近年のサッカー界で特に存在感を高めているのが大学サッカー。
以前はサッカーのプロ選手といえばユースか高校サッカーから選ばれるのが王道コースで、大学サッカーは18歳でプロになれなかった選手がしているというイメージもありました。
ところが近年は大学サッカー出身のプロ選手が急増。多くの大学出身選手がプロや日本代表で活躍しています。
今回は、大学サッカーの強豪をご紹介。
名門や近年特に強さを発揮している大学など、独自に選んだ十傑をご紹介します。
【大学サッカー】注目の理由
近年のJリーグは高卒の選手と契約することが減り、大卒の選手が増えています。
その理由はどこにあるのでしょうか。
財政状況
大きな理由が、クラブの財政状況。高卒の選手は試合経験が少ないため、プロの試合にすぐに出られることはあまりありません。
つまり数年間はクラブが育成するということ。
財政的に潤っている一部のクラブ以外にはそのような余裕はなく、育成目的で高卒ルーキーを獲得することが難しくなっています。
その点、大卒のルーキーは大学の4年間で多くの経験を積んでいるため、育成期間が短くて済むのが大きな利点なのです。
即戦力
大学サッカー出身選手は試合経験を積んでいるだけではない長所もあります。
それはサッカー以外の注意点が少ないこと。
高卒ルーキーの中には、試合に出られないと不貞腐れてしまう選手も多く、そのケアもクラブの仕事になってしまいます。しかし大卒ならその辺りは自分でうまく対応できて当然。
また食事や健康面での自己管理や、基本的なコミュニケーションの能力、精神的な成熟度など、大学の4年間に鍛えられている差はとても大きいそうです。
その意味でも大卒の選手は即戦力になるといわれています。
交代枠の増加
実はコロナ禍が大学サッカーの注目度を高めたという説もあります。
それはコロナ禍のルール変更で加わった交代枠の増加。
これまでの3枠では新人選手を試す機会は少なく、大卒ルーキーが実際に試合で試してもらう機会はあまりありませんでした。
ところがその枠が4つに増えたことで思い切った選手交代が可能に。
チャンスを得た大卒ルーキーが交代後に大活躍したことで、彼らの即戦力としての魅力が一気に認められるようになったと言われています。
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【大学サッカー】強豪大学一覧
では大学サッカーで強豪と言われる大学はどこなのでしょうか。
明治大学
近年の圧倒的な強豪校が明治大学です。
関東学生サッカーリーグ1部では10年間で4回も優勝。
1部リーグで5位よりも下位になったことがないという強さを誇っています。
また2016年から2019年の間に3度も総理大臣杯を制し、2019年は関東大学サッカーリーグ1位、総理大臣杯・インカレ制覇と主なタイトルを総なめに。
ただし2023年度は規定されている学生審判員の登録者数を満たしていないという違反のため勝ち点を剥奪される事態になっています。
主なOBは長友佑都選手、佐々木則夫選手、久保裕一選手などです。
法政大学
法政大学のサッカー部は大学設立2年後の1922年に創部された古豪であり、現在も勝ち続ける強豪。
2018年には全日本大学サッカー選手権で優勝し、2019年の天皇杯ではJ2の東京ヴェルディやJ1のガンバ大阪を破り、決勝に進出しました。
主なOBには柳沢将之選手や中村元選手がいます。
筑波大学
筑波大学蹴球部は1896年の創部で、日本で最も長い歴史を持つサッカー部のひとつです。
日本で初めて海外のサッカーチームと対戦するなど日本サッカーの黎明期を牽引。全日本大学サッカー選手権での優勝は9回、関東大学サッカーリーグ1部での優勝は15回と、安定した強さを誇っています。
主なOBは井原正巳選手や中山雅史選手、そして三笘薫選手などです。
流通経済大学
流通経済大学サッカー部は1965年創部の強豪。
躍進が始まったのは1998年に中野雄二監督が就任してからで、2006年に関東大学サッカーリーグ1部で初優勝すると、その後全日本サッカー選手権で2回の優勝、関東大学サッカーリーグ1部では3回の優勝を誇る強豪校になっています。
四方が鉄製の壁に囲われてプレーが途絶えないサッカーコートや、足腰を鍛えるビーチサッカーグラウンドなどの練習施設を備えています。
これまでに150人以上のプロを輩出。主なOBには中村慶太選手や中美慶哉選手、武藤雄樹選手、守田英正選手などがいます。
関西学院大学
関西学院大学のサッカー部は1918年創部の古豪にして関西の王者。
関西学生サッカーリーグ1部で最多の29回など、数多くの優勝を誇ります。
毎年のように多くのJリーガーを輩出。
主なOBには長沼健選手や阿部浩之選手、福森直也選手などがいます。
大阪体育大学
大阪体育大学のサッカー部は1965年創部の強豪。
1985年に全日本大学サッカー選手権で初優勝し、関西の大学サッカーを牽引する存在のひとつになりました。
2013年にも全日本大学サッカー選手権で優勝。2018年からは関西学生サッカーリーグ1部を3連覇しました。
主なOBには浅野雄也選手や池永航選手などがいます。
駒澤大学
駒沢大学のサッカー部は1931年創部の名門。
2002年からの数年間に関東大学サッカーリーグ1部や総理大臣杯、インカレなどを席巻したことで知られています。
その後低迷していましたが2018年ごろから復活。2021年には全日本大学サッカー選手権で15年ぶりの優勝を飾っています。
高さのあるフォワードの育成が得意で、多くのJリーガーを輩出。
主なOBには栗原圭介選手や巻誠一郎選手、那須大亮選手などがいます。
桐蔭横浜大学
桐蔭横浜大学サッカー部は創部が1998年という新鋭。他の名門に比べて歴史の浅いサッカー部ですが、2019年の関東大学サッカーリーグ1部で準優勝、全日本大学サッカー選手権でも準優勝しています。
近年は強豪の一角として存在感を発揮。
主なOBには土屋健太選手や大崎玲央選手などがいます。
中央大学
中央大学のサッカー部は1927年創部の名門。
1950年に関東1部リーグに昇格すると、天皇杯優勝2回、全日本大学サッカー選手権優勝8回、関東大学サッカーリーグ1部優勝5回など、強豪として君臨しています。
主なOBは、中村憲剛選手やシュミット・ダニエル選手などです。
早稲田大学
歴史ある名門と言えば早稲田大学。創部は1924年とされていますが、1922年に行われた日本最初のサッカーリーグ「専門学校蹴球リーグ戦」にも早稲田大学の蹴球部が参加しています。
正式名称は早稲田大学ア式蹴球部。
2023年は関東大学サッカーリーグの2部に低迷していますが、天皇杯優勝3回、関東大学サッカーリーグ1部優勝27回など、いくつもの最多優勝記録を持っています。
主なOBは釜本邦茂選手、西野朗選手、岡田武史選手など。後の伝説的な選手・監督が数多く名を連ねています。
まとめ
数々の名門・古豪・強豪がある大学サッカー部。
Jリーグクラブとの直接対決で勝つこともある大学サッカーの強さは近年特に注目を集めています。
大学サッカーの熱い試合に、ぜひご注目ください。
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