2023年大会で第52回となる世界体操(世界体操競技選手権)。
ベルギーのアントワープで9月30日から開かれるこの大会、実は始まったのが1903年という歴史ある大会です。
つまり世界体操は今回でちょうど100周年。
しかも第1回大会が開かれたのは、今回と同じアントワープなのです。
では歴代の世界体操の開催地はどこだったのでしょうか。
今回は、世界体操の開催地一覧をご紹介。
記憶に残る大会がどこで開かれていたのかも振り返ります。
【世界体操】歴代開催地一覧
まずは世界体操の開催地一覧。
世界体操は時期によって、2年に1度や4年に1度の開催だったこともあります。その移り変わりとともにご紹介します。
2年に1度
世界体操が始まった1903年大会の参加国はベルギー、フランス、ルクセンブルク、オランダの4カ国のみ。
それからしばらくの間、世界体操は2年に1度の間隔で開催しています。
第1回・1903年:ベルギー/アントワープ
第2回・1905年:フランス/ボルドー
第3回・1907年:チェコスロバキア/プラハ
第4回・1909年:イタリア/トリノ
第5回・1911年:ルクセンブルク/ルクセンブルク
第6回・1913年:フランス/パリ
4年に1度
第一次世界大戦による中断を挟んで、世界体操は復活。
以後は夏季オリンピックの中間年に開催される4年に1度の大会となりました。
この間隔は、第二次世界大戦による中断の後も継続。1974年まで続きました。
第7回・1922年:セルビア・クロアチア・スロベニア王国/リュブリャナ
第8回・1926年:フランス/リヨン
第9回・1930年:ルクセンブル/ルクセンブルク
第10回・1934年:ハンガリー/ブダペスト
第11回・1938年:チェコスロバキア/プラハ
(第二次世界大戦による中断)
第12回・1950年:スイス/バーゼル
第13回・1954年:イタリア/ローマ
第14回・1958年:ソ連/モスクワ
第15回・1962年:チェコ/プラハ
第16回・1966年:ドイツ/ドルトムント
第17回・1970年:ユーゴスラビア/リュブリャナ
第18回・1974年:ブルガリア/ヴァルナ
2年に1度が復活
第19回大会からは2年に1度の開催が復活します。
第19回・1978年:フランス/ストラスブール
第20回・1979年:アメリカ/フォートワース
第21回・1981年:ソ連/モスクワ
第22回・1983年:ハンガリー/ブダペスト
第23回・1985年:カナダ/モントリオール
第24回・1987年:オランダ/ロッテルダム
第25回・1989年:ドイツ/シュツットガルト
毎年開催
第26回大会からは毎年開催に。
1992年、1996年にはオリンピックと世界体操の両方が開催されました。
第26回・1991年:アメリカ/インディアナポリス
第27回・1992年:フランス/パリ
第28回・1993年:イギリス/バーミンガム
第29回・1994年:オーストラリア/ブリスベン
第30回・1994年:ドイツ/ドルトムント
第31回・1995年:日本/鯖江
第32回・1996年:プエルトリコ/サンフアン
第33回・1997年:スイス/ローザンヌ
第34回大会以降は、夏季オリンピックがない年に毎年開催される大会に。
以後はオリンピックか世界体操のどちらかが毎年開かれることになりました。
第34回・1999年:中国/天津
第35回・2001年:ベルギー/ヘント
第36回・2002年:ハンガリー/デブレツェン
第37回・2003年:アメリカ/アナハイム
第38回・2005年:オーストラリア/メルボルン
第39回・2006年:デンマーク/オーフス
第40回・2007年:ドイツ/シュツットガルト
第41回・2009年:イギリス/ロンドン
第42回・2010年:オランダ/ロッテルダム
第43回・2011年:日本/東京
第44回・2013年:ベルギー/アントワープ
第45回・2014年:中国/南寧
第46回・2015年:イギリス/グラスゴー
第47回・2017年:カナダ/モントリオール
第48回・2018年:カタール/ドーハ
第49回・2019年:ドイツ/シュツットガルト
第50回・2021年:日本/北九州
第51回・2022年:イギリス/リバプール
第52回・2023年:ベルギー/アントワープ
2024年以降
2024年はパリオリンピックが開催されるため世界体操はありません。
そしてそれ以降の開催地は次のように決まっています。
第53回・2025年:アメリカ/ニューオーリンズ
第54回・2026年:オランダ/ロッテルダム
日本での開催は過去に3回。近い将来には再び日本が開催国となるかもしれません。
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【世界体操】記憶に残る大会
体操王国とも呼ばれてきた日本。
世界体操でも華々しい活躍を見せてきました。
特に記憶に残る場面がどの開催地だったのかを振り返ります。
1962年プラハ大会
1962年にチェコのプラハで行われた世界体操で日本の男子は団体総合で初の金メダルに輝きました。
相原信行、遠藤幸雄、小野喬、三栗崇、山下治広、鶴見修治というメンバーで挑んだこの大会は、体操ニッポンの黄金期を支えた山下治広(現・松田)選手が、跳馬のオリジナル技「ヤマシタ跳び」を世界初披露した舞台でもあります。
ここから黄金期を迎えた日本の男子体操は、世界体操で1978年のストラスブールまで5連覇を達成。
さらに19年間で五輪、世界体操の団体総合で通算10連勝といういまだ破られない偉業も成し遂げました。
2009年ロンドン大会
2008年の北京オリンピックで個人総合の銀メダルを獲得していた内村航平選手が躍動したのが、2009年の世界体操ロンドン大会です。
個人総合決勝では床、跳馬、吊り輪、鉄棒の4種目で1位の得点を記録。
トータル91.500で2位に2.251点の大差をつけて初優勝を達成しました。
20歳での金メダル獲得は日本史上最年少。
以後、内村選手は2015年のグラスゴー大会まで個人総合6連覇を達成します。
2015年グラスゴー大会
内村選手が6連覇を達成したグラスゴー大会のもう一つのトピックは、日本の男子団体37年ぶりの金メダルです。
床、あん馬で好スタートを切り、跳馬で引き離した日本ですが、平行棒、鉄棒の落下で地元イギリスに迫られる展開に。
最終的には金メダルを獲得しましたが、苦い勝利でもありました。
しかしこの結果が、翌年のリオオリンピックの男子団体金メダルにつながったのです。
まとめ
選手として活躍できる期間が短い体操競技。
ほぼ毎年開催される世界体操とはいえ、連覇は難しいと言われています。
2023年大会でその連覇に挑むのは、橋本大輝選手。
橋本選手は昨年のリバプール大会で個人総合の金メダルを獲得しています。
100周年を迎えて第1回の開催地に戻ってきた世界体操。
次の100年にはどのようなドラマが生まれるのか、今後も楽しみは尽きません。
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