ラットプルダウンはトレーニングジムのマシントレーニングの中で、最も有名なものの一つ。
男性はもちろん、女性にもメリットの多い筋トレ種目です。
しかし簡単に見えても実は間違ったフォームになり、効果的にトレーニングができていない人も大勢います。
今回は、ラットプルダウンのやり方をご紹介。
そのメリットや、正しく行うコツ、やりがちな注意点も解説します。
ラットプルダウンとは
ラットプルダウンという言葉は、ジム以外では聞いたことがない人がほとんどのはず。どういう意味なのでしょうか?
言葉の意味
ラットプルダウンの「ラット」は、背中の広背筋を意味する「latissimus dorsi muscle」の略。「プルダウン」は引き下げるという意味です。
つまりラットプルダウンは、「広背筋を鍛える引き下げ運動」という意味になります。
どんな種目?
「ラットプルダウン」は主に背中を鍛えるトレーニング。
ほとんどのフィットネスジムにあるマシンで行います。
ラットプルダウン用のマシンはケーブルでウエイトにつながったバーがぶら下がっていて、その下に椅子があるもの。椅子に座って頭上のバーを両手で胸元まで引き下げます。
筋肉の使い方としては懸垂とほぼ同じ。椅子に座り、自分が浮き上がらないように脚を固定して行うのが大きな違いです。
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ラットプルダウンで鍛えられる筋肉と効果
背中を鍛える種目として一般的なラットプルダウン。
では主にどの筋肉が鍛えられるのでしょうか。
広背筋
広背筋は背中の腰から脇の後ろまでを幅広く覆っている筋肉。まさにラットプルダウンや懸垂の動きのように、腕を下や後ろに引き寄せる動きで使います。
広背筋を鍛えれば、背中が広くなるのが見た目上のメリット。
一方で特に女性の場合はそう簡単にムキムキになるわけではなく、ウエストが引き締まった印象になります。
また姿勢が良くなることで腰痛の予防につながるのも嬉しいポイントです。
さらに広背筋は全身の中でも特に大きな筋肉であるため、鍛えて筋肉量が増えれば、効率的に基礎代謝を上げられるのも魅力。基礎代謝が上がれば、より痩せやすい体質になります。
僧帽筋
僧帽筋は首筋から背中の上部、肩までをひし形に覆っている筋肉。肩甲骨を寄せる動きや頭を後ろに下げる動きなどで使います。
僧帽筋を鍛えれば首をまっすぐに保ちやすくなるため、猫背の改善や肩こりの予防につながるのが大きなメリット。
また肩甲骨を寄せる動きは多くの筋トレで重要なため、全身の筋肉を鍛える際の基礎にもなります。
大円筋
大円筋は、背中の脇の下にある小さな筋肉。
肩甲骨と上腕骨を結んで、肩関節の動きを支えています。
これは腕を引き寄せるときに使われる筋肉。鍛えれば腕を使う日常動作やスポーツのパフォーマンスアップにつながります。
上腕二頭筋
ラットプルダウンは主に背中の力で引き寄せますが、腕を曲げる力も補助的に使います。
そのため、二の腕の上腕二頭筋を鍛える効果も。
背中をメインに使えば引き締まった二の腕になり、アレンジして腕をメインに行えばたくましい力こぶを得ることができるはずです。
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ラットプルダウンのやり方
メリットが多いラットプルダウンですが、間違ったやり方をしている人が多いのも事実。
無駄な運動にならないためにも正しいやり方を覚えてください。
基本フォームを固める
ラットプルダウンのやり方自体はとても簡単です。
まずはその手順から。
①肩幅の1.5倍の広さで、バーを順手で持つ。
②椅子に浅く腰掛け、パッドでひざを固定する。
③腰が丸まらないよう、骨盤を立てる。
④胸を張り、上半身を軽く後ろ倒す。
ここまでで基本的な姿勢を作ります。この正しい姿勢が最も重要です。
フォームを崩さず、引く
基本のフォームがしっかりできていれば、あとはシンプル。
⑤バーを胸に向かって引き寄せる。
⑥引いたバーをゆっくり元に戻す。
これを限界まで繰り返します。
筋肉量のアップを目指すなら10回前後で限界になる重さにするのが基本。筋力アップならそれより重く、筋持久力アップを目指すならそれより軽くして、いずれも限界まで行います。
途中で苦しくなってもフォームを崩さないこと、勢いをつけて引いたりしないことが大切です。
ラットプルダウンの注意点とコツ
ラットプルダウンの動きはシンプルですが、動かしてしまってはいけない部分があります。
これをしてしまうと効果が半減するだけでなく、怪我の危険も。
続いては重要な注意点やコツを解説します。
肩を下げる
まず重要なのは、肩を下げるということ。
広背筋は腰から上腕に向かってついている筋肉です。この広背筋を最大限収縮させることがラットプルダウンの目的。つまり腰と上腕を近づけることが重要です。
そのラットプルダウンで肩が上がっていると、肩の上下運動と腕の筋肉で引くことになってしまい、広背筋をあまり収縮させることができません。
バーを引く前から肩は下げておき、そこから動作をスタートすることが大切です。
肩が前後に動くのも同じ間違い。肩甲骨を寄せ、肩は最も下、最も後ろで固定するイメージで行ってください。
手の幅を狭くしない
手の間隔を狭くすると、背中ではなく腕や肩の力を使うことになります。
特に意識せずにバーを持つと両手の間隔は肩幅ほどになりがち。背中に効かせるためには意識して両手の間隔を広くするのがコツです。
お腹まで引かない
初心者が軽い重量で行うと、ついお腹の辺りまで引いてしまいがちです。
しかしお腹まで引き下げたとき、広背筋にはほとんど負荷はかかっていません。
ほぼ腕の力で引き下げているはずで、それでも引けるのは重量が軽すぎる証拠。
もっと重量を上げ、胸に向かって背中の力で引き下げるよう意識してください。
ひじを意識する
ラットプルダウンでバーを下げることに集中すると、腕で引っ張ってしまいがち。しかしこれでは背中に効かない上にすぐに限界になってしまいます。
肩甲骨を寄せ、背中で引くのが基本ですが、背中で引くのはなかなかイメージしにくいもの。
その場合のコツは、ひじを意識することです。
ひじを脇腹に引きつけるというイメージで行うと、肩甲骨を寄せることができ、結果的に広背筋の筋肉をうまく使えるはずです。
小指側で握る
どうしても腕の力で引いてしまう場合、バーを親指側で強く握っていることが原因かもしれません。
引っ張って背中を鍛えるプル系の運動では、小指側の指で強く握るのがコツ。こうするとより広背筋を意識しやすくなります。
パワーグリップを使う
ラットプルダウンではパワーのある背中の筋肉でバーを引きますが、そのバーを掴んでいるのは、ずっと力の小さい手の指。背中よりも先に握力が限界となって、効果的に鍛えられないこともよくあります。
その場合は、ゴムの摩擦で握力を補助するパワーグリップなどのトレーニングギアを使うのもおすすめ。パワーが足りない部分を補うことで、より大きな筋肉を効果的に鍛えることができます。
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まとめ
美しい姿勢やくびれた腰、逆三角形の上半身を目指すことができる背中のトレーニング。中でもラットプルダウンはマシンに下半身を固定して行うため、初心者でも取り組みやすい種目です。
ラットプルダウンで正しいフォームを身につけたら、不安定でさらに難しくなる懸垂にもぜひ挑戦してみてください。
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