスポーツで、武術の流派の1つです。

体育の授業などで取り入れられることが多いサッカーやバスケットボールなどと比べると知名度は低く、取り組んだ経験がある人も少ないので、なじみが薄いのではないでしょうか。

太極拳は力を使わず柔らかく動くことを特徴とし、老若男女を問わずに行うことができる点が人気です。

今回はそんな太極拳の歴史やルールについて紹介していきます。

太極拳の起源・歴史について

その起源には諸説ありますが、中国で清王朝が隆盛を誇っていた、今から約380年前の1640年代が起源だとする説が有力です。

太極拳は中国古来、紀元前に活躍した老子孔子などの思想家の影響を受けています。

例えば「柔をもって剛を制す」「小よく大を制す」といった合理的に相手と対峙するという考え方は、太極拳をはじめとする武道の対人闘争術に通じるものがあります。

老子は「水は万物を利して争わず」、つまり水は階級に関係なくだれでも平等に利用することができるものと説きました。

力を使わず、柔らかく動く太極拳は、老若男女を問わずに誰でも気軽に取り組むことができ、生涯スポーツとして親しむことが可能である点で、こうした老子の教えとも通底するものがあるといえます。

日本における太極拳史について

日本で太極拳が普及したのは、1972年に日中共同声明が発表されて日中国交が正常化したことが大きな契機となりました。

来日した中国人教師らが太極拳を教えたり、中国で太極拳を学んだ日本人が帰国後に教えたりしたことにより普及していきました。

日本で普及が進んだ背景には、健康体操のように高齢者が場所や時間を問わずに気軽に取り組むことができたことが大きかったと思われます。

現在では、福島県喜多方市が「太極拳のまち」を標榜し、まちづくりの基本構想の中に太極拳を取り入れています。

職場や学校で太極拳の実施を推進し、シンボルマークやロゴを作成するなどして地域振興にも活用しています。

太極拳と関連のあるスポーツ・派生したスポーツ

太極拳は、中国では気功の一種だとされています。

どちらも体を柔らかく動かすことなどにより、悪い「気」を身体の外に排出して良い「気」を溜め、その気を身体全体に巡らせることを目的としています。

太極拳の競技人口について

公益社団法人日本武術太極拳連盟によると、日本における太極拳の愛好者は2014年4月現在、約150万人とされています。このうち男性が約3割、女性が約7割ということです。

大会に出場するなど、競技スポーツとして太極拳に取り組んでいるのは同月現在、約7万人です。すでに全国47都道府県に統括団体が存在し、普及や振興に取り組んでいます。

国が主催する「全国健康福祉祭(ねんりんピック)」では1993年から正式種目に採用されています。

太極拳のルールについて

太極拳は自分の競技レベルを考慮し、適切な難易度の動作を組み合わせて全体の演技を自分で構成します。

採点は3つの項目について、10点満点で行われます。「動作の質とそのほかのミス」について3人の審判員が5点満点で、「演技レベル」について3人の審判員と審判長の計4人が3点満点で、「難度動作」について3人の審判員が2点満点で採点します。

以前は1人の審判が1人の選手を10点満点で採点し、5人の審判員のうち最高点と最低点を除いた3人の審判員の平均値を得点としていましたが、人為的なミスを防ぎ、より客観性の高い採点制度とするために現在の制度に改正されました。

太極拳の国際的な大会について

競技スポーツとしての太極拳の普及も進んでおり、世界選手権や日本選手権などの大会も開かれていますが、2021年に開かれた東京オリンピック・パラリンピック競技大会までに正式競技として採用されたことはなく、一般的に認知度が高いとはまだまだ言えないのが現状です。

国際統括団体である国際武術連盟を中心に、五輪・パラリンピックの正式競技への採用に向けた活動が展開されています。

ただ、アジア競技大会では1990年の北京大会から正式競技として採用され、2018年のインドネシア・ジャカルタ大会でも正式競技となっています。

世界から見た日本の太極拳の競技レベル

太極拳世界大会に出場し、金メダルを獲得した選手もいます。競技レベルは比較的高いといえそうです。

2022年11月には東京でワールドカップが開催されることになっており、自国開催に向けて競技力の向上に一層取り組んでいます。

まとめ

太極拳は健康体操の1つとして、日本でも高齢者を中心に愛好されています。健康志向が高まる中、今後も一定の普及、振興が見込まれます。

一方で競技スポーツの面からみると、サッカーや野球のように気軽に地域で幼少期から取り組むことができる機会は少なく、より一層の普及や発展には課題もあります。

今後、競技団体が目指す五輪・パラリンピックで正式競技に採用されるためには、中国や日本などのアジア以外の地域でも普及や認知が進むことが必要になってくるでしょう。



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