ボクシングで選手を評価する指標として使われるPFP。
階級別に分かれているボクシング選手を体重差のハンデ無しで評価した強さを示しています。
PFPを発表している権威あるメディアから過去に選出された人気選手まで徹底解説。
ボクシング|PFPとは?
PFPは、階級差などがあるボクシングや総合格闘技などのスポーツで、全階級で体重差のハンデがない場合、誰が最強の選手なのかを表す用語です。
アメリカのボクシング専門誌として知られるリング誌初代編集長のナット・フライシャーによって1950年頃に造られたといわれます。ボクシングでは、体重別階級が設定されているため、基本的に自分と同じ体重の選手同士しか試合をしません。
体重が軽い選手ならスピードに優れている場合が多く、階級が重くなるにつれてパンチ力は増す傾向にあります。体重差を考慮しない場合、技量が同じなら体重が重い選手が最強との結論に。
ボクシングのPFPは17階級もあるボクシングの選手を体重差なしで評価して、最強の選手を選出しています。2022年時点でリング誌だけでなく、さまざまなメディアが独自のPFPを選出してボクシング界を盛り上げています。
ボクシング|PFPを発表しているメディア
ボクシングのPFPは、世界中のさまざまなメディアが独自の基準で発表しています。
PFPを作り出したアメリカのリング誌やスポーツ専門局でPFPの選出基準に透明性があるESPNなど、主要なメディアを紹介します。
PFPを作り出したリング誌
世界的にも注目を集めるPFPランキングを毎年発表しているのがアメリカのリング誌です。
1922年に創刊した歴史あるリング誌は、メディアやファンからもボクシングの聖書として認められるほどの権威を誇ります。日本人記者も東洋地区通信員として活躍しているメディアで、世界中のボクシングファンにも知られている雑誌です。
PFPは専門家の意見を元に編集部で決定。毎年発表されるランキングはスポーツ記者や選手からも注目を集めています。
スポーツ専門局のESPN
ESPNは、1978年にニューイングランド在住のアナウンサーが地元のスポーツを放送するために設立したケーブルテレビ局です。
開設以降、順調に加入者の数を伸ばし1996年には6800万人もの人が加入。2022年時点、ウォルト・ディズニー・カンパニー傘下のスポーツ専門チャンネルとして、世界中のボクシングファンからも親しまれています。
ESPNの発表するPFPランキングは、スポーツやボクシングに詳しい記者の投票制。独自の基準でPFPを発表するメディアが多い中で、評価基準の透明性が人気のPFPです。
ESPNのPFPはリング誌と並ぶほど、影響力があるといわれています。
PFPで評価されている選手
PFPでは世界中のスター選手の中でも、特にトップクラスの実力を持つとされる選手が選出されます。
さまざまなメディアが発表するPFPで名前が上がる代表的な選手をご紹介。
世界的な有名選手の中には、2022年時点で現役の日本人選手も選出されています。
PFPの用語を造らせたシュガー・レイ・ロビンソン
PFPを語る上で欠かせない名選手の一人が、シュガー・レイ・ロビンソンです。1940~60年頃に活躍していたシュガー・レイ・ロビンソンは、ミドル級、ウェルター級などでチャンピオンになった名選手。
現代のボクシングと比較しても遜色ないといわれるほどのスピードや技術のあるボクシングでボクシングファンから愛されていました。PFPという言葉は圧倒的な強さを誇ったシュガー・レイ・ロビンソンを称えるために造られた言葉ともいわれています。
世界中のPFPと評される選手の中でも、オールタイム・パウンド・フォー・パウンド(史上最強のボクサー)といわれるのはシュガー・レイ・ロビンソン一人です。
フロイド・メイウェザーJr.
2000年代に入ってからのPFPの中で最強と呼ばれる一人の選手がフロイド・メイウェザーJr.です。
経済雑誌フォーブスのアスリート年収ランキング1位にも輝いたことがあるほど、人気と実力を兼ね備えたボクサーです。試合前に相手選手を挑発したり、パフォーマンスをしたりするエンターテイナーとしても知られています。
豪快な発言や奔放なキャラクターとは裏腹に、世界でもトップクラスのスピードやディフェンス技術を評価されてPFPランキングの1位に何度も選出されています。
マニーパッキャオやオスカー・デラホーヤといった同世代のPFP最強ボクサー同士の試合にも勝利している名選手です。
日本人から堂々選出の井上尚弥
2010年代の後半から複数のメディアのPFPに名を連ねるようになった日本人選手が井上尚弥選手です。2022時点でデビュー以来負け無しのチャンピオンで、日本ボクシング界でも屈指の人気選手です。
世界中のメディアの中でも権威があるとされるリング誌のPFP内で全選手の中でも2位と評価された井上尚弥。2位は日本人選手の中でも過去最高の順位です。
2018年~2019年には、世界中のチャンピオンの中から最強のチャンピオンを決めるWBSS(ワールドボクシングスーパーシリーズ)に参戦。さまざまな団体のチャンピオンが参加する中で、PFPの評価に違わず優勝を決めました。
まとめ
PFPを見れば、その年に一番強いといわれるボクサーが誰かがひと目で分かります。
世界のボクシングシーンを知る上でも指標になるPFP。
日本人選手がランクインすることあるため、各メディアの発表に注目してみてください。
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