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チュックボール【スポーツ辞典】

また随分と聞き覚えのない馴染みのないスポーツを見つけてきました。

チュックボール、チュックって何語?何の意味?ボールとあるからには球技なのでしょう。そんな推測もしながらチュックボールを皆さんと一緒に見ていきましょう。

チュックボールの起源・歴史

1970年、今から50年前にスイスの生物学者であるH・ブランド博士が『チーム・ゲームの科学的批判』と言う論文を世に出しました。

従来のゲームは『平和的ではない』と批判をしたのです。

平和的なゲームを目指して生まれたのがこのチュックボールと言われています。

その理論をもとに生まれたチュックボールは、ボールを奪い合うことや、相手チームのプレーを妨害することを禁止したチーム・ゲームなのです。

現在では、イギリスやフランス、スイス、スペイン、台湾などで広く楽しまれており世界大会も開催されています。

日本には1980年に台湾師範大学の方瑞民教授より紹介されたとされています。

翌年の1981年には日本チュックボール協会が設立され、日本代表は国際大会において上位の成績を収めているそうです。

チュックボールのルール

基本ルール

チュックボールはハンドボールによく似ており、弾力のあるネットにボールをシュートし合うシンプルな競技です。しかし、通常の球技のようにボールをシュートして得点が入るのではなく、ネットから跳ね返ったボールをディフェンス側がダイレクトにキャッチしなければならないとされています。

ディフェンスがボールのキャッチに失敗するとシュートしたチームに得点が入ると言う少し風変わりな球技です。(キャッチしたら得点ではないのか!?と違和感満点です)

ボールのパス、キャッチ、シュートなどはハンドボールそのものですが、ドリブルはありません。

特徴的なのはパスカットなど相手チームへの妨害行為を全て禁じられているところでしょうか。ここが平和的スポーツの象徴なのかもしれません。

用具

①ボール
ハンドボール3号球(直径19cm、重さは425~475g)を使用。

②ネット
見た感じはトランポリンを小型にしたような器具で、ネットはゴム製で鉄枠に強く張られている。大きさは95~100×95~100㎝の正方形。移動しないように土や芝の上で行う場合は、付属のペグ(杭)で固定する。体育館などでは、ガムテープやマットなどで固定する。

③コート
ネットを一つで行うワンネット制のコートの大きさ15-20m×15-20mの正方形。
ネットを二つで行うツーネット制のコートの大きさは30-40m×15-20mの長方形。

ハンドボールのコートサイズが横40m×縦20mとされているので、ツーネットのコートはハンドボールと同等な大きさになります。

具体的なルール

①人数

ワン・ネット制:1チーム6名(交替要員は3名まで)

ツー・ネット制:1チーム9名(交替要員は3名まで)

最小催行人数として1チーム試合開始時に4人以上が必要。3人以下になると試合は成立しない。

②進め方

a.スローインされたボールを3回パスする間にネットにシュートする。

b.シュートすることだけでは得点にはならない。

c.ディフェンス側のチームは、はね返って来たボールをノーバウンドでキャッチしなければならない。

d.キャッチに失敗したら、シュートしたチームの得点となる。

e.ディフェンスがキャッチに成功したら、得点にならずディフェンス側のチームが今度はオフェンス側になる。

f.相手のパスを妨害、パスボールを奪うことは禁止されている。

g.試合は3ピリオドで行われ、各ピリオドの間にインターバルとして5分休憩。

h.1ピリオドの時間は、中学生以上男子15分、中学生以上の女子と小学生男子、高齢者は10分、小学生女子は7分。

シュートをスムーズに得点にするコツは、はね返ったボールをキャッチされないように角度をつけたりし、跳ね返るボールの方向を予測し難くすること。

逆にディフェンスがシュートボールをキャッチするコツは、シュートされたボールの跳ね返る方向を予測してポジションすることです。

そう考えるとシュートもキャッチも頭脳プレーが要求されますね。

チェックボールの日本での大会や世界大会について

チュックボールの競技人口は世界で約50万人いると言われています。日本での競技人口は1,000人程度とまだまだ少ないものの、マイナースポーツだからこその世界デビューができる可能性を秘めているスポーツとも言えます。

日本での大会や世界での大会の記事や情報もまだまだ少ないのですが、日本チュックボール協会のホームページをチェックすると全日本規模の大きな大会はジャパンカップ全日本選手権と2つの大会があるようです。

歴代優勝チームを見てみると愛知県の豊山クラブ、群馬県の前橋クラブが大勢を占めているようで、他、沖縄のチームや東京のチーム、福島のチームも見受けられます。

ちなみに情報のとれる範囲では2019年10月26日/27日に「第15回チュックボールジャパンカップ」が群馬県前橋市で開催され、福島の瀬上チュックボールクラブが2度目の優勝を果たしたとされていました。

全日本選手権が3月、ジャパンカップが10月に開催され、なんと毎年のように優勝を誇る愛知県豊山では豊山町民チュックボール大会が12月に開催されています。

強豪たる所以はここにあるのでしょうか。

さて世界に目を向けてみましょう。

世界大会の記事も何とか見つけることができました。世界でも行われている証ですね。

少し古いのですが、バリ島サヌールで「世界ユース・ビーチ・チュックボール大会2017」が開かれたとされており、シンガポールと中国が決勝戦を行い、中国が優勝したそうです。同じ年には韓国で東アジア選手権が開催されたそうで、日本チームは参加6チーム中、2勝3敗で第4位だったそう。優勝は台湾、準優勝はマカオ、3位は香港、5位は韓国A、6位は韓国B、世界のみならずアジアの壁も高そうです。

まとめ

最新の情報が入手できず、コロナ禍でチュックボールがどうなっているのか少し心配ではありますが、想像するに激しいボディタッチはなくともゴール?いやネット前でのシュートとキャッチの攻防の頭脳戦は見応えがありそうですね。

恐らく愛知県豊山、群馬県前橋に行って住民の方々にインタビューしまくればきっとどこかの体育館で練習している風景に出会えるかもしれません。

これからも最新の情報をキャッチすべくチェックを欠かさないと誓う筆者でした。



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すぎさくしゃちょー

すぎさくしゃちょー

年々涙腺が緩くなるCEOスポーツライター

スポーツ選手のセカンドキャリアアドバイザー。 スクールウォーズとルーキーズを観ると涙が止まらない55歳。 人財測定コンサルタント/メンタルトレーナー/ブランド・プランナーなどの資格を保有しています。

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