スポーツと言えば、体を動かすものというイメージが強い人が多いかもしれません。
しかし、近年は頭を働かせて勝利を勝ち取る、いわば頭脳のスポーツも注目を集めつつあります。
オセロもまたその一つですし、他にもチェスや将棋、囲碁、あるいはポーカーなどといったカードゲームも頭脳のスポーツとして数えられます。
今やスポーツの幅は非常に広く、様々な人が多方面で活躍できる時代になりつつあるのです。
そんな中、日本ではあまり知られていない、とても奥深い頭脳のスポーツがあることを皆さんはご存知でしょうか。
今回はそのボードゲーム、チェッカーについてご紹介いたします。
チェッカーって、どんなボードゲーム?
そもそもチェッカーと言われてもなんなのかさっぱり、という人は多いかもしれません。
正式名称はアメリカンチェッカー、ストレイトチェッカー、イングリッシュチェッカーなどと言います。
ドラフツ、西洋碁、なんて名前で呼ばれることもあるようです。
ここでは日本で一番知られている、イギリス式チェッカーのルールをご紹介します。
使用する道具は、縦横8マスのチェック柄のボードと、赤と黒12個ずつの円い駒です。
ボードは黒っぽいマスと白っぽいマスのチェック柄になっているのですが、イギリス式のチェッカーの場合はこの黒っぽいマスのみを使用します。
初期配置においても、駒は全て黒っぽいマスにのみ並べられることになります。
このゲームはオセロやチェスとおなじく1対1の対戦形式となっています。
初期配置では、お互いの前から3マス目までの黒いマスに、それぞれの赤い駒と黒い駒を並べます。
駒を並べたら、いよいよゲームスタートです。
お互いに1回につき1つの駒を動かし、互いのターンを交代しながらゲームを進めていくところはチェスと同じでしょう。
ただし、チェスと違ってチェッカーの駒に複数の種類はありません。
そういう意味では、オセロと似た感覚のゲームだと感じる人も多いかもしれません。
駒は、基本的には斜め前に1マスずつしか進めません(後述のキングとなった駒は例外です)。
後ろに進むことはできないので注意が必要です。
自分のターンに、自分の駒ならばどれを動かしても問題ありませんが、もちろん“動かせる条件下にある駒ならば”の前提になります。
というのも、例えば初期配置では一番プレイヤーに近い列の駒は、斜め前に自分の駒がいるので動かすことができません。
駒は特定条件下では“ジャンプ”を発動することができます(正確には、ジャンプできる状態の駒は必ずジャンプをしなければなりません)。
それは、自分の斜め前に、相手プレイヤーの駒がいた場合です。
例えば自分が赤い駒を操っている時、左斜め前に白い駒がいてその駒の左斜め後ろスペースが空いている場合はジャンプを発動することができるのです。
そして、ジャンプで飛び越えた白い駒は消えることになります。
このジャンプを繰り返すことにより、相手の駒を次々と消していくことができるのです。
また、基本的にはどの駒も1ターンに1度しか動かすことはできないのですが、このジャンプによる例外が発生することがあります。
例えば、先ほどの場合のように白い駒をジャンプして消滅させた着地点で、さらにまたジャンプが可能な配置になっていた場合です(着地した時の左斜め前か右斜め前にさらに白い駒がいて、その対応する斜め後ろスペースが空いている場合のことを指します)。
その場合は、さらに駒を動かしてジャンプすることができます。
これをダブルジャンプといいます。
さらに、ダブルジャンプ後にさらにジャンプが可能な場合は再度ジャンプさせることができ、3連続になった場合はトリプルジャンプと言うそうです。
自軍の駒が、相手陣地の最奥に到達すると、本来のままだとその駒は前方がなくなるのでもうどこにも進むことができなくなってしまいます。
しかし、ここで特別ルールが発動します。
最奥まで到達した駒は、キングという特別な駒に変身するのです(駒によっては、ひっくり返すと王冠などのマークが描いてあることがあるので、これを使ってキング駒になったことを示すこともあります)。
キングになった駒は、それ以降斜め前にも斜め後ろにも自由に動けるようになります。
このゲームの勝利条件は至ってシンプルです。
それは、相手の駒を全て取りつくして全滅させるか、相手の駒が進める場所がなくなるか、相手が待ち時間を消費して時間切れになるかです。
場合によっては、引き分けルールを採用しているところもあるようです。
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チェッカーの歴史!
そんなチェッカーがいつどこで生まれたかについては、現時点でも謎が多いと言わざるをえません。
その起源とされているものは非常に古く、なんと紀元前数千年ものエジプトにその原型があったと言われているのです。
ホメロスの『オデュッセイア』にも記述があるのだとか。
現在のチェッカーの原型は、南フランスで始まったという意見もあればスペインで始まったという意見もあり、詳しいことははっきりとわかっていません。
非常に多くの国に同系のゲームが存在するためにルールの統一が難しく、ポーランドなどで行われている国際ルールにおいては10×10の広い盤を使うとされています。
ただし、イギリスやアメリカ、日本などで広く行われているチェッカー(8×8の盤を使う)と基本的なルールは変わらないとされています。
チェッカーの大きな大会ってどんなものがある?
日本ではあまり知られていないチェッカーですが、なんとこのゲームは欧米ではチェスに次いで人気のあるボードゲームとして知られているのです。
その競技人口は、世界で4000万人にも上ると言われています。
現在のアジア最強国はモンゴルと言われ、定期的に世界選手権やアジア選手権が開催されています。
日本ではあまりなじみがないかもしれませんが、日本選手権も開催され、ジュニアの育成にも力を注いでいるようです。
2019年には、東京で初めての国際大会も開催されました。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
どの駒を最初に動かし、どの駒を最初に取り、そしてどの駒をキングに変えて相手を追い詰めていくのか。
シンプルながらも、奥深さもある、それがこのチェッカーというゲーム最大の魅力なのです。
興味を持った人は是非、さらに詳しくチェックしてみてください!
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