ボディビルの競技会では、ムキムキのボディビルダーたちがさまざまなポーズで筋肉を披露します。
皆が同じようなポーズを順に見せていきますが、ポーズは何種類くらいあり、どのような意味があるのでしょうか。
今回は、ボディビルのポーズをご紹介。
大きく2つに分けられ、その中にさまざまな種類があるポージングの基本やコツ、それぞれのポーズでボディビルダーが特に意識している筋肉群を解説します。
【ボディビル】ポーズとは
そもそもボディビルの大会ではなぜ決まったポーズを取るのでしょうか。
そしてその種類はどれくらいあるのでしょうか。
ポーズの目的
ボディビルでは、筋肉量のことをバルク、脂肪がとれて筋肉が良く見えるかどうかをディフィニッションまたはカットと呼びます。
そしてこの2つに全体のプロポーションを合わせた3点で優劣を審査。
バルク、カット、プロポーションが審査員にもよく見えるように、また最大限アピールできるように編み出されたのが、それぞれのポーズなのです。
ポーズの種類
ボディビル大会で審査されるポーズは12種類。
大きく分けると、4種類のリラックスポーズと8種類の規定ポーズに分けられます。
【ボディビル】リラックスポーズ
リラックスポーズは、自然体の筋肉の仕上がりを見せるポージングです。
リラックスという名前ですが、実際にはリラックスとは無縁。
全身の筋肉にしっかり力を入れて極限までデカく見せています。
フロントリラックス
フロントリラックスは、正面を向いて両腕を軽く開き、広背筋を大きく広げたポーズです。
身体の正面の筋肉全体を見せるポーズで、脚の筋肉にもしっかり力を入れることが重要。特に大腿四頭筋と広背筋、外腹斜筋を意識しています。
サイドリラックス左側
サイドリラックスの左側は、頭と下半身が左を向いたまま、上半身だけをひねって正面を向くポーズ。
両腕を軽く開いて広背筋を大きく広げ、主に身体の左側面の筋肉を見せます。
立体的に美しく見せるため、特に大腿四頭筋と外腹斜筋、上腕三頭筋を意識しています。
バックリラックス
バックリラックスは、後ろ向きに立ち、両腕を軽く開いて肩甲骨を広げるポーズ。
身体の背面の筋肉を見せるため、特に広背筋と大殿筋、上腕三頭筋を意識しています。
サイドリラックス右側
サイドリラックス右側は、サイドリラックス左側とは反対側の側面を見せるポーズ。
このように、ステージに上がったらフロントリラックスポーズから1/4回転ずつ回り、サイドリラック左側、バックリラックス、サイドリラックス右側という順に披露していくことになります。
ただし、司会の合図が「ターンライト」の場合と「ターンレフト」の場合があり、回転が逆になることも。
間違えると恥ずかしいため、注意が必要です。
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【ボディビル】規定ポーズ
規定ポーズとは、特に見せるべき筋肉に極限まで力をいれて各部位のデカさやカットをアピールするポーズです。
それぞれのポーズが審査員から見て最も美しく、筋肉がデカく見えるよう角度などを工夫します。
フロントダブルバイセップス
フロントダブルバイセップスは、いわゆるガッツポーズ。
上腕二頭筋を強調するポーズです。
腕の筋肉だけに集中しがちですが、逆三角形の体型や、腹筋、身体全体のバランスもチェックされます。
そのため身体の正面の筋肉全体に力を入れることが重要。
忘れがちな大腿四頭筋も意識する必要があります。
フロントラットスプレッド
フロントラットスプレッドは、背中の筋肉を左右に大きく広げて横幅を見せるポーズ。
背中の筋肉で上半身を広く見せることがポイントですが、息を大きく吸い込んでお腹をへこませ、大胸筋を広げるのもポイントになります。
サイドチェスト
サイドチェストは、斜め横向きになって審査員側の腕を曲げ、反対の手でつかんで胸を張るポーズ。
胸の厚みを横から見せるポーズですが、胸だけでなく腕・太もも・肩の筋肉など、身体の厚みを強調することが重要です。
腕や胸だけでなく、膝を少し曲げて脚全体にもかなり力を入れています。
バックダブルバイセップス
バックダブルバイセップスは、フロントダブルバイセップスを後ろ向きで見せるポーズ。
上腕二頭筋に加えて背中から上腕にかけての筋肉、お尻や太もも、ふくらはぎの筋肉など、背面全体の筋肉をチェックされます。
広背筋、三角筋、上腕二頭筋を意識することが重要です。
バックラットスプレッド
バックラットスプレッドは、フロントラットスプレッドを後ろ向きで見せるポーズ。
背中の筋肉を広げ、V字の美しさをアピールします。
脚の後ろ側もチェックされるため、大殿筋とハムストリングスもしっかり意識しているはずです。
サイドトライセップス
サイドトライセップスは横向きで腕を後ろに組み、上腕三頭筋をアピールするポーズ。
腕を体に押し付けることで上腕三頭筋の太さと美しさを強調します。
横を向くため腹斜筋が強調されるのも特徴。
上腕三頭筋だけでなく、大胸筋や腹筋、外腹斜筋も意識しています。
アブドミナルアンドサイ
アブドミナルアンドサイは、頭の後ろに手を組んで腹筋と脚の筋肉をアピールするポーズ。
腹筋の脂肪の絞り具合と脚の筋肉の大きさをチェックされます。
キレキレの腹筋と太ももに見せるために腹筋と大腿四頭筋を意識。
特にお腹を曲げずに腹筋に力を入れるのがポイントです。
モストマスキュラー
モストマスキュラーは「最も力強い」という意味で、両腕を体の前で輪を作るように曲げ、少し前屈みで最大限に力むポーズ。
主に肩から腕にかけての筋肉をアピールしますが、他にアピールしたい部位があるボディビルダーはポーズをアレンジします。
なおこのモストマスキュラーは、NBBF(日本ボディビルディング連盟)の大会審査には入っていすが、JBBF(日本ボディビル・フィットネス連盟)の大会審査には入っていません。
まとめ
ボディビルの大会では、バルク、カット、プロポーションに加えてポージングの美しさも審査対象となります。
審査基準は筋肉50%、均整30%に対して表現能力も20%。
ポージングが勝負を決めるポイントにもなるため、ボディビルダーは筋肉をデカくするだけでなく、ポージングの技術も日々磨いているのです。
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