どこよりも熱くお届けするスポーツコンテンツ

NEW POST

スポスルマガジンの最新記事

スポーツを探求する

箱根駅伝|100回記念大会で採用される特別ルールとは?【2024】

箱根駅伝は、日本で最も注目度が高いスポーツ大会の一つ。
2024年にはついに100回を迎えます。
その記念大会で採用されたのが、出場枠に関する「特別ルール」です。
大きな話題になったこの特別ルール、いったいどのような変更があったのでしょうか?
今回は、箱根駅伝が第100回大会で採用した特別ルールについて解説。
予選会の結果と考察、今後の影響も交えてご紹介します。

箱根駅伝の基本

箱根駅伝は、1920(大正9)年に「四大校駅伝競走」の名称でスタートした歴史ある駅伝。その3年前に行われた日本初の駅伝「東京奠都五十年奉祝・東海道駅伝徒歩競走」の成功を受けて始まった、駅伝のルーツといえる大会です。
東京の読売新聞社前と箱根の芦ノ湖間を往復するその距離は、往路が5区間107.5Kmで、復路は5区間109.6Km。合計10区間で217.1Kmは、学生の駅伝競走としては最長の距離です。

出場に関する規定

箱根駅伝に出場できるのは、関東学生陸上競技連盟に加盟している大学
日本学生陸上競技連合には、以下の下部組織があります。

・北海道学生陸上競技連盟
・東北学生陸上競技連盟
・関東学生陸上競技連盟
・北信越学生陸上競技連盟
・東海学生陸上競技連盟
・関西学生陸上競技連盟
・中国四国学生陸上競技連盟
・九州学生陸上競技連盟

8つの下部組織がある中で、箱根駅伝に参加できるのは関東学生陸上競技連盟のみ
つまり箱根駅伝は、日本で最も有名な駅伝大会なのに、実は関東ローカルの大会ということになるのです。
ちなみに大学三大駅伝の残りの2つである出雲駅伝全日本大学駅伝には、日本学生陸上競技連合のすべての大学が参加できます。

出場枠

箱根駅伝に出場できるのは、シード権を獲得した大学と、予選会を通過した大学。
シード権は前年の大会で10位以内に入ることで獲得できます。
前年大会で10位以内に入れなかった大学は、10月の予選会に参加
予選会には、公認記録を突破している選手が各校10人以上12人まで参加し、全員でハーフマラソンを走ります。そして各校上位10人の合計タイムによって、上位10校が本戦出場となるのです。
また予選会を通過しなかった大学の中から、各校1名までの記録上位者を選抜。関東学生連合チームとして21番目の枠に入ります

箱根駅伝100回記念大会の特別ルール

箱根駅伝の第100回大会で採用される特別ルールは、2022年6月30日に発表されました。
その内容は、出場校数に関するもの。
従来の20校+関東学生連合チームから変更され、23校に増枠されたのです。
さらに大学駅伝界に大きな影響を与える変更もありました。

シード校

23校のうち、シード校に関しては従来通り10校でした。
つまり第100回大会のみシードが11校や12校にはならなかったということ。99回大会では例年通りに、10位以内のシード枠を巡る熾烈な争いが行われました。

予選会参加資格

大きく変更されたのは予選会でした。
予選会を通過する大学の数が10から13に増枠されたのです。
そしてそれ以上に注目を集めたのが、予選会への参加資格に関するルール変更でした。

参加資格について
公益社団法人日本学生陸上競技連合男子登録者で、本予選会並びに箱根駅伝本大会出場回数が通算 4 回未満である者に限る。

参加資格が関東学生陸上競技連盟から日本学生陸上競技連合になったのです。
つまり箱根駅伝の門戸が全国の大学に広げられたということ。
これは関東以外の大学の長距離走の選手や駅伝ファンにとって非常に大きなニュースでした。

関東学生連合チーム

23校に枠が増えた代わりに今回消滅してしまったのが関東学生連合チームです。関東学生連合は、大学の順位が低くても本人には実力がある選手の救済措置として設けられていました。
しかし第100回大会ではそういった選手の出場の道は絶たれてしまったことになります。

【関連記事はこちら】⇩
【箱根駅伝】学連選抜って何?選出方法や最高順位についてご紹介!
【箱根駅伝】年齢制限は何歳まで?過去最高年齢は〇歳!

箱根駅伝100回記念大会の特別ルールの結果

全国の大学に開かれた箱根駅伝。では10月に開かれた予選会の結果はどうだったのでしょうか。

出場校

箱根駅伝2024予選会では、関東の46大学に加えて、近畿や東海などから11校が参加。57校で13の枠を争いました。

結果

そして行われた予選会の結果がこちら。
※順位:大学名(上位10名の合計タイム)

1位:大東文化大学(10時間33分39秒)
2位:明治大学 (10時間34分38秒)
3位:帝京大学(10時間35分08秒)
4位:日本体育大学(10時間36分42秒)
5位:日本大学(10時間36分54秒)
6位:立教大学(10時間37分06秒)
7位:神奈川大学(10時間37分20秒)
8位:国士舘大学(10時間37分21秒)
9位:中央学院大学(10時間37分27秒)
10位:東海大学(10時間37分58秒)
11位:東京農業大学(10時間39分05秒)
12位:駿河台大学(10時間39分40秒)
13位:山梨学院大学(10時間39分47秒)

13位まではすべて関東学生連合の大学です。
関東以外の最高位は京都産業大学の27位。続いて立命館大学の34位でした。
予選通過ラインの13位と京都産業大学の差は14分35秒
関東以外の大学にとって、箱根駅伝の本戦ははるかに遠いことが分かったのです。

関東以外が惨敗した理由

駅伝に関しては関東が圧倒的に強いと再確認された今回の予選会。
実際に出雲駅伝と全日本大学駅伝でも例年関東勢が上位を独占しています。
その大きな理由が、箱根駅伝。
高校の長距離走で活躍した有力選手の多くが「箱根駅伝に出るため」に関東の大学に進学します。そのため関東とそれ以外の地域では大きな実力差ができるのです。
そしてもう一つの理由が、走行距離
箱根駅伝では20km以上を走り、予選会でもハーフマラソンを走ります。しかし関東以外の大学にとって最大の目標となる全日本大学駅伝は、その半分ほどの区間が大半なのです。そのため関東以外の大学の練習はスタミナよりもスピードを重視。予選会の1年半前の発表では、チームや選手を予選会に合わせて調整することができなかったとも言われています。

まとめ

今回の参加資格の変更は、今のところ第100回の特別ルール。
101回大会は通常ルールに戻ると発表され、それ以降についての言及は今のところありません。
2024年の第100回大会で本戦に進めたのは、結果的に例年通り関東の大学だけでした。
しかし今後、もし箱根駅伝が全国の大学に開放され続ければ、高校の有力選手の進学先も広がり、大学駅伝の勢力図は大きく変わるかもしれません。

【関連記事はこちら】⇩
【箱根駅伝】歴史(起源~現在)を調査!始まった経緯を詳しく解説
【箱根駅伝】山の神一覧|各ランナーの大学と成績をご紹介!



  • この記事を書いたライター
  • ライターの新着記事
でかむ

でかむ

スポーツで人生楽しむ自然派ライター

筋トレとアウトドアをこよなく愛するライター。某FM局の作家時代、筋トレマスターに師事し、トレーニングブログを3年間で100本以上執筆しました。

  1. 【パリオリンピック】バスケットボールの組み合わせや日程を解説!

  2. 【パリオリンピック】暑さと天気は?危険な熱波への対策もご紹介

  3. 【パリオリンピック】世界の注目選手|世界新記録が期待できるのは?

PAGE TOP