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モンゴル相撲とは?ルールや日本相撲との違いも解説!

日本の相撲界を席巻し続けているモンゴル出身の力士。
その大きな理由がモンゴル相撲の存在です。
モンゴルの国技でもあるモンゴル相撲は、実はいくつもの種類がある競技。
それぞれに特徴があり、日本の相撲と似ている部分も多いのですが、大きな違いもいくつかあります。
今回は、モンゴル相撲はどのような競技なのかを詳しく解説します。

モンゴル相撲とは

そもそもモンゴル相撲は日本独自の呼び方。
モンゴルでは「ブフ(bökh)」と呼ばれます。モンゴル語で「忍耐力」「耐えぬく力」という意味。
正確にはこれは力士を表す言葉で、競技自体を指す言葉はモンゴルには存在しないそうです。ただし日本では一般的にモンゴル相撲のことを「ブフ」と表現しています。
一方英語では「モンゴリアン・レスリング」という呼び方が一般的。これはレスリングに似ているということからついた呼び名です。
日本の相撲と同じなのは、1対1で組み合って戦い、相手を倒した方が勝者となること。蹴ったり殴ったりはなく、組み合って相手を倒せば勝ちとなるところが、他の格闘技よりも相撲に近いと言われる所以です。
そしてこのブフには、いくつもの流派が存在します。特に大きいのは2つの流派。「衣装」「入場のパフォーマンス」「勝敗の付け方」が異なります。

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ウジュムチン・ブフ

主に内モンゴル自治区で行われるのが、ウジュムチン・ブフ
こちらの衣装は以下のようなものになります。

・ジャンガー(首飾り)
・ゾドク(革製のベスト)
・ゴダル(ブーツ)
・トリクチ(足袋)
・バンジル(ズボン)
・トーホー(膝あて)

そしてブフには入場のパフォーマンスが欠かせませんが、ウジュムチン・ブフでは力士は鹿の真似をしながら入場します。
勝敗の決め方は、足の裏以外の部分が地面に先につくと、負けになるというもの。ここは日本の相撲に似ています。

ハルハ・ブフ

一方、主にモンゴル国で行われるのが、ハルハ・ブフ
衣装はハルハ・ブフの方が簡素になります。

・ジャンジン・マルガイ(民族帽子)
・ゾドク(ベスト)
・ショーダク(パンツ)
・グダル(ブーツ)

またハルハ・ブフでは力士は鷹に扮して舞い踊るのが流儀となっています。
勝敗の決め方は、肘・膝・頭・背中・尻のいずれかを先に地面につくと負けというもの。
日本の相撲やウジュムチン・ブフとは違って、手が地面につくだけでは負けにはならないのです。
ちなみにどちらのブフでも着るベストはサイズがとても小さく、前を閉じられない大きさになっています。
実はこれは女人禁制のブフに男性のふりをして参加した女性が優勝してしまったことがあるから。性別をごまかせないよう、胸とお腹丸出しの小さなベストになったのです。

国民に親しまれるスポーツ

ブフの大きな特徴は、国民に広く親しまれていることです。
日本でも昭和の半ばまでは子ども相撲や村の相撲大会がごく一般的でしたが、モンゴルでは今でもブフがとても身近な存在
職場や地域単位でブフのグループがあり、多くの人が参加しています。
またブフの最高位は社会的地位が非常に高くなるのも特徴。
例えば朝青龍関の兄のドルゴルスレン・スミヤバザル氏はブフで尊敬を集め、市長から国会議員に転身。ついには大臣になっています。

歴史

日本の相撲の起源は、古事記(712年)や日本書紀(720年)などに描かれている力くらべ。とても長い歴史を誇ります。
ところがブフの起源はさらに古いもの。
最古の資料はなんと新石器時代に描かれたと言われています。それはバヤンホンゴル県にある洞窟壁画紀元前7000年に描かれた壁画ですから、なんと約9000年も前になるのです。
あまりに古くてそれ以前にどうやってブフが始まったのかは不明。厳しい環境に部族が乱立する遊牧生活の中で、力比べのブフが自然発生したと考えられています。

モンゴル相撲と日本相撲の違い

日本の相撲と似ている部分も多いブフ。
しかし比べてみると大きな違いもたくさんあります。

土俵

日本の相撲の大きな特徴が土俵。そこから足が出ると、立っていても負けになります。
一方のブフは土俵がないのが最も大きな違いです。観客の作る輪がエリアとなり、その範囲は広大。つまり押し出しや寄り切りで勝敗が決まることはありません。
どちらかが地面に体の一部を付けたときのみ勝敗が決定します。

衣装と戦術

日本の相撲で身に付けるのはまわしのみですが、ブフでは先述のように伝統的な衣装を着ます。
衣装を着るということは、戦術も大きく違うということ。
日本の相撲では相手のまわしをつかむことが基本ですが、ブフでは衣装のさまざまな部分をつかんで倒すことになります。そのため最初の組み手争いが重要。技の種類も400以上になると言われています。

特殊な技

技の面で日本の相撲と特に異なるのが、ハルハ・ブフ。
手が地面についても負けにならないため、相手の足の裏をつかんで倒すという技が成立します。
また両手を地面についた姿勢から足で相手をはさんで倒すアクロバティックな技までできてしまうのです。
ちなみに相手の脚をつかんで倒すのは馬や羊を地面に倒す技術の応用だと言われています。

番付

モンゴル相撲にも番付はありますが、それは夏のナーダムという大会の結果が全て
トーナメントによって以下のような称号が与えられます。

ナチン(隼):ベスト16
ハルツァガ(大鷹):ベスト8
ザーン(象):ベスト4
ガルディ(神鳥):準優勝
アルスラン(獅子):優勝

またアルスランがその後も勝つとさらに上の称号が与えられます。

アヴァラガ(巨人):アルスランが再度優勝
ダヤン・アヴァラガ(世界の巨人):アヴァラガが再度優勝
ダルハン・アヴァラガ(聖なる巨人):ダヤン・アヴァラガが再度優勝

まとめ

400もの技があるモンゴル相撲「ブフ」。
モンゴル出身の力士が日本の大相撲で活躍できるのは、技の豊富なブフで鍛えられたからだと言われています。
このモンゴル相撲を生で見たい方は、7月11日から3日間行われるウランバートルのナーダムがお勧めです。

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