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サッカーの本質を探る旅・5【くぼっちコラム】

「サッカーの本質を探る旅」シリーズも、今回で最終回となります。
サッカーの本質とは何か。
まず「サッカーは、人と人が、人と人の間で、ボールを介して行うものである」
という仮説をはじめに立てました。そこをさらに噛み砕いて

「サッカーは、味方との関わりの中で行うものである」
「サッカーは、相手との関わりの中で行うものである」
「サッカーは、状況との関わりの中で行うものである」
と書いてきたのが、前回までの流れです。

くぼっちコラム 前回のコラムはこちら】⇩
サッカーの本質を探る旅・4【くぼっちコラム】

それらを踏まえた上で、最終回となる今回は、
「サッカーは、ボールとどう関わっていくものなのか」
という見方で、話を進めていきたいと思います。

過去回たちは長くなり過ぎたので、最後くらいは短くまとめます!

サッカーは、ボールとどう関わっていくものなのか

これまで「サッカーは、◯◯との関わりの中で行うものである」という書き出しでしたが、今回だけは少し違います。

ボールと、どう関わっていくものなのか。
味方との繋がりの中で、相手との関わりの中で、状況に応じてプレーをする。それがサッカー。

その間には、当然「ボール」が介されます。ボールなしにサッカーはできません。そしてこの「ボール」が、サッカーにおいてはとても厄介なものなんですよね。
何せ、丸いし。簡単にどっか転がっていっちゃうし。ちょっとでも変なところをさわったら自分の意図とは違うところに飛んで行っちゃうし。
こちらが思うようにボールをプレーしても、相手もそれを邪魔して奪いにも来るし。

ボールがあるからこそ、それを目掛けて相手が飛んできます。

ボールは、自分の思う通りにはならないもの。
この前提をまず受け入れることで、サッカーの本質にグッと近づくことができると思うのです。

思うようにならないし、相手もそれを奪いに来るし。
そんな厄介なものとどう関わっていくべきなのかを、これから書き進めていきます。

ボールは何番目に大切?

サッカーをする選手も、そして指導者もよくありがちなのが「ボールが一番大事!」というマインドに陥ってしまうこと。
そのようにボールを一番に考えてしまうと、他にまず考えなきゃいけないもの、見なきゃいけないものが疎かになっちゃいますよね。

ボールよりも大切なもの。それらを、これまでのコラムで書いてきました。
味方、相手、状況、です。ここでいう状況には、スペースなども含まれます。

そのため、子ども達を指導されている指導者の皆さんにぜひお願いしたいのが、ボールは一番大事なものじゃないよ、ということをしっかり教えてほしいなと。

大切なもの(考えなきゃいけないもの、見なきゃいけないもの)に順番をつけるとしたら
① 味方
② 相手
③ 状況
④ ボール
です。つまり、ボールは一番最後。この順番通りに、このコラムも書いてきました。

なぜ、ボールよりも上の3つが大事なのか。それは、前回までのコラムを読んでいただければわかると思います。

ボールは友達ではない。単なる道具である

「ボールはともだち!」という言葉が昔に流行りましたが、ボールは友達ではありません。単なる道具です。

本当の友達は、ピッチ上にいる。そう、味方です。
まずは友達のことを考えてあげて、様子を見てあげて、そんな友達同士がお互いが助け合いながら、同じ目的のもと(ゴール、勝利、喜び)にプレーをする。

ボールは友達じゃない。単なる道具です。大事なことなので2回書きました。

普段の生活でも、道具のことを一番に注視しないですよね。

食事をするときに大事な道具はお箸ですが、お箸を見ながらご飯食べないじゃないですか。おかずを取るときはお箸じゃなくてそのおかず自体を見るし、口で噛んでいるときも、お箸を見つめないですよね。

文字を書くとき、鉛筆を見てたらうまく字を書けません。

自転車に乗るとき、自転車を見てたら事故って大怪我です。

このように、道具のことは、注視してはいけないんです。サッカーに関していえば、まず一番関わりの多い道具がボール。
道具にすぎないボールを一番に見てはいけないし、ボールのことばかり考えていると、他の大切なものが疎かになってしまいます。

サッカーはボールを介して行うもの、だからこそ

あって当たり前のもの。見るまでもないもの。それが道具。だから考える順番も見る順番も、一番最後でいい。

でもだからこそ、いつでも使えるように大切に扱わないといけないし、いちいち見なくても思うように使える(プレーできる)ように、普段からボールをさわるトレーニングはしておくべきです。

試合で、ボールに囚われなくて済むように。
試合で、ボール以外の大切なものをしっかりと考え、見れるように。

普段のトレーニングで、道具である「ボール」に関して、しっかりと、それこそ「見なくてもプレーできる」くらいにまで、トレーニングをしておかなければなりません。

道具をぞんざいに扱う選手が、大成するとも思えませんしね。

考える順番も見る順番も一番最後でいいと書きましたが、普段のトレーニングでは、ひょっとしたら一番大切に考えなければいけないものなのかもしれません。

最後に

最後まで書いてようやく気づきましたが、結局は、大切なものには順番なんてつけられないのかもしれません。
散々ここまで書いておいて最後はそれかよ・・・!
と思われるかもしれませんし僕もそう思ってますが、大切なものはいくつかあって、その順番は人それぞれで違ってくる。ひょっとしたら同じ人でも、その時々で変わってくるのかもしれない。

もっと言えば、やっぱり正解なんてない!
だからこそ・・・

サッカーは奥が深くて、難しくて、でも、面白い。きっとそういうことなんだと思います。
なかば強引な締め方になってしまいましたが、皆さんは、どう思われますか?

「サッカーの本質を探る旅」
ここまで読んでいただいて、ありがとうございました。

次回以降は、サッカーについてまた違うテーマで独自に考察し、皆さんに伝えていけたらと思っています。
引き続き、よろしくお願いします!



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くぼっち

くぼっち

見方と考え方が変われば違う景色が見える。違う自分になれる。現実の殻を破るのだ

20年以上サッカーのプロコーチをしてきましたが、サッカーよりも好きなものがたくさんありすぎて、その影響か、サッカーを別の角度から見たり、疑ったり、これまでの見方を変えてみるという悪癖があります。でもそうすると、これまでとは全く違う景色が見えたり、新たな興味も湧いてくるんですよね。理想が現実を塗り替えていく、そんな世の中にしたいです。

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