2022冬季北京オリンピックで日本代表の平野歩夢選手が日本初の金メダルを獲得し、注目を浴びている「ハーフパイプ」。
半円筒状のコースから高く飛びあがり、華麗に回転する様子は圧巻です。
そんなハーフパイプですが、見慣れていないと技の名前を聞いてもよくわかりません。
「フロントサイドダブルコーク1440」といわれても「??」です。
この記事では、ハーフパイプをより楽しく観戦するために、技を紹介します!
技の名前の意味を知っていれば、徐々にわかるようになっていくでしょう。
ハーフパイプの技|構成について
ハーフパイプは1回の演技が5~6個ほどの技から構成されており、この構成を「ルーティン」と言います。
2022年冬季北京オリンピックで、平野歩夢選手が行ったルーティンは「人類史上最高難度」と評価されています。
ハーフパイプの技|要素について
ハーフパイプは「クラブ」という空中でボードをつかむことが全ての基礎です。
クラブによってバランスを維持し、高いジャンプや静かな着地につなげます。ハーフパイプにおいて回転はもちろん大事ですが、ジャンプの高さや、着地なども評価につながるので、クラブは非常に重要です。
クラブに加えて「スピン」「フロントサイド・バックサイド」「スタンス」などが技の要素になります。
①スピン
「スピン」は横回転を表します。横に半回転なら「180」1回転なら「360」です。
これに縦回転を加えると「コーク」や「マックツイスト」と呼ばれます。
②フロントサイド・バックサイド
回転の向きを表わすのが「フロントサイド・バックサイド」です。
フロントサイドは前方宙返り、バックサイドは後方宙返りを意味します。
③スタンス
スタンスは、左右どちらの足が前にあるかを表わすものです。
左足が前なら「レギュラー」右足が前なら「グーフィー」といいます。これは選手によって異なり、通常と反対の足で踏み切ってジャンプすると「スイッチスタンス」といい、技の難度が上昇。
ハーフパイプの技は「スピン」「フロントサイド・バックサイド」「スタンス」という要素からできているのです。
名前は「板の向き・回転の方向+縦回転+横回転」でつけられています。
「フロントサイドダブルコーク1440」の場合、回転の向きは「前」回転方向は「横と縦両方」縦回転数は「2」横回転数は「4」です。
ハーフパイプの技|①ダブルコーク
ここからは実際の技を紹介していきます。
はじめに紹介するのは「ダブルコーク」です。
ダブルコークは「コークスクリュー」を2回行うことで成功となる技。コークスクリューとは、横回転と縦回転を合わせた技です。コルクの栓を抜く際の、螺旋状の回転からその名が付けられたといわれています。
ダブルコークのように横回転・縦回転両方が入っている技のことを「3Dエア」といい、迫力があるため高得点になりやすいのが特徴です。
ハーフパイプで上に行くためには必ずマスターしたい技と言えるでしょう。
ハーフパイプの技|②スイッチバックサイド1260
続いて紹介するのは、オーストラリアのスコット・ジェームズ選手が得意とする「スイッチバックサイド1260」。数字部分の読み方は「トゥエルブ・シックスティ」です。以降で出てくる数字も同じような読み方になります。
この技は逆向きのスタンスで踏み切り、回転の向きは「後ろ」で横回転が「3回転半」という技です。
回転数自体は後述の技たちには劣るものの、スイッチスタンスかつ後ろ回転であるため、難度はかなりのもの。そのため、高得点になりやすいのです。
ハーフパイプの技|③フロントサイドダブルコーク1260
この技は回転の向きが「前」縦回転数「2」で、横回転数が「3回転半」の技です。
こちらも難易度が高いため、完璧に決まると勝利をグッと引き寄せられます。フロントサイドダブルコーク1260を安定して決められると、大きな武器になるでしょう。
ハーフパイプの技|④フロントサイドダブルコーク1440
「フロントサイドダブルコーク1440」は、「フロントサイドダブルコーク1260」に横回転をさらにプラスした大技です。
ただでさえ難度が高い「1260」より半回転多く回るため、当然難度は上がりますが、成功したときの得点も上がります。ハーフパイプ男子の技の中で屈指の難度です。
ハーフパイプの技|⑤フロンサイドトリプルコーク1440
「フロンサイドトリプルコーク1440」は、2022年冬季北京オリンピックで平野歩夢選手が、オリンピック史上初めて決めた大技です。
フロンサイドトリプルコーク1440は回転の向き「前」、縦回転数「3」で横回転数が「4」。
この技は、少しでもスピードが乗り切っていなかったり、踏み切りがずれたりすると生死にかかわるほどの技です。
それゆえ完璧に「フロンサイドトリプルコーク1440」を決めた平野歩夢選手には高得点が与えられ、見事金メダルに輝きました。
まとめ
今回はハーフパイプの技の基本要素から、実際の技を紹介しました。
ハーフパイプは2022年冬季北京オリンピックの影響もあり、発展が期待されます。高く飛びあがって、美しく回転するハーフパイプをさらに楽しむためにも、ぜひ技を覚えてみてください。
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