「野球のバッティング上達のコツはマネをすること」とよく言われます。
それはある意味では正しいのですが、バッティングのフォームは十人十色。
基本を理解せずやみくもにマネをすると、間違った打ち方になってしまいがちです。
今回は、バッティングの基本と、それを身につけるためのコツをご紹介します。
【野球】バッティングの6つの動き
バッティングの動きを説明するためには、6つのパートに分けると理解しやすくなります。
その6つとは、構え・テイクバック(乗せ)・トップ(運び)・スイング(振り出し)・インパクト・フォロースルーです。
バッティング全体を見ると個性的なフォームの人が多くても、実は1つ1つの動作では基本となるポイントを押さえていることがほとんど。
その基本と、身につけるためのコツを順に解説します。
【野球】バッティングの構えの基本
構えの基本は、足を肩幅に、打席の縦の線と並行に構えるスクエアスタンス。
バットを握るグリップは肩の高さで、45度寝かせます。
構えのコツ
構えの基本は上記の通りですが、これが基本になっているのは、最もリラックスして力まない構えだから。
リラックスしてどんなボールにも瞬時に対応できることが重要で、足の幅やグリップの高さを守ることが大切なのではありません。
自分が最もリラックスして素早く動き出せる姿勢を見つけることがコツとなります。
【野球】バッティングのテイクバック(乗せ)の基本
初心者は手や腕の力だけで振る「手振り」になりがちですが、バッティングの基本は、下半身から振るということ。
下半身に溜まったパワーが回転運動になって上半身に上がっていって、腰から最後にバットに伝わるというイメージで振ります。
そのためにまず重要なのが、後ろ足に体重を乗せることです。
テイクバック(乗せ)のコツ
バッティングという技術の特徴は、打つタイミングは自分では決められず、ピッチャーの投げるボールに合わせるということ。
そのため体重を後ろ足に乗せて力の溜まった状態で「待つ」必要があります。
フラフラせず安定したテイクバックにするには、後ろ足の股関節に体重を乗せるのがコツ。
グリップを後ろに引いて溜めを作りながら、安定して片足に体重を乗せ続けられるよう練習してください。
【野球】バッティングのトップ(運び)の基本
「運び」とは、前側の足をさらに前に踏み出す動作のこと。
このとき大きく踏み出すほど安定した姿勢になりますが、腰の回転は鈍くなり、バットスイングは遅くなります。
逆に小さく踏み出せば腰の回転は鋭く、バットスイングも速くなりますが、不安定になります。
一般的にミート重視なら踏み出す幅は大きく、長打狙いなら狭いステップ幅になるのが基本です。
トップ(運び)のコツ
最適な運びには個人差がありますから、自分に合った踏み出し幅を見つける必要があります。
運びの幅やステップの方向などは、いろいろな人のマネをしてみるのがコツ。
その中で自分に合ったものが見つかったら、そこからは幅と方向は変えず、毎回同じになるようにします。
運びが安定しないと上半身の動きにもズレが出続けますから、安定させるのがコツです。
【野球】バッティングのスイング(振り出し)の基本
スイングにはアッパースイング、ダウンスイング、レベルスイングがありますが、基本は地面と水平なレベルスイングです。
レベルスイングはピッチャーから飛んでくるボールの軌道とほとんど同じ軌道で振ることになるため、ミートしやすくなります。
スイング(振り出し)のコツ
初心者にありがちなのは、バットを振ろうと意識してヘッド主導で振り回す、いわゆる大振りのフォーム。
正しいスイングは、ボールにグリップエンドをぶつけるように出すのがコツです。
こうして肩口からバットを出すことでコンパクトに鋭いレベルスイングができ、さまざまなコースに対応できるようになります。
【野球】バッティングのインパクトの基本
インパクトは最も重要な瞬間で、最大限の力をボールに加える必要があります。
体の前で当てるのがインパクトの基本。
これによって体重を乗せてボールを打つことができます。
ただし前で打つことを意識して後ろの腕が伸びきってしまうと、上手く力が発揮できません。
後ろ肘は少し曲げた状態にすることで、押し込むパワーをボールに乗せます。
インパクトのコツ
インパクトの瞬間にボールの勢いに負けないためのコツは、前の手の小指側に力を入れることです。
ボールに当たるまでは力を抜いておき、インパクトのときだけ、手全体ではなく小指側でグッと握ることで瞬間的に強い力を加えるのです。
力を発揮するためには、インパクトに合わせて息を鋭く吐き切るのもコツです。
【野球】バッティングのフォロースルーの基本
スイングは大振りではなく、コンパクトにするのが基本。
しかし最後までコンパクトを意識すると、窮屈なスイングになってしまいます。
コンパクトにするのはインパクトまでで、フォロースルーは大きく振り抜くのが基本です。
フォロースルーのコツ
フォロースルーを大きくするコツは、後ろ側の手で強く押し出すこと。
打った後にバットをさらに押し込むイメージで力を加えます。
ボールが離れた後なので関係ないようにも思えますが、これを意識して行うとインパクトのときにも力が加わったフォームになるのです。
まとめ
今回はバッティングの基本とコツをご紹介しました。
重要なのはこの基本をベースに、自分に合ったスイングを見つけていくこと。
トスバッティングをすれば、最もよく飛ぶスイングやミートポイントを効率的に見つけることができます。
さらに、絶好球だけでなく、コースごとに自分に最適なスイングを見つけて、それを繰り返すこと。
地道なようですが、それが上達への近道になるはずです。
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