体力テストの定番といえば、「反復横跳び」。
正確には文部科学省の新体力テストで実施される項目です。
ではこの反復横跳びは何秒間行うものか、覚えていますか?
ラインはしっかり越えなきゃダメ?それとも踏んでもいい?
今回は、反復横跳びのルールを解説。
記録アップのために把握しておきたい実施方法の詳細やルール、各年代の平均記録もご紹介します。
反復横跳びとは
反復横跳びは1964年(昭和39年)に制定された旧スポーツテストで採用された体力診断テスト。
その後、1999年に始まった新スポーツテストでも引き続き行われています。
1m幅に引いた3本の線を順に跨ぎ越し、時間内にまたぎ越した回数を記録するテストです。
他のテストでの評価
新体力テストはさまざまな運動能力を評価するために行うもの。
それぞれのテスト項目で評価することが異なります。
例えば50m走は「スピード」「すばやく移動する能力」を評価。
運動特性としては「すばやさ」と「力強さ」が分かるとしています。
またボール投げは「巧緻性」として「運動を調整する能力」を評価。
「瞬発力」として「すばやく動き出す能力」を評価します。
そして運動特性として分かるのは「力強さ」と「タイミングの良さ」です。
反復横跳びで評価する項目
では反復横跳びを行うことで何が分かるのでしょうか。
反復横跳びで評価するのは「敏捷性」。言い換えると「すばやく動作を繰り返す能力」です。
合わせて運動特性としては「すばやさ」と「タイミングの良さ」を評価。
反復横跳びはすばやさだけを測ると思われがちですが、動作を繰り返す際のタイミングの良さが実はかなり重要なのです。
反復横跳びのルールと実施方法
では具体的に反復横跳びはどのように行われるのでしょうか。
これは文部科学省の新体力テスト実施要項に詳しく書かれています。
準備
床の上に中央ラインをひき、その両側100cmのところに2本の平行ラインをひく。
ラインの太さは特に決められていません。
では間隔が厳密には違ってしまうのではないかと思うかもしれませんが、大丈夫です。
この100cmは中央ラインの中央から左右のラインの内側まで。つまり線の太さに関係なく、左右のライン内側の間隔は200cmとなるのです。
そして準備としてストップウォッチを用意します。
実施方法
中央ラインをまたいで立ち、「始め」の合図で右側のラインを越すか、または、踏むまでサイドステップし(ジャンプしてはいけない)、次に中央ラインにもどり、さらに左側のラインを越すかまたは触れるまでサイトステップする。
この「ラインを越すか、または、踏むまで」というところがポイント。
ルール上は、左右のラインを少しでも踏めば良いということになります。
つまり中心から左右それぞれ100cmのところにある「ライン内側」に触れれば良いということ。そのためラインの太さは問題にならないのです。
記録
上記の運動を20秒間繰り返し、それぞれのラインを通過するごとに1点を与える(右、中央、左、中央で4点になる)。
テストを2回実施してよい方の記録をとる。
時間は20秒間です。
つまりシャトルランのように持久力を測るものではないということ。
20秒しかありませんから、疲れないように最初はゆっくりなどと考える必要はないのです。
実施上の注意
屋内、屋外のいずれで実施してもよいが、屋外で行う場合は、よく整地された安全で滑りにくい場所で実施すること(コンクリート等の上では実施しない)。
このテストは、同一の被測定者に対して続けて行わない。
次の場合は点数としない。
・外側のラインを踏まなかったり越えなかったとき。
・中央ラインをまたがなかったとき。
テスト実施前のウォーミングアップでは、足首、アキレス腱、膝などの柔軟運動(ストレッチングなどを含む)を十分に行う。
「よく整地された安全で滑りにくい場所」というのは少し曖昧。
実は結構滑りやすい運動場で行うことも多いのではないでしょうか。
本来なら体育館で行った方が記録は伸びるはずです。
そして「同一の被測定者に対して続けて行わない」というのも重要な点。
体力を消耗している状態で行うテストではありませんから、連続2回測定してはいけません。
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反復横跳びの平均回数
では実際に反復横跳びはどれくらいできれば平均的といえるのでしょうか。
平均回数
令和4年度の体力・運動能力調査から反復横跳びの平均回数をご紹介します。
年齢 | 男子 | 女子 |
6歳 | 27.36回 | 26.88回 |
7歳 | 31.10回 | 29.88回 |
8歳 | 34.64回 | 33.34回 |
9歳 | 38.30回 | 36.89回 |
10歳 | 42.73回 | 39.93回 |
11歳 | 45.51回 | 42.15回 |
12歳 | 50.14回 | 45.20回 |
13歳 | 52.95回 | 47.86回 |
14歳 | 56.01回 | 48.59回 |
15歳 | 54.86回 | 47.12回 |
16歳 | 56.35回 | 48.05回 |
17歳 | 57.50回 | 48.09回 |
18歳 | 56.94回 | 47.83回 |
19歳 | 56.73回 | 48.27回 |
20〜24歳 | 55.08回 | 45.97回 |
25〜29歳 | 54.60回 | 44.97回 |
30〜34歳 | 52.18回 | 43.16回 |
35〜39歳 | 50.73回 | 41.89回 |
40〜44歳 | 48.23回 | 40.97回 |
45〜49歳 | 47.34回 | 40.68回 |
50〜54歳 | 45.83回 | 39.66回 |
55〜59歳 | 43.89回 | 38.02回 |
60〜64歳 | 41.98回 | 36.77回 |
男子は17歳が敏捷性のピークであとは下降線であることが分かります。
女子は14歳で最高値となったあと、19歳くらいまで緩やかに上下。
どちらも受験や部活動の影響もあると考えられます。
まとめ
敏捷性を測定する反復横跳び。
実施方法とルールを理解すれば、記録を伸ばすためのコツも見えてきます。
それはなるべく短い距離で移動すること。
左右の線を跨ぐ必要は全くなく、足の先がラインに触れるだけでも有効となるのです。
反復横跳びの準備は簡単で家でも練習できますから、素早くギリギリを踏む練習を行なっておくとよいかもしれません。
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