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【闘牛士】その文化と知られざる一面をご紹介!奥深いその魅力とは

スペイン文化といえば、多くの人が真っ先に思い浮かべるのがフラメンコ、そして闘牛ではないでしょうか。
闘牛はスペインの国技。スペインの伝統文化として大切に守られています。
その象徴と言えるのが、華やかな衣装に身を包んだ闘牛士。
闘牛士は赤い布を振って牛の突進を華麗にかわす危険な職業というイメージがありますが、実は別の意味でも厳しい職業なのです。
今回は、スペインの闘牛士を解説。
その歴史と文化、魅力と影に迫ります。

【闘牛士】歴史と文化

長い伝統を持つ闘牛。
しかしその歴史には多くの謎が残されています。

歴史

闘牛の起源としてこれまで提唱されてきたのは、「イスラム起源説」、「ローマ起源説」、「牡牛信仰起源説」、そして「イベリア起源説」でした。
イスラム、ローマ、牡牛信仰はどれも千年以上の歴史をもつという説ですが、
近年は否定する意見が増加。イベリア起源説が最有力となっています。
これは11世紀から12世紀に馬上の騎士の訓練として牛と戦ったのが始まりというもの。16世紀から徐々に様式化され、18世紀に牛追い祭りなどの民衆闘牛と融合して現在の闘牛が生まれたとされています。
ここで重要な役割を果たしたのがセビーリャの屠殺場。ここでは屠殺の際に牛を走らせ、角を避けながら刺殺して見物人を楽しませていました。
ここから馬に乗らない闘牛が発展したというのです。
ところがさらに近年になって、17世紀のセゴビアという街ですでに闘牛の興行が行われていたという事実が判明。しかも現在の闘牛の形式にかなり近いものだったことも分かりました。
このように闘牛の発祥についてはまだ確定していない部分や謎も多いのです。

文化

闘牛は牛と人間の闘いと思われがちですが、文化的にはそれは間違い。
スペイン文化では、闘牛はダンスであり芸術であるとされています。
スペインの目の肥えた観客が注目しているのは、槍を刺され、銛を撃たれた牡牛と闘牛士の踊りのような動き
闘牛のファンは「1年に数回だけ、心の底から感動する闘牛が見られる」と言います。
そのように芸術的な闘牛を見せた闘牛士には褒美として牛の耳を贈るのが伝統。さらに称賛される内容なら耳2枚、それ以上なら耳2枚と尻尾1本が贈られます。
一方、勝ち負けのあるスポーツではないため、闘牛では登場した牛は必ず殺されるという決まり。解体されて次の日の市場に並ぶことになります。
それはルーツのひとつである屠殺を芸術化したものだから。
そのためスペインの人々は闘牛士をアーティストとして崇める一方、他の国の多くは闘牛を「残虐だ」と非難しているのです。

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【闘牛士】闘牛の流れ

日本人にはあまり馴染みのない闘牛と闘牛士。
闘牛士という職業だけでも、日本人にはほとんど知られていない事実がいくつもあります。

闘牛士とは

闘牛士は牛の攻撃を赤い布でよける人というのが一般的な認識。
もう少し詳しい方なら、牛をよけてから剣で突き刺すというイメージを持っているかもしれません。
しかしそれをしているのは、闘牛士の中のごく一部の人なのです。
実際には闘牛士は1頭の牛に対してチームで闘います

マタドール:1名・正闘牛士
ピカドール:2名・馬上から槍を刺す闘牛士
バンデリリェーロ:3名・銛を撃つ闘牛士
ノビリェーロ:複数・見習い闘牛士

1日の闘牛では、3チームが各2頭の牡牛と闘うのが一般的です。

闘牛の流れ

闘牛には一連の流れがあり、鑑賞する際にはその流れを押さえておくことが大切です。
①パセイーリョ
入場行進。楽団がパソドブレを演奏し、マタドール、ピカドール、バンデリリェーロの順で入場行進を行ないます。
②牛の入場
音楽が止まると牛が飛び出してきます。
牛は4歳の牡牛で体重は500kg前後。このときに牛の習性を見極めます。
弱りすぎや闘志のない牡牛だと観衆からブーイングが出て牡牛を交換することも。
その際は数頭の乳牛を場内に入れ、牛飼いが合図をして乳牛を外に誘い出します。すると牡牛もつられて帰っていくのです。
③テルシオ・デ・カバリョ
闘牛が開始されると、まずは馬に乗ったピカドールが登場。
牛が馬に突進し、角を突き立てようとした瞬間を狙って、筋肉が集中する肩甲骨の隆起部分を刺し、弱らせます。
④テルシオ・デ・バンデリーリャ
続いて銛を持ったバンデリリェーロが登場。
突進を続ける牛の攻撃を巧みにかわしながら接近し、紙飾りの付いた2本の銛を3回(計6本)、ピカドールと同じ場所に突き立てます。
⑤マタドールの登場
最後にマタドールが登場。
モンテラと呼ばれる帽子を取り、牛を捧げる相手に渡します。
肩越しに帽子を放り投げたら観客全員に捧げるという意味です。
⑥テルシオ・デ・ムレタ
マタドールの持ち時間は15分。ムレタという赤い布を振って華麗に牛をあしらいます。
このムレタの中には隠された剣が。
牛の頭が下がったところでマタドールは剣を取り出し、とどめを刺します。

まとめ

命懸けの職業であり、芸術家とも言われる闘牛士。
マタドールが第1級闘牛場での闘牛に出た場合の収入は100万円ほどで、ごく一部の有名闘牛士は1度に数千万円を稼ぐと言われています。
しかしほとんどの闘牛士は見習闘牛士から昇格できず、もしマタドールになれてもそれだけでは生活できないのが実情。
ボクシングと同じように、闘牛士も頂点に上りつめた人だけが名誉とお金を手に入れられる厳しい世界なのです。

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