ビジターは、プロスポーツの世界でも野球独特の言葉。
野球ではなぜアウェイと言わずビジターと呼ぶのか、ご存じでしょうか。
実はその背景には、日本のプロ野球ならではの秘密があったのです。
今回は、野球のビジターについて解説。
その言葉の意味と由来、ビジターチームとホームチームの意外に多い待遇の差や、ビジター席での応援時に注意すべき点もご紹介します。
【プロ野球】ビジターとは
野球ではなぜビジターという言葉を使うのでしょうか。
まずはその言葉の意味から解説しましょう。
ビジターの意味
ビジター(visitor)は、一般的には「訪問者」や「外来者」という意味。
プロ野球の球団は、それぞれが本拠地となる球場を持っています。
本拠地で試合を開催するチームは「ホーム」。これはサッカーなど他のスポーツと同じです。
そして対戦相手は外来者ということで「ビジター」となります。
ホームゲーム・ビジターゲームの意味
ビジターという言葉に関連して、「ホームゲーム」や「ビジターゲーム」という言葉もあります。
ホームゲームはチームの本拠地で開催される試合のこと。ビジターゲームは対戦相手の本拠地で開催される試合ということです。
アウェイとの違い
ビジターと似た言葉に「アウェイ」があります。
意味は同じで、本拠地は「ホーム」、その対戦相手は「アウェイ」です。
このアウェイという呼び方は、日本のプロ野球以外の多くのスポーツで使われます。
実はメジャーリーグもホームとアウェイという呼び方です。
では日本のプロ野球だけ何が違うのかというと、興行権がどこにあるか。
ほとんどのプロスポーツでは、興行権はリーグの運営団体が持っています。
このような場合、対戦相手の呼称はアウェイです。
しかし興行権をリーグではなくホームチームが持っている場合、対戦相手はビジターと呼ばれます。
日本のプロ野球は球団が興行権を持つ形式のため、ビジターという言葉に。これは世界的にも珍しいことなのです。
またこういった定義があるため、地方球場での試合の場合、興行権がどちらの球団にあるかによってホームとビジターが決まります。
なおサッカーなどの場合、サポーターに対してはアウェイサポーターと呼ぶほか、ビジターサポーターと呼ぶこともあります。
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【プロ野球】ホームチームとビジターチームの違い
野球ではホームチームとビジターチームにはさまざまな違いがあります。
具体的にご紹介しましょう。
ベンチの場所
ベンチの場所はホームチームが1塁側でビジターチームが3塁側というのが一般的。
しかしパ・リーグの中には、3塁側の客席の方が駅から近い、選手の利用する設備や監督室が3塁側に近いなどの理由で3塁側をホームのベンチとしている球団もあります。
ユニフォーム
ユニフォームは特別な事情がない限り、ホームチームは白を基調としたもの。
ビジターチームは色つきとなります。
登場曲
ホームチームのバッターが打席に入るときには登場曲が流れます。
しかしビジターのバッターには登場曲は流れないのが一般的です。
ヒーローインタビュー
ヒーローインタビューを大々的に行うのもホームチームの特権。
ビジターチームが勝った場合にはホームチームのファンに配慮してヒーローインタビューが行われないか、放送向けだけにこっそり行われることもあります。
練習時間
実際の試合に最も影響が大きいのは、練習時間が少なくなることです。
例えば夜に試合がある場合、ホームチームは日中に練習をすることができますが、3連戦1日目のビジターチームは午後にホテル入りしてから球場に到着することもあり、練習時間が短くなることもあります。
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【プロ野球】ビジターの応援で注意すべきこと
本拠地ではないスタジアムに行くことになるビジターでの応援。
何か注意すべきことはあるのでしょうか?
注意点①:席を間違えたらグッズは出さない
スタジアムなどでは一般的にホームチームの応援席が1塁側、ビジター側の応援席が3塁側の一部に分かれています。
注意したいのは、ビジター側のチームを応援したい人が間違えてホーム側の席を購入してしまったとき。
バックネット裏や内野席は両チームのファンが混在しているためまだ良いのですが、外野席は特に注意が必要です。
なぜなら外野席は私設応援団が応援するエリアだから。
熱狂的なファンが集まるため、外野席で相手チームのグッズやユニフォームを着用していると、高い確率でトラブルの元になってしまいます。
そのため多くの球場では外野席で反対側のチームのユニフォームを着ることを禁止しているのです。
もし禁止されていなくても、周囲のファンが嫌な思いをすることにならないよう、ユニフォームやグッズを隠して静かに観戦するか、チケットを買い直すのがマナーです。
ホームとビジターの席に関して特に注意が必要なのがパ・リーグ。
前述のようにホームとビジターのベンチが逆で、応援席も逆になっている球団がありますから、チケットを買い間違えないようにしてください。
注意点②:ユニフォームについて
ユニフォームに関しては、ホームでもビジターでもないチームのユニフォームを着ていくのもNG。
他の観客だけでなく選手まで不快な思いをするかもしれないため、良いマナーとはいえません。
なお、ビジターゲームにホーム用のユニフォームを着ていくのはOK。
逆にホームゲームでビジターゲーム用ユニフォームを着るのも問題ありません。
広島カープなどのように、ビジターゲーム用の色つきユニフォームの方が圧倒的に人気という球団もあります。
注意点③:スタジアム独自のルールに注意
野球の応援は、野次の禁止、太鼓やトランペットの禁止など、試合観戦契約約款に明記されているルールを守る必要があります。
その中で注意が必要なのは、約款には書かれていない応援ボード。
その大きさは球場によって独自にルールを設けていることが多く、大きすぎると入場口で預けることになってしまいます。
他にも意外なルールがあるかもしれませんから、ビジターゲームの応援に行くときはスタジアムのルールを確認するようにしてください。
まとめ
日本のプロ野球独特の呼び方であるビジター。
しかしファンの応援に関しては、多くのスポーツに共通する部分があります。
ビジター(アウェイ)ゲームの応援に行くときは、そのスタジアムのルールに従うということ。
相手を敬い、皆が気持ちよく観戦できるようにしたいものです。
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