競泳大会では必須の技術なのに、普段はなかなか練習できないのが飛び込み。
飛び込みがうまくできないとスタートで大きな差がついてしまいます。
練習の機会が少ないだけにコツを押さえて早く習得したいもの。
今回は飛び込みの流れとコツ、練習法をご紹介します。
【水泳飛び込み】スタート台からの流れ
競泳では、笛が短く4回、長く1回鳴ったらスタート台に上がり、スタートの準備をします。
飛び込み方は、クラブスタートとクラウチングスタートの2種類。
まずはそれぞれの特徴と動きの流れを解説します。
クラブスタート
クラブスタートは両足を揃える飛び込み方。
近年の競技大会ではあまり見られなくなりましたが、飛んだ後のフォームが安定しやすいので、初心者にも失敗が少ない方法です。
やり方は、台に上がったら両足の指を台の前端にかけます。
「用意」の合図で手を下ろして台を掴み、少し前のめりの状態で静止。
スタートの合図と同時に飛び込みます。
クラウチングスタート
クラウチングスタート(トラックスタート)は、陸上競技のスタートのように片足を後ろに引く方法です。
近年のスタート台の多くにはバックパネルが設置されていて、クラブスタートより勢いのある飛び込みができるため、競技大会ではこちらが主流になっています。
ただし慣れるまでは姿勢を崩しやすく、失敗すると体が斜めに入水してしまうことも。
クラウチングスタートは、台に上がったら前にする足の指を台の前端にかけ、後ろ側の足は軽くバックパネルに置いて準備します。
「用意」の合図で手を下ろして台を掴みながら体重を少し後ろにかけ、スタートの合図と同時に反動を利用して飛び込みます。
飛んだ後の流れ
スタート台から飛んだら、すぐにストリームラインを作ります。
これは両手を前で合わせて腕の三角の中に頭を隠し、体を一直線にする水泳の基本姿勢。
水の抵抗ができるかぎり小さくなるよう、フラットで細長い姿勢になり、45度の角度で水に入ります。
しばらくは飛び込んだ勢いを維持して潜水のまま。
それから浮上して泳ぎ始めます。
【水泳飛び込み】上達のコツ4選
飛び込みは失敗すると腹から落ちて大変痛い思いをすることになります。
そうならないためにも早く上達したいものです。
そこで、飛び込みがうまくなるための4つのコツをご紹介します。
腕を使って勢いをつける
飛び込みで大切なのは前への勢い。
足も使いますが、滑らかな飛び込みのためには手の動きが重要です。
飛び込んでからストリームラインになるとき、腕を下から前に振り上げ、その勢いを利用します。
あごを引く
飛び込むときにはつい前を見てしまいがち。
しかしそれでは大きな水の抵抗を受けてしまいます。
飛んだあとにストリームラインを作るためは、頭は腕が作る三角の中に隠れる必要があります。
そのためには怖くても進行方向の水面を見ず、あごを引いて下を向くのがコツ。ただし極端にあごを引きすぎても姿勢が崩れます。
一直線になることを意識して適度に引くようにしてください。
体幹とお尻の筋肉を意識
飛んでいる間に体をストリームラインにするコツは体幹とお尻の筋肉を意識すること。
また下腹をグッと伸ばす意識で骨盤を前傾させると、よりフラットな姿勢に近づきます。
普段から水泳の基本姿勢を身につけておくことも重要です。
一点入水を目標に
入水の理想は一点入水。
指先、頭、腰、足先が一本のラインのようになり、45度の角度で同じ場所に入ることを意識します。
この一点入水のイメージをつかむためには、飛び込みの練習の際、いきなり遠くに飛ぼうとせず、台からそのまま斜めに入水する練習が効果的です。
【水泳飛び込み】練習法
飛び込みの練習はいきなりスタート台で行う必要はありません。
むしろ高さのあるスタート台で失敗すると恐怖心が生まれてしまいがち。
段階を追って練習する方が効果的です。
家でのイメージトレーニング
飛び込みは1秒以下の短い動作なので、事前のイメージトレーニングがとても重要。
競泳の動画で選手たちの理想的な飛び込みを見て、繰り返しイメージトレーニングをしてください。
これは家でもできる上、飛び込みで最も効果的な練習の一つだと言われています。
ドルフィンジャンプ
ドルフィンジャンプは水中でできるイメージトレーニングです。
ストリームラインを作った姿勢でプールの底を蹴って水面にジャンプ。
そのまま斜めに入水して潜ります。
これをすることで斜めに一点入水するイメージをつかむのです。
スタートのポーズの練習
いよいよ飛び込みの練習ですが、まずはプールサイドで行います。
最初はスタートのポーズから。
プールサイドから足の指だけ出して曲げ、一度しゃがみます。
次に耳を挟むように腕を伸ばして、指先で足先に触れます。
そこから腰を上げて、しばらくキープ。
体がぶれてしまうときは、足の間隔や膝の曲げ具合などを調整して、安定するポーズを探します。
斜めに入水する練習
スタートのポーズが安定するようになったら、プールサイドから斜めに入水する練習をします。
遠くへは飛ばず、ストリームラインと一点入水を意識。
これを繰り返して上達してきたらスタート台へ。
そこでも最初は斜めに入水する練習をして、一点入水ができるようになってから、徐々に勢いをつけていきます。
まとめ
飛び込みという言葉のイメージから、遠くへ「飛ぶ」ことを意識してしまいがちですが、実際には「板を押す」というイメージ。
キレイなフォームで滑らかに入水する方がより重要です。
飛び込みの練習をしてストリームラインが上達すると、泳ぎも効率的になり、速度が上がるはず。
イメージトレーニングと練習で、美しい飛び込みを目指してください。
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